特定調停はどこが管轄している裁判所へ行けばよいのか
特定調停は、どこの裁判所に申し立てをすれば良いの? 申立先は、債権者所在地の管轄となる裁判所で行う事になるよ。
多重債務である場合には、どうしたら良いのかな? よし!では早速、特定調停と管轄の裁判所について、詳しく見てみよう!
債務整理の種類の1つである特定調停は、個人事業者であっても、法人であっても、裁判所に申し立てをすれば良いということはわかりました。
しかし、全国に数多くある裁判所のうち、申し立て先はどこにすれば良いのでしょうか?
原則としては、債権者側(貸金業者)の本店住所地を管轄する簡易裁判所と定められています。新宿区の本社を持つ賃金業者であれば、東京簡易裁判所へ申立書と申立手数料を提出する事になります。
しかし、法律上は自宅を管轄する簡易裁判所でできることもあります。
詳しく解説していきましょう。
特定調停は債権者の営業所などの住所地を管轄する簡裁へ申し立てる
特定調停法では、「特定調停の申立ては、債権者の事務所や営業所などの住所地を管轄する簡易裁判所へ行うこと」とされています。
しかし、借金返済に困り、特定調停を申し立てる多くのケースでは、貸金業者が複数生じます。
借入をしている貸金業者各社の所在地が近所である場合は、管轄する簡易裁判所が同一かも知れません。
その場合は、当該簡易裁判所に申し立てれば一括して手続きができます。
しかし、各社債権者ごとの所在地がバラバラの場合はどうでしょうか?(通常バラバラでしょう)
あちこちの簡易裁判所をハシゴしなければならないのでは、債務者の立場では苦しすぎます。
この場合は、どこか一ヶ所にまとめて申し立てることです。
選択基準としては、残債務が最も多い業者の管轄が妥当です。
POINT:原則は債権者の住所地を管轄する簡易裁判所。
複数社の場合は残債務が大きい貸金業者を選択する。
債権者の住所地とその管轄簡易裁判所を調べる方法
債権者の所在地ってどうすればわかるの? 所在地は、明細や契約書に記載されているから、簡単に調べる事が可能だよ。
債権者の営業所などの住所地と、その住所地を管轄するのがどの簡易裁判所かわからない場合は、そこから調べないといけません。
この調査はそれほど難しい作業ではありません。
債権者の住所を調べる
まず、自分が借入をしている消費者金融やカードローン会社の住所は契約書や支払い履歴などの書類に記載があります。
書類が残っていない場合はホームページなどでも調べられます。
小さな貸金業者で情報が出てこない場合は直接電話で確認するか、法務局で登記情報を確認する、または金融庁への問い合わせでも可能です。
債権者の住所地を管轄する簡易裁判所の特定
あとは、業者の住所地を管轄する簡易裁判所の特定です。
こちらは、裁判所のホームページに全国各地の裁判所が掲載されていますので、住所を頼りにあたりを付けます。
そして、その裁判所に電話をして管轄を確認すればわかります。
もし、その裁判所ではなかったとしても、どこが管轄になるか教えてくれるでしょう。
法律上では債権者の住所地にかかわらず近所の簡裁への申立ても可能
裁判所は自宅近くを選ぶ事も可能なの? 裁判所が認めれば、どこの裁判所で申立てをする事も可能となるんだよ。 詳しく説明するね。
特定調停法では、基本となる土地管轄だけでなく、移送や自庁処理も定められています。
つまり、本来の管轄ではなかったとしても申立てを受けて手続きを行うことができるのです。
大阪の債権者であるからといって、大阪簡易裁判所で申し立てを行う必要はありませんから、埼玉簡易裁判所や、川崎簡易裁判所の管轄であっても、横浜簡易裁判所で申し立てが可能となるのです。
管轄が異なる複数債権者がある場合に、そのなかの一ヶ所へ申し立てることができるのは、この規定があるからです。
この規定をうまく生かせれば、複数の相手方債権者のなかで、申立人の自宅に一番近い債権者の住所地を管轄する簡裁で、特定調停を行うことも不可能ではないということになります。
もっといえば、相手方債権者の管轄ではない自宅の管轄簡裁で手続きができる可能性もあるのです。
仮に、裁判所側が認めなかった場合でも、管轄裁判所が違うというだけですから特定調停自体が不利になることはありません。
特定調停では、必ず本人が裁判所へ出向く必要があります。
そのため、少しでも出頭に便利なように考えるのは自然なことです。
また、特定調停においても債権者と合意することで、よその土地管轄の簡裁を管轄裁判所として定めることができます。
さらに、合意で地方裁判所を管轄とすることも可能です。
無意味な管轄の合意は時間と労力の無駄ですが、自分の利益になるのであれば、なんでもやってみる価値はあるでしょう。
実際に自分で特定調停をするのか?
司法書士や弁護士など法律事務所に依頼するのか?
で迷っている場合は、下記の記事も読んでみてください。
債務整理の森編集部
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