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メルカリの現金出品問題。クレジットカード現金化は違法?リスクを解説

 

最近、メルカリというインターネット上のフリマアプリにおいて、現金の出品が話題になっています。

下記のツイート参照

※その後、4/24に現金の出品は禁止されています

5万円や10万円などの現金が出品されて、それが57000円や115000円などで購入されているのです。

どうしてこのようなことが起こっているのでしょうか?

どのような人が現金を額面以上の金額で購入しているのか、またこの現象について問題がないのかについて、元弁護士としての立場から、検証してみました。

なお、記事内でも述べますが、「メルカリで現金や入金済みのパスモを購入してはいけません。」そんなことをしても不利益が及ぶだけですし、他に救われる道があります。

また、「メルカリで現金を出品すべきではありません。」このようなことは、違法である可能性があり、犯罪組織である「闇金」がしていることと大して変わりません。

以下で、詳しく見てみましょう。

メルカリとは

引用:https://www.mercari.com/jp/help_center/

最近、急に話題になっているのが、メルカリでの現金出品です。

知っている人もたくさんいると思いますが、メルカリとは、インターネット上のフリマアプリのようなものです。業者ではない普通の個人でも、さまざまな商品を出品し、購入者と交渉をして、商品を売却することができます。

手軽に利用できるのと、広範囲で購入者とのマッチングができるので、とても人気があります。

メルカリで現金出品と購入が行われている実態

メルカリは、普通の利用方法をしている限り、とても便利で有用なシステムです。お小遣い稼ぎもできますし、本格的にネットショップを経営しているくらいに儲けを出している人もいます。

しかし、最近このサイト上で「現金(入金されたスイカやパスモ)」が出品されているのです。しかも、その「現金」が額面額を超える金額で出品・購入されています。

たとえば、5万円が57000円で購入されたり10万円が107500円や116000円などで購入されたりしています。人気商品のようで、「SOLD OUT」になっている商品もたくさんあります。

こちらのツイート内容は4/22のものですが、その後4/24に現金の出品が禁止となり、今度は「入金されたスイカやパスモ」が代替品として出品されるようになりました。


いったいどうしてこのような取引が成り立つのでしょうか?普通の感覚ならあり得ないことなので、不思議に思う人も多く、大きな話題になっています。

どういう人が購入しているのか?

現金(入金スイカやパスモ)を額面額を超える金額で購入している人は、どういった人なのでしょうか?

これは、おそらく借金に困っている人だと考えられます。

借金をしている人は、「返済のために別の借入先から借り入れをする」、という「自転車操業」状態になっている人が多いですが、借入枠がいっぱいになってしまっているため、これ以上新たに貸金業者から借り入れが出来なくなっている人も多いです。

とくに、近年貸金業法の改正があり、借金に総量規制がもうけられました。

総量規制とは、年収の3分の1までしか借金ができないという制限です。このことにより、サラ金やカード会社から借金をすることが難しくなって、総量規制がかからない銀行カードローンの利用者が増えたとも言われています。

このように、今は「借金したくても借りられない」人がたくさんいます。

そこで、メルカリで現金を購入することにより、即金を手にしているのだと言われています。メルカリではクレジットカード決済ができるので、手元に現金がなくてとにかくお金が欲しいという場合、カードで支払をしたら、現金を先に手にすることができます。

すると、そのお金を生活費や借金の支払に充てることができます。クレジットカードのキャッシング枠が一杯になっていても、ショッピング枠が空いていたら現金を入手することができるのです。

また、生活保護の人の場合、預金口座にお金が入金されると収入があるとみなされて、生活保護のお金を減額されたり、止められたりする可能性があります。

そこで、現金を購入することにより、預金口座に反映されない収入を得ているのではないか?という声もあります。

クレジットカードの現金化とは?

このように、メルカリ上での現金売買は、多重債務者の借金問題が絡んでいる可能性が高いものですが、こうしたクレジットカードによる現金取得の方法は、何も今新しく始まったわけではありません。

昔から多くの多重債務者が、目の前の現金取得のために利用していた方法です。

クレジットカードの現金化の基本は、クレジットカードのショッピング枠で商品を購入して、その商品を売却して現金に換えることです。

クレジットカードには、キャッシング枠とショッピング枠があります。キャッシング枠は、借金をするための枠、ショッピング枠は買い物をするための枠です。

キャッシング枠がいっぱいになってもショッピング枠が空いていたら、商品購入すること自体は可能です。

そこで、借金で首が回らなくなった債務者が、ショッピング枠を利用して家電製品や新幹線の回数券などの商品を購入し、すぐに売却して現金に換える、という行動をしていましたし、今でもそういった行動をとる人はいますし、実際に弁護士業務の中で、クレジットカードの現金化をしている人を何人も見たことがあります。

クレジットカードの現金化の問題

こうしたクレジットカードのショッピング枠現金化には、いろいろな問題があるので、以下で順番に見てみましょう。

  1. 莫大な返済
  2. カード規約違反
  3. 詐欺
  4. 自己破産ができなくなる可能性

莫大な返済が発生する

まず、一番大きな問題は、莫大な返済が発生してしまうことです。

クレジットカードのショッピング枠を利用する場合、1回払いや2回払いであれば手数料がかかりませんが、3回以上の分割払いになると、手数料がかかってきます。手数料とは、ショッピング枠利用の際にかかる利息のようなものです。

メルカリで現金を購入するような切羽詰まった人は、長期分割払いやリボ払いを利用することが多いでしょう。リボ払いとは、毎月の返済金額を一定にして、返済期間を長期に設定する借金返済方法ですが、その場合、支払期間中に利息が発生し続けるため、通常の分割払い以上に膨大な利息が発生します。

たとえば、10万円を借りてリボ払いを利用すると、利息込みで115000円程度払わないといけないなどの結果になります。もし、メルカリで10万円を115000円で購入し、それをクレジットカードで支払ったら、クレジットカード会社には130000円くらい支払わないといけなくなるということです。

10万円を得るのに13万円も支払うのですから、無益としか言いようがありません。

このようなことをしていては、現在の借金の状況がどんどん悪化していくだけで破綻することが必至なので、クレジットカードの現金化は絶対にすべきではないのです。

実際に、弁護士業務をしていた頃、リボ払いがかさんで債務整理をせざるを得なくなったひとをたくさん見ました。

カード規約違反

クレジットカードの現金化は、クレジットカード会社におけるカード規約違反になります。そこで、カード会社に知られたら、カードの利用停止や強制解約をされてしまう可能性があります。

詐欺

さらに、クレジットカード会社に対する詐欺になる可能性もあります。

実際には商品を購入利用する意思がないのに、そのような意思があると装って(規約違反行為であることを隠して)クレジットカード会社に通知し、加盟店に対して立替払いをさせるからです。

自己破産できなくなる可能性もある

クレジットカード現金化をすると、自己破産が難しくなるおそれもあります。自己破産をすると借金を0にしてもらうことができますが、そのためには裁判所に「免責」という判断をしてもらう必要があります。

しかし、自己破産には免責不許可事由があり、その事情があると、免責を認めてもらえなくなります。

そして、クレジットカードの現金化は、自己破産の免責不許可事由の1つとされているので、このようなことをしていると、自己破産をしても借金をなくしてもらえないおそれがあります。

クレジットカード現金化は闇金の手口

クレジットカード現金会社は出資法違反

今、メルカリに現金(入金PASMOやSUICA)を出品しているのがどのような人なのかは明らかではありませんが、おそらく業者や個人であると考えられます。

ただ、もし、単純に「現金を出品したら儲かる!」などと考えて気軽に出品している人がいたら、いますぐ辞めるべきです。

クレジットカード現金化によって利益を得ることは違法です。この点は、現金化をする本人以上にはっきりしており、逮捕者も出ています。

どのような法律に違反するかというと、「出資法」という法律です。出資法とは簡単に言うと、年間109.5%以上の金利をとると、処罰されるという法律です。貸金業者の場合には、年間20%を超える金利をとると、処罰を受けます。

クレジットカード現金化をあっせんする場合、間に入った業者や個人は、本人からクレジットカードで115000円などを支払わせて100000円を渡すだけなので、15000円の利息をとっているのと同じことになります。しかも、返済はほとんど即時です。

そこで、明らかに出資法を超えた高金利をとっているのと同じ結果になるので、出資法違反になります。実際に、これは多くの闇金業者がとっている犯罪の手口です。

クレジットカード現金化の業者(実際には闇金)が出資法違反で逮捕されている事例もたくさんあります。

メルカリで現金を出品している人の中に、こうした闇金業者が混じっている可能性もあります。絶対に利用してはいけないのは当然のこと、個人が「自分も」などと便乗すると、大きな危険が及びます。法律は「法律を知らなかった」という理由では許してくれません。

たとえ出資法の詳しい内容を知らなくても、違法な高金利で人にお金を貸し付けたら、出資法違反で逮捕されて処罰されるおそれがあります。

現時点でメルカリに現金を出品したら即違法と言っているわけではありませんが、これは、これまで逮捕時例も出ているような違法なクレジットカード現金化あっせんと非常によく似た行為であり、そうした危険と隣り合わせだということです。

出資法の罰則

出資法の罰則は非常に重いです。

貸金業者が出資法違反をした場合には10年以下の懲役または3000万円以下の罰金刑になりますし、それ以外の個人などが出資法違反をした場合にも、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金刑となります。

この罪は非常に重いです。たとえば、ネット名誉毀損などでよく問題になる、一般的な名誉毀損罪などの場合は3年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金刑ですから、これと比べても出資法違反がどれだけ違法性の高い行為かがわかります。

メルカリで現金購入せずに、債務整理しよう

以上のように、メルカリで現金を出品すると違法になる可能性が高いですし、購入することにも大きな問題があります。お金に困ってメルカリで現金を購入しても、多額の返済が必要になってさらに状況が悪くなるだけです。

メルカリで現金を購入してはいけません。

お金に困っているなら、「債務整理」という方法で根本的に、しかも驚くほど簡単に問題を解決することができるのです。以下では、そんなすごい力のある債務整理について、説明します。

債務整理とは

債務整理とは、借金を合法的に減額してもらったり無くしてもらったりして整理する手続きのことです。

よく、テレビなどで「借金問題に困っているなら債務整理」とか「任意整理」「過払い金が100万円返ってきた」などと言っていますが、あれが債務整理です。

借金しているのにお金が返ってくるはずがないとか、司法書士や弁護士なんかに連絡したくないとか、ブラックリストになるんじゃないの?とか、いろいろと嫌なイメージを持っている人もいるのかもしれませんが、元弁護士としての立場を差し引いたとしても、債務整理は本当にすばらしい制度です。

債務整理をしたら、これまでの苦しい借金生活から、嘘のように解放されます。

しかも、ほとんどどのような人でも利用することができます。闇金から借入がある人でも、問題を解決する方法があります。

債務整理の種類と効果

そんな風に抽象的に言われても納得ができない、という人のために、債務整理とは具体的にどんな方法で、どんな風に問題が解決できるのか、説明をします。

4種類の債務整理の方法

債務整理には、任意整理と特定調停、個人再生と自己破産という4種類の方法があります。

任意整理

任意整理は、借入先のサラ金やカード会社、銀行などと話合いをして、借金の返済計画を立て直す方法です。借金の利息をカットしてもらえて、返済期間を延ばすことができるので、月々の支払額や総返済額が減って、苦しかった支払いができるようになります。

過去にサラ金を利用していた人は、払いすぎた利息である過払い金が返ってくることもあります。私が弁護士をしていた頃にも、たくさんの過払い金返還を受けたことがあるので、これは本当のことです。

特定調停

特定調停は、簡易裁判所で裁判所に間に入って借入先と話合いをする方法です。自分で直接サラ金などと交渉しなくて良いので、話を進めやすいです。

任意整理と同じように、利息をカットしてもらい、月々の返済の負担や総返済額を減らすことが目的です。

個人再生

個人再生は、裁判所を利用する方法ですが、これを利用すると借金を元本ごと大きく減額してもらうことができます。

たとえば、1500万円までの借金から5分の1または100万円のどちらか大きい方の金額まで減額できる可能性があります。

もちろん、クレジットカードやサラ金、銀行カードローンなどすべての借金が対象です。住宅ローンを返済中の人でも、家を守りながらその他の借金だけを減らすことができます。

実際、私が弁護士をしていた頃、住宅ローンを抱えた人は、多くのケースで個人再生を利用して借金問題を解決していました。

自己破産

4つ目が自己破産です。自己破産をするときにも裁判所に申立をしますが、自己破産が認められたら、税金などの一部の支払いをのぞいて、ほとんどすべての債務の支払い義務がなくなります。

もちろんクレジットカードも対象です。キャッシング利用分もショッピング利用分も、まとめて破産で0にしてもらうことができます。

免責不許可事由があっても自己破産できる

ただ、クレジットカードの現金化を利用している場合、先にも説明した通り、自己破産の免責不許可事由に該当してしまうので、免責が受けられないのではないか?と心配になる人がいるかもしれません。
しかし、自己破産には「裁量免責」という制度があります。

裁量免責とは、免責不許可事由があっても、裁判官が裁量によって免責を認めてくれる制度です。実際には、免責不許可事由があっても、この裁量免責によって、免責が認められる事例が圧倒的に多数です。私が弁護士をしていたときにも、免責不許可事由のある人が自己破産をして裁量免責を受けた事案が非常にたくさんあります。

そこで、借金返済が苦しいなら、自己破産を躊躇する必要はありません。

債務整理をする方法

債務整理をしたいときには、弁護士か司法書士に相談に行きましょう。

今は、多くの事務所が無料相談を実施しているので、弁護士事務所のホームページを検索してみたら、無料相談ができる法律事務所がたくさん見つかります。着手金がかからず、持ち出しなくお願いできる事務所もたくさんあります。

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ともかく、現金を額面額以上で購入することなど、無益なことです。一時的にそのような形で現金を得ても、長い目で見たら不利益を受けるだけです。

メルカリで現金を購入しようと考えてしまったら、すぐにそんな考えは捨てて債務整理をすべきです。

そして、メルカリで現金出品を考えている人がいたら、絶対にそのような行為をしないように強くおすすめします。一時的にそのようなお金を得たとしても、先に待っているのは割に合わない大きな不利益だけです。

メルカリでこのような問題のある行為が横行しているのは嘆かわしいことですが、この記事を読んだ人は、自分はそのようなことに関わらないようにしましょう。

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債務整理の森編集部

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