弁護士の着手金の相場は?払えない場合はどうしたらいいの?着手金無料の弁護士事務所も紹介
弁護士費用ってどのくらい必要になるの?
今回の記事では、債務整理にかかる費用や、弁護士費用を支払えない時の対策、おすすめの弁護士事務所について、詳しく見ていこう。
- 弁護士に債務整理を依頼したいけれど、費用が心配
- 債務整理にかかる着手金を用意できない
- 弁護士費用はどのくらいかかるのか?
借金トラブルを抱えていても、高額な費用を払えないために弁護士に債務整理を依頼できない方が少なくありません。
今回は弁護士の着手金の相場や払えないときの対処方法を解説します。
着手金や相談料が「無料」の弁護士事務所もご紹介しますので、借金トラブルにお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
弁護士費用の1種「着手金」とは
債務整理を弁護士に依頼すると、多くのケースで「着手金」がかかります。
まずは着手金がどのくらい必要になるのか、みてみましょう。
着手金とは
着手金とは弁護士に何らかの手続きを依頼したときに発生する費用です。
たとえば示談交渉や訴訟、破産などを依頼すると着手金を払わねばなりません。
基本的には依頼した時点で一括払いします。
ただ事務所によっては分割払いに応じてくれるところもあります。
また途中で解任したり訴えを途中で取り下げたりしても、着手金は戻ってこないのが原則です。
依頼内容や事務所によって着手金が異なる
着手金の金額は、弁護士に依頼する手続きの内容や法律事務所によって異なります。
弁護士に依頼できる事項は、刑事事件や民事事件、家事事件などさまざま。
弁護士にかかる手間や期間も大きく異なるので、事件内容によって着手金額が変わります。
【参考】
- 刑事事件の着手金の相場…30万円程度
- 民事事件の着手金の相場…依頼する事件の経済的利益の5~8%程度。10万円程度になるケースも多い
債務整理の着手金
債務整理にかかる着手金の金額は、利用する債務整理の方法によって異なります。
- 任意整理…1社について2~4万円程度
債権者1社について2~4万円程度です。
債権者が増えれば増えるほど着手金が高額になる傾向があります。 - 個人再生…30~50万円程度
小規模個人再生で住宅ローン特則の利用がなければ安くなる傾向があります。
給与所得者等再生の場合や住宅ローン特則を利用する場合など複雑なケースでは高額化します。 - 自己破産…20~50万円程度
同時廃止の場合には20~30万円程度となるでしょう。
管財事件になると50万円程度に上がる可能性があります。
着手金以外にかかる弁護士費用
- 相談料金
当初に弁護士に相談したときに発生する費用です。
相場としては30分5,000円程度。
ただし最近では無料相談に対応してくれる事務所が増えています。 - 成功報酬
事件が解決されたときに発生する費用です。
任意整理の場合、1社について2万円程度の基本報酬金が設定されている事務所が多いでしょう。
それ以外に、借金を減額できたときの減額報酬が設定されている事務所もあります。
個人再生や自己破産の場合には、報酬金は基本的に発生しません。
個人再生や自己破産で着手金とは別途報酬金を請求する事務所には依頼しない方が良いでしょう。 - 実費
実費は郵便切手や印紙代などの「実際にかかる費用」です。
弁護士に依頼しなくても負担しなければなりません。
任意整理の場合、ほとんど実費はかからないのが通常です。
数千円程度もあれば足りるでしょう。
自己破産や個人再生の場合、印紙代や郵便切手などで2~3万円程度はかかると考えましょう。
また「予納金」として15万円や20万円以上のお金を払わねばならないケースもあります。
予納金は、裁判所に納める費用です。
自己破産なら「管財事件」となったとき、個人再生なら「個人再生委員」がついたときに発生します。
自己破産や個人再生をするときには、弁護士費用だけではなく予納金が高額になるケースも少なくありません。
事前に弁護士に確認しておきましょう。
弁護士費用を払えない場合の対処方法
その他にも、分割払いや後払いOKの弁護士事務所を探すことで、手持ちのお金がなくても債務整理をする事が可能だね。
弁護士に債務整理を依頼したら、着手金だけでも10万円以上のお金がかかるケースが多数です。
用意できない場合、以下のように対処してみてください。
法テラスを利用する
法テラスとは、経済的に豊かでない人へ向けてリーガルサービスを利用するための費用を支援する機関です。
正式名称は「日本司法支援センター」であり、国が運営しています。
法テラスの「民事法律扶助制度」を利用すると、着手金の支援を受けられます。
民事法律扶助制度とは
民事法律扶助制度とは、法テラスが弁護士や司法書士にかかる報酬を立て替え払いをしてくれる制度です。
任意整理や自己破産などの債務整理をするとき、着手金は法テラスが立て替えてくれるので、依頼者は弁護士に直接費用を払う必要がありません。
立て替えてもらったお金は、後日法テラスへ毎月償還していきます。
償還額は原則1万円ずつですが、最低5,000円ずつにまで落としてもらえるケースもあります。
また民事法律扶助を利用すると、一般的な弁護士事務所の相場よりも着手金や報酬金が随分低くなります。
たとえば任意整理の場合、報酬金は発生しません。
一般的な事務所の場合、基本報酬や減額報酬が発生するケースが多いので、それと比べると大幅に低額になるでしょう。
自己破産の場合、実費、税込み155,000円程度で依頼できます(一般的な相場の場合には実費別税別で20万円~となります)。
管財事件と同時廃止の区別はありません。
個人再生も、実費、税込み20万円程度で依頼できます(一般的な相場では実費別税別で30万円~)。
小規模個人再生と給与所得者等再生の区別、住宅ローン特則を利用するかどうかの区別などもありません。
このように、法テラスを利用すると大きく債務整理にかかる費用を節約できます。
法テラスを利用できる弁護士事務所を探す方法
法テラスの民事法律扶助を利用するには、法テラスを適用してくれる弁護士事務所を探さねばなりません。
法テラスと契約している弁護士であれば、民事法律扶助を適用してもらえます。
法テラスと契約しているかどうかについては、HPなどに掲載されているケースと掲載されていないケースがあります。
ただ何も書かれていなくても、個別に問い合わせると適用してもらえる事務所が少なくありません。
債務整理を専門的に取り扱っている事務所に電話やメールで連絡し、法テラスを使えるかどうか確認してみてください。
法テラスの法律相談はお勧めできない
地方ごとの法テラスの事務所で法律相談を受けると、担当してくれた弁護士に債務整理を依頼できます。
ただこの方法では、依頼する弁護士を選べません。
債務整理に詳しい弁護士が担当してくれるとは限らないので、注意が必要です。
できれば自分で債務整理に積極的に取り組んでいる弁護士を探し、民事法律扶助を適用してもらって依頼するのが良いでしょう。
分割払いできる弁護士事務所を選ぶ
当初に弁護士へ支払う着手金を用意できない場合「分割払い」や「後払い」ができる事務所を探してみてください。
弁護士に債務整理を依頼すると、貸金業者などの債権者への支払がストップします。
これまで借金返済に充てていたお金が浮いてくるので、それを弁護士費用に充てることができるのです。
たとえばこれまで借金を毎月5万円払っていた方であれば、その5万円はしばらく払わなくて良くなります。
そこで浮いた5万円を毎月着手金の分割払いに充てていけば、無理なく弁護士費用を支払えます。
また事件が終了したときに着手金をまとめ払いすれば良いという「後払い」も利用できるケースがあります。
この方法であれば、当初にお金を用意できなくても依頼しやすいでしょう。
分割払い、後払いについては対応している事務所としていない事務所があります。
まずは分割払いしたいと申し出て、可能であれば毎月の分割額を定め、支払方法を設定してもらいましょう。
弁護士費用を安くする方法
少しでも弁護士費用を節約したいんだけれど、何か良い方法はないかな?
弁護士事務所によって、かかる弁護士費用が変わってくるから、ホームページをチェックしたり、弁護士事務所へ問い合わせたりしながら、少しでも安く債務整理ができる弁護士事務所を探してみよう。
債務整理にかかる弁護士費用を安くしたいなら、以下のような工夫をしてみてください。
相談無料の弁護士事務所を選ぶ
債務整理をするときには、弁護士に相談をしなければなりません。
当初の相談時には「1時間1万円程度(30分5,000円程度)」の法律相談料がかかるのが原則です。
ただ今の時代、多くの事務所が無料相談に対応しています。
特に債務整理に力を入れている事務所では債務整理の相談料を無料にしている傾向があります。
当初の相談料5,000円、1万円は債務者にとって大きな負担となるでしょう。
なるべく安く抑えるには、無料相談を上手に活用することが必須といえます。
なお弁護士の無料相談を利用するとき、事務所によって「無料となる範囲」が異なるので注意してください。
- 初回30分無料
- 初回相談無料
- 初回1時間無料
- 債務整理の相談なら何度でも無料
このように、事務所によってさまざまな設定がなされています。
初回30分無料の事務所の場合、30分を超過すると費用が発生します。
相談を受ける前に、「どこまでが無料となるのか」確認してから申込みをしてください。
弁護士事務所を比較する
債務整理にかかる費用を少しでも低く抑えるには、弁護士事務所の比較が必須といえます。
任意整理、自己破産、個人再生、どの手続きも事務所によって費用体系が異なるからです。
任意整理は安くても自己破産は高い事務所もありますし、その逆もあります。
どの事務所が一番安くなるかはケースによって異なるので、できれば複数の事務所で相談を受けてみましょう。
中でも最も安い事務所を選べば、費用を抑えて債務整理を進められます。
着手金無料の弁護士事務所を選ぶ
債務整理の費用を抑えたいなら「着手金無料」の事務所を利用しましょう。
着手金の金額は、比較的費用の安い任意整理でも10万円程度はかかり、高額だからです。
相談料の相場は1時間1万円程度ですが、着手金の相場はそれより大きな数字になります。
無料にしてもらえたら、より大きく費用を減額できるでしょう。
着手金が無料かどうかはHPに掲載されているケースが多いので、まずは自分で法律事務所のサイトを確認してみてください。
また相談料と着手金の両方が無料の事務所も増えています。
どちらも無料の弁護士事務所を利用すると、当初にまったく費用を払わなくても債務整理を進めてもらえます。
弁護士が債務整理に着手すると、債権者からの電話や郵便による督促がぴたっと止まるので、平穏な生活を取り戻せるでしょう。
お金を払わなくても平和な生活を取り戻せるのは大きなメリットとなります。
相談料・着手金無料の弁護士であれば、手元にお金がなくても安心して相談・依頼できるので、ぜひ利用してみてください。
着手金無料のおすすめ弁護士、司法書士一覧
着手金無料の弁護士や司法書士を自分で探すのが大変なら、以下の一覧をご参照ください。
こちらに無料相談や着手金無料に対応してくれて債務整理に力を入れている弁護士事務所、司法書士事務所を集めました。
気に入った法律事務所、法務事務所を探して問合せをしましょう。
まとめ
債務整理をするとき、依頼する専門家選びは非常に重要です。
専門家選びに失敗すると、「債務整理の失敗リスクが高まる」といっても過言ではありません。
もちろん着手金などの「費用」が安いことも大切ですが、債務整理を得意としていて親身になって対応してくれるなどの「姿勢」にも着目しましょう。
無料相談、着手金無料に対応している事務所の中から、債務整理に詳しい弁護士を選んで依頼してみてください。
福谷陽子
元弁護士・ライター。
弁護士としての活動した約10年間のうち、7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては債務整理案件を多数担当し、任意整理・個人再生・自己破産のみならず、過払金請求も手がける。
その経験をもとに、現在はライターとして法律関係の記事を執筆している。
■略歴
・京都大学法学部在学中、司法試験合格
・京都大学法学部卒業後、司法研修所入所
・弁護士登録・某法律事務所にて勤務
・独立し、陽花法律事務所を設立
・弁護士活動を停止し、ライターに転身
■ご覧のみなさまへのメッセージ
借金問題を抱えていると、追い詰められた気持ちになるものです。
「どうしようもない」「借りた自分が悪い」「借りたからには返さなければ」と律儀な思いを持ち、必死で返済を続けている方もおられるでしょう。
しかしどんなに頑張っても返済できない借金があるものです。
法律は借金返済できない方や苦しくなった方に救済手段をもうけています。
債務整理をすると嘘のように借金問題を簡単に解決できるケースが本当に多いです。
借金問題に悩んでいる時間はもったいないです。
債務整理は恥ずかしいことではないので、勇気を出して専門家へ相談していただきたいと思います。
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