車のローン滞納して踏み倒そうとするも裁判になったので弁護士に減額と離婚を相談してみた友人の債務整理体験談
好きなタイプを聞かれたときに、「イケメンで」とか「優しくて~」とか「一緒に居て楽しい人」なんて言ってる方を見かけますが、『借金・滞納癖が無い人』これに尽きると思います。
私の友人は、働いたお金を全て旦那の借金に当てる地獄の結婚生活を送るようになりました。
「いやいや、言うてもなんだかんだ幸せなんでしょ」と思うじゃないですか?
簡単に状況を説明するとこんな感じです↓
- 旦那の給料:月30万 嫁の給料:パートで月8万
- 保育園に通う子供が1人
- 家賃、光熱費など最低限の生活費は旦那の給料から(給料日に嫁が朝イチで銀行に並んで引き出さないと使われてしまう)
- 生活費を引いて残ったお金は全額旦那のお小遣い(10日以内にギャンブルで無くなる)
- いつの間にか旦那が闇金からお金を借りている(嫁と義母が肩代わりして返済してもまた借りてしまう)
- 消費者金融からの借金は無し(ブラックで借りられない)
- 旦那が年金生活になった親の老後貯金を食いつぶしたので援助は受けられない
なぜ離婚しないの?と毎回聞くんですが、旦那が離婚を認めてくれないこと、賃貸のあらゆるものの名義が嫁なので出ていけないこと、退去費用を払う余裕が無いことが原因で動けないんだそうです。
そして・・・ついに旦那が背負っていた時限爆弾が爆発する瞬間がやってきました。
それが、結婚前から滞納していた車のローンです。
私が友人から相談を受け弁護士事務所に付き添ってきたので、車のローンと夫婦の結末までの一部始終をお話したいと思います。
結婚後に発覚した車のローンの滞納
結婚前も、結婚後も知らされることが無かった車のローンの存在。
以前から「旦那の実家にボロボロの車があるな」くらいに思っていたのですが、それが全くお金が払われていないものだということを、1通の手紙で知ることになるのです。
車のローン会社から差し押さえ通知
夫婦で家を借りていたため、旦那宛の手紙は全て実家に届いていました。
必要な手紙は義母から毎回渡されていたのですが、結婚後初めて目にしたものがあったんです。
「前からずっと来てたんだけどねぇ…」
と義母に渡されたのは、赤色の封筒に『強制執行予告通知』の文字が書かれた手紙。
内容は、簡単にまとめると以下のようなものです↓
- 散々催促してるけど払ってくれないから法的手続きしたよ!悲しいなぁ
- だから差し押さえの準備してますよ
- でも自分から払ってくれれば一番良いから相談してね
車の元金:1,795,522円
利息:866,570円
合計:2,662,092円
利息86万!?!?
義母に聞いてみたところ、340万円する車の購入時に頭金100万を払って、あとはローンにしたので息子に任せていたが、一切支払いをしていなかったとのこと。(もちろん頭金は親の貯金からです)
義母が「払わないといけないんじゃないの?」と聞いても、
「ずっと払わないでおけば時効になるんだよ!」
と言われたので、どうなっても知らないよ!とほっといたんだそうです・・・。
車のローンの時効はほぼ不可能
確かに車のローンでも5年経てば時効になるケースがありますが、それは不可能に近いと言えます。
このケースの場合だと、平成18年8月に車をローンで購入していますが、時効の5年を迎える前の平成22年4月に他の債務請求会社に請求権が移っていました。
これを『代位弁済』と言い、時効までの期間がリセットされているんですよね。
まぁ、そりゃそんな簡単に時効にはさせないですよね…。
もし仮に時効期間を迎えられたとしても債務者側が特殊な手続きが必要ですし、時効前に裁判を起こされれば時効期間は振り出しに戻ったりなど、踏み倒すことは本当に難しいのです。
つまり、「何もせずただ払わなければ車のローンの返済義務が無くなる」というのは大きな間違い。
車のローン、ほっといて時効なんて無理です。
ただ・・・実はこの手紙が届いた時点で弁護士に相談すれば、まだ救済の可能性はあったのです。
裁判所から手紙が届く
ローン会社から強制執行予告通知が来たものの、あまりにも高額だったためどうすることもできなかった嫁と旦那の両親。
「もうどうなっても旦那の責任だから」と放置していました。
そして・・・ついに裁判所から『支払督促』が届いてしまいました。
「債務者が時効を迎える前に代弁返済して時効を無効化」
「さらに裁判を発動することで時効期間を再度ふり出しへ」
となるわけですね。
ちなみに、1度の給料差し押さえ上限額は1/4まで。
30万円のお給料の旦那は、7万5千円がローンを返済し終わるまで毎月勝手に引き落とされることになります。
しかも勤務先から債権者に差し押さえ分を支払うことになるので、職場にバレることは避けられません。
ここで友人が私に相談をしてきて、一度弁護士に相談することになったという流れです。
車のローン滞納を弁護士に相談してみた
今回は、成田駅から徒歩数分の場所にある『千葉成田法律事務所』に行ってきました。
弁護士に相談するとなるとお金が心配ですが、今は初回相談無料という場所が多いので有り難いです。
相談の流れ
まずは電話をし事務所に行く日時を決め、私も一緒に同行することを伝えてもらいました。
相談当日に事務所に到着したあと、仕切りのあるスペースに案内され、依頼カードに相談内容を記入。
その後、男女2人の弁護士が対応してくれました。
債権会社と裁判所から届いた手紙を見せたうえで、
- 旦那に他に借金は無いか
- 収入はいくらか
- 持ち家はあるか
などを聞かれました。
難しい用語はわかりやすいように言い換えてくれるから、知識皆無な私達でもスムーズに話ができます。(「額面」ってどういう意味?となった)
遅かった車のローン減額相談
さて、『弁護士に相談することで返済額を減らすことができるのか?』という結果ですが・・・
結果的に無理でした。
なぜかというと、裁判で返済する義務がある金額が確定してしまっていたからです。
裁判前に相談していれば、任意整理や個人再生の余地があったんですよね…。
(※一定の収入があるため自己破産は不可能だそうです)
金額が確定している以上は、債権者は一括請求と差し押さえの権利を得ている状態で、弁護士ができることは分割返済の交渉の介入くらい。
もう圧倒的不利な状態で無闇に「弁護士に相談しているんで!」と強気に出てしまうと、相手も弁護士を立てて法律通りに手続きを進めてしまうので、分割返済すら難しくなる恐れがあることも教えてもらいました。
ローンの滞納で心当たりがある方は、少しでも早く弁護士に相談したほうが絶対いいです。
車のローン滞納を理由に離婚はできる?
弁護士への相談で、延滞遅延金86万を含め返済しなければならないとわかった友人は、
「旦那が離婚を認めないのですが、車のローンの借金が理由で離婚はできますか?」
ということも聞いていました。
結論は、「法律で離婚が認められるのは難しい」だそうです…。
- 返済しきれない高額な借金ではない
- 生活費を受け取っている
- 浮気をしているわけでもない
などなど…裁判手続で離婚が認められる決定的なものが無いことが理由です。
どうしても離婚したい!というときは、離婚調停を申し立てる方法しかありませんでした。
滞納した車のローンのその後
法律上では減額が難しいので、差し押さえを避けるためには債権会社に支払いの意思があることを伝えなければなりません。
もちろん、今の状況では一括での返済は無理です。
そこで弁護士の方に、どのように交渉すればより自分に有利に返済していけるのかのアドバイスを貰って、事務所内で債権会社に電話することになりました。
ただ、嫁は債務者では無いので、いきなり交渉することはできません。
債務者である旦那に「交渉は全て嫁に一任します」と電話を入れて貰った上で、
- 月々3万円の分割で支払いたい
- 遅延損害金の見直しはできないか
と伝えました。
話し合いの最終着地点は、
「延滞遅延金を減らすことは不可能で、最初から月3万円では損害金の加算は止められない。
ただ、最初にまとまった金額を払って貰えれば損害金の発生をストップできる。」
というものでした。
その後、嫁と義母が借金をしながら2ヶ月間で10万円ずつローン返済の頭金を支払い、利息を止める契約書を書いて郵送しました。
今は毎月3万円を返済しているそうです。
完済まで単純計算しても約7年…。
友人は、もっと早く弁護士に相談していれば違った結果になったのに…と後悔している様子でした。
この記事のまとめと続報
車のローンの滞納・踏み倒しについて簡潔にまとめました。
- ローンの踏み倒し、時効は不可能
- 裁判になると一括請求、または差し押さえが認められる
- 裁判後の車のローンに関しては任意整理、個人再生が出来ない
- 車のローンの滞納は法律的な離婚理由にはならない
滞納恐ろしすぎる…。
滞納しちゃう人って、『あとでいいや精神』が強い人だと思うんです。
でも、この後回し後回しが自分の首をどんどん締めていくんですよね。
せめて後戻りできなくなる前に、一度弁護士に相談してください。
初回無料のところはたくさんありますよ!
【続報】
はじめは嫁である友人が給料日に3万円ずつ返済していたんですが、旦那が「自分で振り込むから」と言ったきり支払いをしていないことが発覚しました。
また滞納をしてしまうと、延滞遅延金ストップの契約が無効化されてしまいます。
嫁と義母の苦労が水の泡です。
完済が先か、離婚が先かを見守りたいと思います…。
支払いと結婚は計画的に。
踏み倒し計画についてはこちら↓の奨学金バージョンも合わせてお読みください。
債務整理の森編集部
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