法テラスの評判を本音で検証!リスクを含めて利用はありかナシか!?
法テラスを利用して債務整理をしようと思うんだけれど、法テラスの評判は良くないって聞いたんだ。
法テラスって本当はどんな所なの?
法テラスはお金に困っている人を救済するための機関だから、怪しいところではないんだよ。
今回の記事では、なぜ法テラスの悪評がたってしまっているのか、法テラスに依頼するのは安全なのかどうかを、詳しく見ていこう。
- 法テラスの利用にリスクはないの?
- 法テラスの評判は?
- 法テラスで自己破産した場合、その後の弁護士費用の支払いは必要?
- 法テラスによる「取り立て」が闇金並、闇金以上と聞いたけれど本当か?
- 法テラスは本当に無料?弁護士の質が悪いのでは?
債務整理を行うとき「法テラス」は債務者の強い味方です。
法テラスを利用すれば、依頼者はお金がなくても弁護士事務所や司法書士に任意整理や自己破産などの債務整理手続きをしてもらえるからです。
しかし最近、法テラスの評判が悪化している現状があります。
今回は、法テラスの評判の「本当のところ」と法テラス利用のリスク、利用すべきかどうか、解説します。
法テラスの基本的な仕組み
引用:https://www.houterasu.or.jp/
借金で困り果てて「弁護士や司法書士に相談するお金もない」と言っていると「法テラス」を勧められるケースが多々あります。
法テラスとは、法務省が管轄する機関である「日本司法支援センター」のことです。
法テラスではお金のない人に向けて、債務や労働者問題、離婚、遺産相続相談など弁護士や司法書士による無料相談を実施しています。
また資力の少ない人に向けて「民事法律扶助」というサービスも行っています。
民事法律扶助を利用すると、法テラスから弁護士や司法書士に費用を一括払いしてもらい、自己破産や任意整理、個人再生などの債務整理を進め、解決してもらえます。
利用者は法テラスに対して月々5000円くらいずつ、分割で立替金を償還していけばよい、という仕組みです。
このように相談者が相談料がかからず、弁護士費用を一括払いする必要がなく、その後も月々少額の分割払いができるので、多くの人が法テラスを利用して債務整理を行っています。
法テラスの「取り立て」問題
法テラスの取り立ては闇金並って聞いたんだけれど本当?
そんなことはないよ。
通常の債権と同じように督促状が届いたり、無視し続けていると裁判になってしまうようなことはあるけれど、脅されるような事は一切ないんだよ。
上記のような法テラスの基本的な仕組みだけを見ると、法テラスは非常に有用なように思えます。
しかし最近、弁護士や利用者の間で法テラスの評判が悪化しており、中でも「取り立て」が大きな問題となっています。
法テラス利用後の立替金償還をしない人に対する債権回収方法が強硬すぎるというのです。
法テラスによる取り立ての内容
法テラスの立替金を滞納すると、以下のような流れで取り立てが行われます。
分割金の引き落としが滞ると、督促書が届く
法テラスへの立替金償還は、基本的に月1回、定められた期日に郵便局の口座引き落としで行われます。
引き落としが確認できないと、法テラスから督促状が届きます。
そこには「早めに入金するように」ということと、「生活状況が変わったのであれば連絡をするように」などと書いてあります。
債権回収会社に委託される
法テラスへの返済を滞納していると、立替金の回収を債権回収会社に委託される可能性があります。
その場合、債権回収会社から取り立ての連絡が来るようになります。
裁判されることもある
それでも支払いを滞納し続けて何の連絡も入れずにいると、法テラスから立替金取り立ての訴訟を起こされる可能性もあります。
法テラスの取り立ての問題点
普通の取り立てと何も変わらないのに、なぜ法テラスは評判が悪くなってしまっているの?
相談員が自己破産をした人にも取り立てをしたり、弁護士がいても弁護士を介さずに直接本人に連絡をしてくることがあるから、悪評が付いてしまっているんだ。
上記のように、法テラスの取り立て方法は「債務者が支払いをしないので、郵便や裁判などの方法で取り立てを行う」ものであり、一般のカードなどの借金と変わらないように思えます。
一体なぜ、評判悪化につながっているのでしょうか?
自己破産しても取り立てが行われる
1つ目の大きな問題は「自己破産免責を受けた破産者」に対しても取り立てを行う点です。
自己破産をすると、基本的にすべての負債が免除の対象になるので、法テラスの立替金も基本的に免除対象です。
法テラスの債権は税金や養育費などとは異なり、「非免責債権」にならないからです。
免責されたのであれば、債権者は破産者に対して負債の支払いを請求できないはずです。
現に、破産前に借入をしていたクレジットカードやキャッシングなどの債権者は、破産すると一切支払い督促をしてこなくなります。
ところが法テラスは、自己破産をした債務者に対しても、当然のように立替金の償還を督促します。
「破産後の債務者に督促するのは闇金のようでおかしいのではないか?」という疑問が評判悪化につながっています。
弁護士がついていても本人に直接督促される
次に、法テラスの評判低下につながっているのが「本人に対する直接請求」です。
日本には「貸金業法」という法律があり、カードやサラ金などの借金を滞納していても、弁護士や司法書士に依頼すると債権者は債務者に直接請求できなくなります。
このことは自己破産だけでなく債務整理全般に通じることで、任意整理や個人再生を依頼した場合であっても、弁護士などが債権者に「受任通知」を送ったらすぐに督促が来なくなります。
もし本人に直接取り立てを行ったら貸金業法違反ですので、業務停止などの行政処分や刑事罰を受ける可能性があります。
ところが法テラスの場合、担当弁護士が間に入って対応していても、かまわず本人に督促状などを送ってきます。
このようなことも、まるで闇金のようなので批判を呼んでいます。
以上のように、法テラスは
- 自己破産した人にも平気で取り立てを行う
- 弁護士が間に入っていても無視して本人に請求をする
という点が、一般の貸金業者でも行わないような強硬な取り立て方法なので、「まるで闇金」「闇金以上」と言われて評判が落ちているのです。
法テラスが問題視されていることから、法テラスとの契約をやめる弁護士も増えています。
法テラス側の事情について
悪評がついていても、なぜ法テラスは改善しないのかな?
法テラス側としては、お金を回収しなければ、他に困っている人を助けてあげることが出来ないから取り立てを行っているんだよ。
法テラスの利益をあげるための取り立てではないという事を理解しよう。
ただし法テラス側にも事情があります。
そもそも法テラスは、お金のない人のための弁護士費用等の援助機関であり、営利目的の組織ではありません。
民事法律扶助でも、立替金には一切利息や手数料がつきません。
つまり法テラスは立て替えによって何ら利益を得ていないということです。
ここは、高額な利息・手数料を取っている一般のカード会社やサラ金と大きく異なるところです。
法テラスが利用者に立替金の償還を求めるのは、財源を確保して次に法テラスを利用する人の援助を行うためです。
財源がなくなったら法テラスの制度も維持できなくなり、次に困っている人を助けられなくなってしまいます。
自己破産した人にも償還を求めるのも、基本的に同じ理由によります。
自己破産した人の場合には支払い「義務」がなくなるので、任意の支払いを求めるという体裁をとっています。
法テラスが「闇金並の取り立て」と聞くと「悪」「貧乏人を助けるなどと言って騙している」などと思ってしまうかもしれませんが、基本的に闇金と法テラスはまったく違います。
法テラスは「そもそも利益を得ていない」ので、闇金や貸金業者と同視すべきではありません。
さらに弁護士が法テラスを攻撃するのは、法テラスの弁護士報酬が安くてもうからないからという理由も大きいです。
後にも言いますが、もし法テラスの報酬が高かったら、取り立て方法に少々問題があっても悪い評判は立てないことでしょう。
法テラスで直接請求されたらどうすれば良いのか?
法テラスから請求が来たらどうすれば良いのかな?
返済できるのであれば、しっかりと返済しよう。
返済できない場合には、法テラスに理由を話して立替金償還の猶予を利用しよう。
法テラスを利用して債務整理した後に立替金を滞納すると、法テラスから取り立てが来てしまいます。
その場合、どう対応したら良いのかみてみましょう。
支払いをする
1つ目の対処は、請求通りに支払いをすることです。
法テラスの償還金は、月々5000円~10000円程度になっているはずです。
郵便局の口座にお金を入れ忘れていたなどの事情であれば、早めに入金をして引き落としてもらえば事なきを得ます。
依頼した弁護士に相談する
場合によっては手元にお金がなく、法テラスへの償還金の支払いができないケースもあるでしょう。
その場合、依頼した弁護士や司法書士に相談して弁護士回答を得るのも1つの方法です。
どのような対応をされるかは、その弁護士や司法書士によって変わります。
親身になって話を聞いてくれて代わりに法テラスに連絡を入れてくれる人もいるでしょうし「事件が終わったので基本的には関与できません」と断られる可能性もあります。
また対応方法を教えてくれても、「具体的には自分で法テラスと交渉してください」と言われるケースもあるでしょう。
法テラスに連絡を入れる
弁護士や司法書士に言っても状況が改善されない場合、自分で法テラスに連絡するしかありません。
法テラスで立替を受けたときと状況が変わって償還金の返還が困難になっていたら、法テラスに申請をして立替金の償還を猶予してもらうことも可能です。
ただしそのためには要件がありますし、書類の提出なども要求されます。
放っておくと裁判をされたり債権回収会社に再建譲渡されたりする可能性もあるので、なるべく早めに連絡をした方が良いでしょう。
法テラス利用後、支払いができない場合の対処方法
立替金償還の猶予って何?
返済ができなくなってしまった時に、その支払いを猶予できる制度があるんだよ。
その他にも生活保護を受けている場合にも、支払いの猶予が可能となるよ。
法テラスの民事法律扶助を利用して、償還金の返済ができなくなったら、以下のような対処が可能です。
償還金猶予の制度を利用する
1つ目は、償還金猶予の制度を利用する方法です。
法テラスでは、いったん民事法律扶助によって立て替えを実施してその後に償還が困難になった場合、返済猶予の制度が適用される可能性があります。
そのためには、実際に返済が困難になった事情を客観的に証明する必要があります。
たとえば離職や病気、怪我などで収入が減ったことなどです。
以前と生活状況が変わったなら、一度連絡を入れて相談してみましょう。
ただし猶予はあくまで猶予であって免除ではないので、そのうち返済ができるようになったら、償還を再開する必要があります。
また以前と変わらない収入があるのに「今月いろいろあってお金がないから返済できない」ということでは、猶予してもらえません。
生活保護を受給する場合
法テラスは、生活保護受給者に対してとてもやさしい仕組みになっています。
生活保護受給者であれば審査なしで立替を受けられますし、償還金を支払う必要はありません。
いったん民事法律扶助を利用して立替金償還の契約をしても、その後に生活保護を受給するようになったら立替金支払いを無期限で猶予してもらえます。
つまり生活保護を受給し続けている限り償還金を支払う必要はないし、法テラスからも取り立てが来ないということです。
そこで債務整理後に生活保護を受給するようになったら、法テラスに連絡を入れて、生活保護受給者となったことを伝えましょう。
すると、生活保護を受給している資料を提出するように言われるので、FAXなどで提出します。
これだけで月々の償還が不要になるので、是非とも手続きしてみてください。
法テラスの弁護士の質について
法テラスから紹介される弁護士の評判が悪いって聞いたんだけれど本当?
必ずしも評判が悪い弁護士にあたってしまうわけではないけれど、法テラスから紹介された弁護士の中には、あまり腕が良くない弁護士が紹介される事もあるね。
よく言われることですが、法テラスの弁護士の質は悪いのでしょうか?
確かに法テラスには弁護士会には所属しているものの、代表弁護士などのベテランではなく、若手の弁護士が多く登録しており、経験が不足しているケースもあります。
しかし法テラスとの契約を辞めている弁護士の多くは「報酬が安い」ことを不満に感じている弁護士です。
ということは、法テラスとの契約を続けている弁護士は「多少報酬が安くても困っている人を助けよう」と考えている可能性があります。
そう考えると、法テラスの弁護士がそう悪いとは言えません。
実際に親身になってくれる弁護士もたくさんいます。
ただし適当で質の悪い弁護士がいるのも現実です。
結局、法テラスの弁護士の質が悪いというよりも、弁護士を選べないことに問題があるのでしょう。
法テラスの評判を踏まえて利用はありかなしか?
法テラスの利用はお勧めできるのかな?
お金に困っている人にとっては、法テラスは非常にありがたい機関だよ。
弁護士費用などが支払えない事で、債務整理を行うことが出来ない場合には、是非相談してみよう。
弁護士間で法テラスの評判が悪いのは、「法テラスの報酬が安い」ことが根本にあります。
もしも法テラスの報酬が弁護士の通常報酬設定よりも高額であれば、たとえ法テラスが闇金並の取り立てをしていても、法テラスに文句を言わない弁護士が増えるでしょう。
利用者目線で考えると、やはり低額な価格で少額の分割払いで債務整理の道を開いている法テラスには存在意義があると言えます。
法テラスを利用しても利息や手数料はかからないので、利用者にとって基本的に不利益はありません。
まとめ
法テラスは実際には、安心して利用できる機関なんだね。
悪評がたってしまっている理由がわかって良かったよ。
法テラスから弁護士を紹介してもらうのが不安な場合には、自分で法テラスが利用できる弁護士を探してみるのもお勧めだよ。
過払い金請求の場合には、法テラスを利用するよりも、弁護士事務所に直接頼んだ方が着手金や成功報酬金などを含めた支払額が少なくなることもあるから、事前に弁護士選びを行い、電話相談しておこう。
最近では法テラスと契約をしている弁護士が減ってきているのは事実です。
ただしこれは弁護士に限ったことであり、司法書士については問題になっていないように見えます。
法テラスを利用したいときには、法テラスの事務所に相談に行くか、法テラスと契約している弁護士・司法書士を探して相談してみましょう。
福谷陽子
元弁護士・ライター。
弁護士としての活動した約10年間のうち、7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては債務整理案件を多数担当し、任意整理・個人再生・自己破産のみならず、過払金請求も手がける。
その経験をもとに、現在はライターとして法律関係の記事を執筆している。
■略歴
・京都大学法学部在学中、司法試験合格
・京都大学法学部卒業後、司法研修所入所
・弁護士登録・某法律事務所にて勤務
・独立し、陽花法律事務所を設立
・弁護士活動を停止し、ライターに転身
■ご覧のみなさまへのメッセージ
借金問題を抱えていると、追い詰められた気持ちになるものです。
「どうしようもない」「借りた自分が悪い」「借りたからには返さなければ」と律儀な思いを持ち、必死で返済を続けている方もおられるでしょう。
しかしどんなに頑張っても返済できない借金があるものです。
法律は借金返済できない方や苦しくなった方に救済手段をもうけています。
債務整理をすると嘘のように借金問題を簡単に解決できるケースが本当に多いです。
借金問題に悩んでいる時間はもったいないです。
債務整理は恥ずかしいことではないので、勇気を出して専門家へ相談していただきたいと思います。
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