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自己破産による職業制限

   

自己破産をすると、いくつかの職業を制限されることになります。しかし、一生その職に就けないというわけではなく、むしろその期間は短いものばかりです。よくわからないままに敬遠せず、制限内容をきちんと把握して自己破産をするかしないか判断してみましょう。

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自己破産したことによって制限をうける職業、資格

破産を申し立てると、裁判所が破産手続開始決定を出し、問題がないか審理を行います。その後、手続が進行して、免責不許可事由がなければ裁判所が免責許可決定を出します。

破産手続開始決定から免責許可決定までの間は、下記の資格が制限されるため、これらの資格を利用する職業につくことができません。もちろん、免責許可決定が出た後は資格制限もなくなるので、ずっとその仕事をすることができないというわけではありません。

会計・法律関係

  • 公認会計士、公認会計士補 (公認会計士法第4条5)
  • 税理士 (税理士法第4条3)
  • 弁護士 (弁護士法第7条の5)
  • 司法修習生 (司法修習生に関する規則17条1の3)
  • 弁理士 (弁理士法第8条10)
  • 司法書士 (司法書士法第5条3)
  • 社会保険労務士 (社会保険労務士法第5条3)
  • 行政書士 (行政書士法第2条の2)
  • 中小企業診断士 (中小企業診断士の登録及び試験に関する規則第5条3)
  • 通関士 (通関業法第31条2)
  • 外国法事務弁護士 (外国法事務弁護士記章規則第6条5)
  • 公証人 (公証人法第14条2)

公務員・委員関係

  • 人事院の人事官 (国家公務員法第5条3、第8条1)
  • 国家公安委員会委員 (公安審査委員会設置法第7条1、第8条)
  • 都道府県公安委員会委員 (警察法39条2の1)
  • 国際委員会委員 ユネスコ活動における法律第11条
  • 公正取引委員会の委員長及び委員 (私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する
    法律第31条1)
  • 教育委員会委員 (地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条2)
  • 日本銀行の役員 (日本銀行法第25条1)
  • 政策委員会審議委員 (日本銀行法第25条1)
  • 土地収用委員及び予備委員 (土地収用法第54条1)
  • 都道府県公害審査会の委員 (公害紛争処理法第16条)
  • 預金保険機構運営委員会委員 (預金保険法第19条)

金融関係

  • 証券外務員 (金融商品取引法第64条2)
  • 持分会社(合名会社、合資会社又は合同会社)の社員 (会社法第607条5)
  • 商品投資販売業 (商品投資に係る事業の規則に関する法律第6条)
  • 商品投資顧問業 (商品投資に係る事業の規則に関する法律第32条)
  • 金融商品取引業 金融商品取引法第29条4の2のロ
  • 証券金融会社の役員(取締役、会計参与、監査役又は執行役) (金融商品取引法第156条31)
  • 金融商品会員制法人の会員 (金融商品取引法第95条)
  • 信託会社 (証券投資信託法第7条)
  • 貸金業者 (貸金業法第6条2)
  • 貸金業務取扱主任者 (貸金業法第24条の27)
  • 貸金業者の政令で定める使用人・法人の場合の役員 (貸金業法第6条10、貸金業法第6条9)
  • 割賦購入あっせん業者の役員 (割賦販売法第33条2の6のイ)
  • 質屋 (質屋営業法第3条5)
  • 生命保険募集人及び損害保険代理店とその役員 (保険業法第279条、280条)
  • 商工会議所会員 (商工会議所法第15条2)
  • 商工会の役員 (商工会議所法第35条8)
  • 商品取引所会員 (商品取引所法第31条)
  • 商品取引所役員(理事長、理事及び監事) (商品取引所法第49条)
  • 著作権等管理事業者の役員 (著作権等管理事業法第6条5のロ)
  • 地方公営企業等金融機構役員 (地方公営企業等金融機構法第22条2の3)
  • 沖縄振興開発金融公庫役員 (沖縄振興開発金融公庫法第12条の2の2)
  • 信用金庫等の会員 (信用金庫法第17条3)
  • 信用金庫等の役員 (信用金庫法第34条2)
  • 社会保険審査会委員長及び委員 (社会保険審査官及び社会保険審査会法第24条1、第25条)

農業・漁業関係

  • ・水産業協同組合貯金保険機構運営委員会の委員 (農水産業協同組合貯金保険法第19条1)
  • 農水産業協同組合貯金保険機構運営委員会の役員(理事長・理事・監事) (農水産業協同組合貯金保険法第29条2)
  • 漁船保険組合の組合員 (漁船損害等補償法第24条4)
  • 漁業信用基金協会会員 (中小漁業融資保証法第16条3)
  • 船主相互保険組合の発起人、理事及び監事 (船主相互保険組合法第17条3のイ)

不動産・建築関係

  • 宅地建物取引士 (宅地建物取引業法第18条3)
  • 管理業務主任者 (マンションの管理の適正化の推進に関する法律第59条1)
  • 土地家屋調査士 (土地家屋調査士法第5条3)
  • 不動産鑑定士、不動産鑑定士補 (不動産の鑑定評価に関する法律第16条3)
  • 不動産鑑定業者 (不動産の鑑定評価に関する法律第25条)
  • 不動産特定共同事業を営もうとする者 (不動産特定共同事業法第6条、36条)
  • 一般建設業、特定建設業 (建設業法第8条、第17条)
  • 建築士事務所開設者 (建築士法第23条の4)
  • 建築設備資格者 (建築設備資格者登録規定第6条)
  • 建築審査会の委員 (建築基準法第80条の2)
  • 建設工事紛争審査会の委員 (建設業法第25条の4)
  • 測量業者 (測量法第55条の6)
  • 土地鑑定委員 (地価公示法第15条)
  • 地質調査業者 (地質調査業者登録規程第6)
  • 宅地建物取引業 (宅地建物取引業法第5条)
  • マンション管理業 (マンションの管理の適正化の推進に関する法律第47条1)

その他

  • 補償コンサルタント (補償コンサルタント登録規程第6条1)
  • 一般労働者派遣事業者とその役員 (労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣・労働者の就業条件の整備等に関する法律第6条3、第6条6)
  • 特定労働者派遣事業者とその役員 (労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣・労働者の就業条件の整備等に関する法律第17条)
  • 労働保険審査会の委員 (労働保険審査官及び労働保険審査会法第30条の1、第31条)
  • 港湾労働者派遣事業の事業主及び役員 (港湾労働法第13条3、13条6)
  • 港湾労働者雇用安定センターの役員 (港湾労働法第28条の2の3のロ)
  • 旅行業者 (旅行業法第6条5)
  • 警備員 (警備業法第14条)
  • 警備業者 (警備業法第3条1)
  • 警備員指導教育責任者等 (警備業法第22条の4の2)
  • 共同鉱業権者 (鉱業登録令第51条)
  • 下水道処理施設維持管理業者 (下水道処理施設維持管理業者登録規程第6条)
  • 公害等調整委員会委員長及び委員 (公害等調整委員会設置法第9条、第10条)
  • 風俗営業を営もうとする者 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第4条1)
  • 風俗営業の営業所管理者 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第24条2の2 )
  • 風俗環境浄化協会の調査員 (風俗環境浄化協会に関する規則第4条2)
  • 一般廃棄物処理業者及び役員又は政令で定める使用人 (廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条5の4のイ)
  • 産業廃棄物処理業者及び役員又は政令で定める使用人 (廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条5の2のイ)
  • 特別管理産業廃棄物処理業者 (廃棄物の処理及び清掃に関する法律第14条の4の5の2)
  • 通関業者及び役員 (通関業法第6条2、第6条2)
  • 鉄道事業者及び役員 (鉄道事業法第6条3 第6条5)
  • 索道事業者及び役員 (鉄道事業法第38条)
  • 宇宙開発委員会委員 (宇宙開発委員会設置法第7条)
  • 卸売業者 (卸売市場法第17条)
  • 塩製造業者及び法人の代表者 (塩事業法第7条3)
  • 塩特定販売業者及び法人の代表者 (塩事業法第17条)
  • 塩卸売業者及び法人の代表者 (塩事業法第20条)
  • 製造たばこの特定販売業者及び法人の代表者 (たばこ事業法第13条3、第17条)
  • 日本中央競馬会の経営委員会の委員 (日本中央競馬会法第8条の7の1)
  • 日本中央競馬会の役員(理事長、副理事長、理事及び監事) (日本中央競馬会法第13条)
  • 地方競馬全国協会の運営委員会の委員 (競馬法第23条の21の1)
  • 地方競馬全国協会の役員(理事長、副理事長、理事及び監事) (競馬法第23条の27の1)
  • 調教師、騎手 (競馬法執行規則第22条1)
  • 競馬の実施に関する事務の受託者及び役員 (競馬法執行規則第3条1、第3条8)
  • 競輪振興法人の役員 (自転車競技法第23条5のイ)
  • 小型自動車競走振興法人の役員 (小型自動車競走法第27条5のイ)
  • 国際観光レストラン (国際観光レストラン登録規程第4条)
  • 有位者 (位階令第6条)
  • アルコール普通売捌人 (アルコール売捌規則第40条)
  • 科学技術会議議員 (科学技術会議設置法第7条)
  • 原子力委員及び原子力安全委員 (原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第5条)
  • 特定非営利活動法人の役員(NPO) (特定非営利活動促進法第20条)
  • 旅行業務取扱管理者 (旅行業法第11条の2の2)
  • 第三者発行型前払式証票の発行者の役員 (前払式証票の規制等に関する法律第9条の5のロ)

(7)民法上の制限

  • 取締役 (民法第653条2)(欠格事由ではないが、委任の終了事由となる)
  • 代理人 (民法第111条)(代理権の消滅事由となる)
  • 後見人 (民法第847条)
  • 後見監督人 (民法第852条)
  • 保佐人 (民法第876条)
  • 補助人 (民法第876条)
  • 遺言執行者 (民法第1009条)

これらの資格制限は、破産法ではなく、個別の法律で制限がなされています。すべての資格を完全に網羅することはできないので、上記にない資格の制限が知りたい場合、その資格に関する法律を調べてみてください。

公務員の場合

上記の資格制限に一般の公務員は挙げられていません。そのため、破産したことを理由として免職されることはありません。もちろん、資格制限を受ける公務員(人事院の人事官など)は、その間仕事ができなくなりますし、懲戒処分を受ける可能性があります。

ただし、一般の公務員であっても、破産に至った経緯に公務員としての信用を失墜させる行為があった場合、懲戒事由となる可能性があります。例えば、過度のギャンブルのため他人を騙してお金を借りたような場合、懲戒事由に該当することもありうるでしょう。

職場にバレなければ問題ないのか

職場に自分から話す必要はあるのか

破産する場合、裁判所から職場に連絡がいくようなことはありません。したがって、そもそも職場に破産を知られてしまうという事態は少ないでしょう。また、資格制限により仕事ができなくなる場合を除いて、破産により自らの業務に支障が出る可能性は低く、あえて自分から破産のことを話す義務もありません。

しかし、資格制限を受ける資格を利用して仕事をしている場合、免責決定までは資格が制限され、その仕事をすることができなくなります。このような場合は、職場にも報告して、判断を仰ぐ必要があります。ただし、現実的にはそういうわけにもいかず、弁護士とうまく連携して続けるケースもあるようです。このあたりは親身に相談に乗ってくれる法律家を探すしかありません。

職場に破産が知られる可能性

破産すると、官報に名前が掲載されます。通常、官報は一般の人が読むようなものではないので、これにより職場の人に破産が知られてしまうことはほとんどありません。しかし、金融業界などでは官報をチェックしているので、職場に破産が知られてしまう可能性があります。

また、破産申立においては、自らの財産をすべてリストにして提出しなければなりません。会社に退職金制度がある場合、現時点における退職金の見込み額がわかる書類を裁判所に提出する必要があります。これらの書類を揃える段階で、会社の担当者に破産が知られてしまうことがあります。

現在就いている仕事はクビになる?

破産は私的な問題であり、破産したことにより直ちに解雇されるわけではありません。

しかし、就業規則で破産が解雇事由として挙げられており、特に対外的な信用を重視する職業である場合(資格制限を受ける場合も含む)、破産を理由とする解雇が認められる可能性があります。

逆に、対外的な信用が重視されない職業の場合、懲戒処分を受けるとしても、解雇までは認められないケースが多いでしょう。破産と業務との間にまったく関連性がないのであれば、解雇する合理的な理由がないからです。

もし破産したことを理由として解雇された場合、解雇理由証明書を出すよう会社に要求し(労働基準法第22条第2項)、早期に弁護士に相談しましょう。

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