債務整理の森

債務整理を依頼する際の弁護士の選び方と、それぞれの弁護士の口コミや評判を検証し解説します。

任意整理手続きの流れ

 

ここでは、任意整理をする際の手続きの流れについて詳しく解説していきます。

実際にどのような流れで貸金業者との交渉、借金の返済が続いていくのかを把握しておくと心配も減ります。

では、まずは「最初に何をするべきか」から書いていきます。

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任意整理をすると決めたら何をすればいい?

任意整理を成功させる一番の秘訣は何といっても「債務整理を得意とする法律家に依頼すること」です。つまり、最初にやるべきは弁護士事務所(司法書士)を探すこと。

借金返済が困難となり、督促に追われる方にとって一番気になるのは法律家への相談料や報酬かもしれません。

 ただ、債務整理が得意な法律家は任意整理費用の「高い、安い」で判断できるものではありません。また、大手の弁護士事務所だからとか、ウェブサイトが綺麗だからといって期待通りの債務整理業務をしてくれるとも限りません。

 要するに、本当に良い法律家に任意整理を依頼したいと思ったら、ある程度の予備知識をつけた上で無料相談に行き、自らの目と耳で法律家の良し悪しを判断するしかないということになります。

借金問題に強い弁護士(司法書士)を探す

 借金返済問題に強い法律家とは、もちろん法律を良く勉強している人であることが大前提です。しかし、債務整理の場合は他の分野以上に今までの和解件数が交渉の引き出しを多くし、良い条件で和解することにつながるのです。

 金融業者の対応は2、3年前と現在では同じ業者でもまったく異なることがあります(詳しい理由は下記で説明しています)。そのような「業界の動向」「各債権者の最近の対応」を知り尽くしている弁護士(司法書士)でなければ※適切な和解をすることはできません。

※適切な和解とは、金利交渉や支払い回数を自分にとってより有利にする条件での和解締結をすることです

 任意整理交渉の経験数という意味では、大手弁護士事務所の方が数が多いかもしれません。

ただ、大手でも質の悪い弁護士事務所であれば「弁護士はあなたとの相談にほとんど参加せず、事務員に丸投げ」とか、「依頼者個々の借金事情に対しあまり親身になってくれず、任意整理の件数をこなすことばかり考えていて金融業者と※馴れ合い和解」など、別の問題が出てくる危険も考えられます。

※馴れ合い和解とは、貸金業者の提示する条件を言われるがままに合意し、あなたにとっては有利な条件で和解できないこと

 実は、ずさんな弁護士事務所というのは任意整理の無料相談の際の印象だけでも意外とわかることがあります。下記に、無料相談の際の具体的チェックポイントを挙げましたのでそれらに着目してみましょう。

※債務整理を行政書士事務所に依頼する方がたまにいらっしゃいますが、行政書士はあくまでも書類の準備しかできません。任意整理の交渉などは行いませんので注意が必要です。

無料相談をして依頼先を決める

 現在は「債務整理の相談は何度でも無料です!」と広告を打っている事務所の影響もあり、無料で行うことがむしろ普通のようになってきています。「相談料が高くて払えないかもしれない」と気になって事務所を比較できなかった相談者にとってはかなり有利な状況といえるのではないでしょうか。

 その際も無料だからといって闇雲に相談に行くのではなく、ウェブサイトなどである程度依頼する候補の事務所をいくつかに絞り込んでから訪問すると時間的な無駄がないでしょう。特に、取り立てが厳しいので早く法律家に受任通知を出してほしいという人は、集中的に数日の間に無料相談を済ませ、任意整理依頼先の決断を急ぐ必要があります。

任意整理を弁護士(司法書士)に頼んだ場合の流れ

 任意整理を法律家に頼むと、具体的にどのような流れで進んでいくのでしょうか。

まずは大まかなタイムチャートを見てみましょう。

1.無料相談・面談

 ↓   (即日~)

2.委任契約・受任通知発送(=取引履歴開示請求)・報酬支払や弁済金積立開始(※)

 ↓   (1~2カ月)

3.取引履歴の受領・利息引き直し計算

 ↓   (1週間~2週間)

4.方針決定・過払金があれば請求開始

 ↓   (1カ月~案件による)

5.和解交渉・必要なら過払金請求訴訟

 ↓   (1カ月~案件による)

6.和解成立・和解書の締結

 ↓   (1カ月~2カ月)

7.弁済開始

※任意整理の報酬支払い開始のタイミングは受任通知発送時、方針決定時、過払金取戻額の確定時など弁護士事務所により異なります。ほとんどの弁護士事務所では分割払いを認めてくれると思われますが、回数などは弁護士事務所によってまちまちですので事前に確認しなくてはなりません。

 任意整理が完了するまでの期間は債権者の数、債権者の質、過払金の有無などの事情で左右されることが多く、案件によるかなりの差があります。

 一番早い人ですと無料相談から1カ月程度で和解成立まで至ることもあります。過払い金をなかなか返してくれない債権者がいるため、別の債権者の和解交渉に着手できないなどの場合、半年以上かかることもあります。

 それでは各項目を詳しく解説していきます。

1.無料相談・面談

 債務者にとっては非常に重要な場面です。

本当に良い法律家かどうかを見極める唯一のチャンスですので、借金問題の無料相談に行った際は次のようなことを必ずチェックしたいものです。

法律家としての姿勢最初の面談に本職(弁護士や司法書士)が出てくるか
本人の話を途中で遮ったりしていないか
質問を受け付けてくれるか
実務的な能力司法書士の場合、簡易裁判所代理権を持っているか

(そもそも持っていない人に頼んではいけません!)

全体的に言葉などがわかりやすいか
最近の債権者事情を知っているか
今までに何件くらいの和解を成立させてきたか
引直し計算のしくみや手続の概要の説明をきちんとしてくれたか
事務所としての事務処理の正確性聴き取りの順序はチェックシートがあるなど、要領よく行われたか
担当者を固定してくれるか
弁護士報酬に関する説明が明確にされたか

 相談者が自分から聞かなくてはわからないこともあります。

受け身で話を聞くだけではなく、「最近の〇〇ファイナンスの対応はどうですか?」など、積極的に質問をして実力を見るようにしたいものです。その時に、「事例がないのでわからない」と言ったり、質問をはぐらかしたりする弁護士(司法書士)であれば、その時点で任意整理の依頼先としては対象外です。

 また、法律家に資質を求めるのは報酬を支払う以上は当然ですが、より的確な手続をするために依頼者側にも守らなくてはならないルールがあります。

 実務をやっていて「こういう相談者は勘弁してほしい」と思うパターンをいくつかご紹介します。

・法律家が困るパターン1 借金の状態がぎりぎりまで切迫してから来る、逆にほとんど返済しないうちに来る

 債権者が少ないうちに来ればもっと安く、早く解決できたのになぜここまで引っ張ってしまったのか・・というのはよくみられることです。

 ひどい人になると、もう債権者がしびれを切らして訴訟を打っているのに裁判所から来た書類を無視し、「出頭しろと書いてあったが行かなかった。どうすればよいですか。」と相談してくる人がいます。しかし、裁判所からの書類を無視していると債務者欠席のうちに勝訴判決を取られ、給与の差し押さえなどになってしまうこともありその後が非常に厄介です。

 また逆に、借りたばかりでまだほとんど返済していない業者がいるのも法律家としてはやりづらいものです。わずか1、2回しか返済していない債権者については、倫理的な面を考えても「もう返せないので将来利息を0にしてください」などとは非常に言いづらいことです。この業者から借りる前に相談に来てほしかった・・というのが法律家としては本音なのです。

・法律家が困るパターン2 すべての債権者を正直に明かしてくれない

 これも実際にあったケースですが、「金融業者5社だけです。他にはありません。」と言って告げられた業者を引き直し計算し、過払金もあったので任意整理で手続を完了しました。

 しかし、同じ人が半年後くらいにもう一度相談に来て「先生、すみません、実は他に〇〇と〇〇からの借入れもありました・・」と言うので状況を聞いてみると、追加の2社の借入れが非常に大きく、最初からすべてを言ってくれていたら絶対にこちらは自己破産を選択していたという状況だったのです。残債務額は必ず正しく伝えるように気を付けましょう。

 いったん任意整理した債権者に対し「やっぱり破産します」と言うことに抵抗感を感じる法律家であれば、他の事務所を紹介することになるためまた0からのスタートになってしまい、最初の任意整理費用は丸々無駄になります。本人はそこまで深刻ということがわからないのでしょうが、最初にすべての状況を明かしてくれなければ適切な判断をすることは不可能だということを理解しましょう。

2.委任契約・受任通知発送(=取引履歴開示請求)・報酬支払や弁済金積立開始

 上記のチェックポイントをクリアする事務所が見つかれば委任契約となりますが、書面で契約を交わすことが基本です。

 特に、費用面での説明や、双方に不信感が出た時の解任、辞任に関することはしっかり確認しておきたいものです。委任契約をいったん締結したら、委任者、受任者にそれぞれの果たすべき責任が生じます。着手金の設定がある場合にはこのタイミングでの支払いが多いでしょう。

 きっと委任契約の際にも念を押されることが多いですが、法律家と債務者間の連絡がスムーズにできるということは手続を成功させるためには欠かせないポイントです。もし委任時の連絡先から引っ越しや携帯の変更などで連絡先が変わった場合には必ず法律家に伝えなくてはなりません。

 今までの経験上、やむなくこちらから辞任となったもので一番多い理由が「債務者との連絡が取れなくなった」ということです。

 うっかり忘れて・・ということであればまだ話はわかりますが、債務者の中には一定の割合で「逃げ癖」のある人がおり、中には(何故そういうことをするのかはわかりませんが)法律家ジプシーと呼べるくらい、色々な事務所に委任しては(契約したままで)行方をくらます、ということを繰り返していることもあります。こういう行為がなぜ発覚するのかというと、債権者から「〇〇さんの件ですが、先生のところはもう辞任されたんですか?他の事務所からの受任通知が来たんですが」などと連絡が来るためです。

 たとえいっとき取り立てが止まったとしても根本的には何の解決にもなっていないのです。債務整理のようなデリケートな問題での委任契約は、あくまで人間としての信頼関係を築こうとする前提で結ぶものだということを双方が理解しなければなりません。

 無事に委任契約を交わすといよいよ手続のスタートです。契約後すぐに法律家から「受任通知(介入通知)」を出しますので、それによって金融業者から債務者への取り立てはストップし、それ以降、債権者は法律家にしか連絡してはいけないことになっています。

 また、方針が決まって弁済がスタートするまでは債権者への支払いをしなくて良くなるため、家計には多少の余裕が出るはずです。事務所によっては、この時点で報酬の分割払いをスタートしたり、弁済金の積立をさせたりすることもあります。

3.取引履歴の受領・利息引き直し計算

  任意整理は、相手方債権者を選べるのがメリットですから、銀行や車のローンや保証人つきの債務を除いて、ひとまず高金利の業者だけ先に受任通知を出して引き直し計算するというのがスタンダードなやり方です。

 取引履歴が送られてくるまでどのくらい期間がかかるか?というのは債権者によってまちまちです。早いところでは受任通知を出してから2、3日以内にFAXなどで来ることもありますし、案件が立て込んでいる、過去の履歴から債務者の借入れデータを引っ張るのに時間がかかる、などの理由で2カ月くらい待たされる業者もあります。

 法律家の介入から1カ月近く経ってすべての取引履歴が揃わない状態でいると、早く送ってきた業者からは「〇〇さんの件ですがまだ整理の方針、決まりませんか?」と催促の電話が来はじめることが多くなります。「まだ履歴が来ていない業者がいますので」と説明すれば普通は待ってもらえます。

 取引履歴が届いたら順次、高金利で取引していた貸金業者については専用の計算ソフトを使って利息制限法に基づく法定利息内に直す計算(引き直し計算)をします。このソフトは、払い過ぎていた利息は元本を払ったものとみなして再計算してくれるため、100万円あると思っていた借金が実は50万円まで減っていたとか、0になっていたとか、それを通り越すといわゆる「過払い金」が発生している状況ということになるわけです。

 高金利業者すべての計算が終わると、他の債務も含めたトータル金額を計算して本人の収入と見比べ、任意整理ができそうかどうか判断する、という流れになります。

この時に、「弁済原資金」の積立てがスタートするケースが多いです。

4.方針決定・過払い金があれば請求開始

 上記の計算によってどのくらい借金額が減るかということが方針決定の鍵になってきます。

 ある債務者、山田さん(仮名)の例を見てみましょう。

貸金業者名利息引き直し前利息引き直し後備考
消費者金融A120万円50万円取引8年
消費者金融B100万円20万円取引10年
消費者金融C30万円-50万円取引10年
D銀行50万円50万円法定金利内だったので変わらず

 山田さんのケースでは取引期間もそれなりに長いため、引き直し前で総額300万円ある借金がかなり減ることが期待されました。そこで、まず法定金利内だったD銀行のカードローンを除いたA,B,Cの3社に介入し、計算してみることになりました。

 結果、引き直し後の借金総額は銀行も含めて120万円、それに過払金が50万円ありました。

 このようなケースでは、まず過払い金返還請求をします。結局のところ、過払金がいくら戻るかで他の業者の返済回数に影響が出ますし、法律家の報酬を本人が手出しする必要が出てくるかどうかも決まるからです。

 過払い金請求の金額や時期についての和解ができたら、今度は残債務がある業者との返済回数などの交渉になります。債権者によっては過払い金取戻しに難航することがあり、ここで時間がかかることも考えられますので、債務者の収入次第では過払い金を考慮に入れずに残債務を毎月の収入から返済する計画で交渉に入ることもあります。

5.金融機関と和解交渉・必要なら過払い金請求訴訟

 債務総額がわかると、あとは本人の収入から計算した月々の返済可能額をもとに、法律家と債権者(金融会社)との間で「返済回数」「返済月額」「利息をゼロにしてもらう」などの和解案を交渉していきます。どのような条件を飲んでもらえるかは、本当に債権者の考え方次第、そして債務者の今までのその債権者との関係次第ということになります。債務整理を決断するまでにさんざん貸金業者の督促から逃げ回り、不誠実な態度を取っていたような債務者の場合、やはりここでの交渉も渋い対応をされることが多くなります。 

 そして、債権者ごとの対応の違いにも注意が必要です。

 たとえば、消費者金融Aは月々の最低返済額が5000円と決まっているのでそれ以下は自動的に受け付けないとか、消費者金融Bは10万円程度の残債務なら必ず半年以内で返済しなければ認めないなど、債権者内部で社内規定が決まっていることも多いため、担当者レベルでそれを覆すことはできないのです。普段から債務整理の経験が豊富な法律家であれば、「今回は長期分割を認めないA社が含まれているから、B社については本当は1年でも返済できるけれど、少し長めの2年で交渉を始めて月々の負担を減らし、その分A社の返済分を増やそう」など、ケースバイケースでの判断ができます。このあたりが、法律を知っているだけでは対応できない「実務能力」の部分なのです。

 法律家が代理で手続きする場合、今から10年近く前くらいは貸金業者との交渉は比較的定型的で、債権者から粘られることも少なかったといえます。しかし、「過払金請求」が年々増加の一途をたどるようになり、全国の法律家や個人から殺到する請求に応じることによって、平成20年過ぎあたりからサラ金やクレジット会社の経営は急速に傾いてきます。

 その結果、大手を中心に行われたのは「社員の大規模リストラ」「支店の閉鎖」などです。社員が激減したことで、債権管理や和解交渉に割ける社員の人数が減る→長期で返済する債務者が増えても管理が追いつかない→とにかく短い期間で返済させるようにしろ、という理屈になってきます。

 このような背景から、以前なら3年や5年の和解ができていた会社が「1年でなければ認めません」などと強硬な態度をとるようになったのです。これまでは難なく任意整理できていたような条件の債務者も、現状ではやむなく個人再生や自己破産に流れる他ない、ということもありえます。

 また、各法律事務所に金融業者が「ランク付け」をしているというのもよく聞く話です。要するに「一目置いて本気で向き合う事務所」と「あまり経験や実力がないと甘く見て、自分たちに有利な条件を強気に提示する事務所」を使い分けているということなのです。

 だからこそ、依頼する債務者も事務所をよく吟味して選ばなくてはならないのであり、法律家選びの時点で任意整理の成功、失敗がある程度決まってきてしまうことを理解しなければならないのです。

 上記の山田さんの例に戻りますが、この人の場合は取り戻した過払金で司法書士報酬の支払いプラス債務の一部返済に充てることもでき、残った債務額を将来利息ゼロ、3年払いの予定で返済していくことになりました(D銀行には介入していないため、今まで通りの返済を続けている状態になっています)。

 このようなケースは典型的な「うまくいった任意整理」といえますが、中には強硬な債権者に当たってしまい交渉が難航し、任意整理を断念して個人再生などに流れる事例もあるということです。

6.和解成立・和解書の締結(和解契約)

 基本的に、任意整理の場合は「月々〇〇円までは返済可能」という金額は債務者の自己申告になります。もちろん、法律家としては家計簿をもとに本人の言っていることの実現可能性をチェックするべきでしょうが、債権者から「源泉徴収票を出せ」などと言われることはほぼ皆無です。ですから、ここでの見通しが甘くなりすぎないように注意しなくてはなりません。

 無事に法律家と債権者との間で交渉がまとまったら郵送で和解契約書のやりとりを行います。和解契約書に記載されるのは主にこのような内容です。

  1. 確認条項 (債務の特定と、債務の存在を認める旨を記載)
  2. 給付条項(確認条項に記載された債務をどのように支払うかを回数、一回の支払額、支払日、具体的な振込み口座などとともに記載)
  3. 懈怠条項(支払いが滞った際のペナルティとしての損害金などを記載)
  4. 清算条項(この和解書に書いてある以外の債権債務が存在しないことを記載)

ここまでで無事に和解契約完了となります。

7.弁済開始

 和解が成立したら、その時点で法律家の業務は終了となることが基本です。あとは債務者本人が返済していくのですが、中にはお金を法律家に振り込み、法律家から債権者に返済するというスタイルをとっているところもあります。(このあたりは返済計画の相談時に確認しましょう)

 法律家が確実に和解内容を実行させるため毎月管理するというのが趣旨ですが、この方法を取るとその分の報酬が余分にかかりますので、やはり自分自身でしっかり管理していくことが理想です。(ここでの支払い金を和解金と呼ぶこともあります)

 万一、支払いが滞った場合の「懈怠条項」は主に次の二種類があります。

A「2回支払いが滞ると期限の利益を失う」
B「2回分、支払いが滞ると期限の利益を失う」

 AとBにはどのような違いがあるのでしょうか。

 Aのように「2回」とされている場合、1回の滞納を解消しても、たとえば翌月にもう1回滞れば期限の利益を失う、つまり、もはや分割払いはできなくなるという意味です。

 Bのように「2回分」とされている場合、1回の滞納を解消すればたとえ翌月にもう1回滞ってもその時点で滞っているのは「1回分」ですので、まだ期限の利益は失っていません。

 ただ、実際に「アウト」になるかどうかはともかくとしても、一度和解した内容をやむなく守れない事情がある場合、必ず滞納する前に債権者に連絡するという心がけが必要です。

※任意整理後の支払いが遅れた場合には遅延損害金はつきませんが、そのまま自己破産や個人再生へと進まなければいけなくなってしまいます。

 こういった場面で誠実な対応をしたかどうかでその後、どうしても支払えず個人再生や自己破産に切り替える場合などに債権者の対応が違ってくるからです。

任意整理後にできなくなること

 債務整理をすると、任意整理に限らず「信用情報機関」に金融事故の記録がついてしまうことになります。これは、任意整理であればおよそ5年間、影響し続けると考えるべきでしょう。

 →「任意整理とは?メリットとデメリット」の中の「デメリット」で他の手続との差についても解説しています。 (リンクを貼ってください)

 では、具体的にどのような状況になるのでしょうか。

カードが作れない

 新規のクレジットカードを作成したくても、(基本的には)5年は与信審査に通らないと思っておくべきです(ただ、審査基準が甘いカード会社であれば5年を待たずに通ってしまうケースもあります)。

 今回の任意整理でまったく対象にしなかったカード会社のクレジットカードを使っていた人はいきなりそれが使えなくなるわけではなく、次の更新時までは使えることもあります。 ただし、「途上与信」といって、更新時期よりも前に信用情報を見ている会社もありますので、その場合は任意整理の情報がばれて使えなくなる可能性もあるということです。

保証人になれない

 自分自身の借り入れができないことはもちろん、他人の保証人になることもできません。任意整理した状況で他人の保証人になろうということ自体が「もってのほか」なのですが、貸金業者の方も連帯保証人に支払い能力がなければ話にならないわけですから、当然保証人の与信審査もしています。そこでブラック情報が発覚すれば当然保証人としての審査に落ちることになります。

ローンが組めない

 住宅ローンや自動車のローンなども同様に5年くらいは組めないと考えておきましょう。

 家族に内緒で任意整理をした人の場合、たとえば妻から「そろそろマイホームが欲しい」とか「車を買い替えたい」などと言われて、「今はまだ無理だ」と渋っているうちに不審に思われ、発覚するというパターンもあります。

 最後まで内緒で押し通したいと考える場合、それなりに相手を納得させられる言い訳をあらかじめ考えておかなくてはならないことは言うまでもありません。

 任意整理にはこのように手続き後にいくつかの不都合が生じることもあるのですが、トータルで見ると、「借金が大幅に減る」「官報にも載らない」「外したい債権者を外して手続きできる」など、ほかの手続きにはないメリットが数多くあります。

 特に、高金利の時代からサラ金の借金があった人は、破産を恐れてずっと相談に行けずにいたのに、いざ手続きをしてみたら過払金が戻ってプラスになったということも珍しくありません。

 相談のタイミングが早ければ早いほど、破産せずに済む可能性も高まり、手続き費用も安く上がるのが債務整理です。手続きをするかしないかの決断はさておき、返済に行き詰まりを感じた人は現在の自分の状態を早めに分析してもらうことが大切です。

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