はたの法務事務所(荻窪)に行って司法書士の先生に話を聞いてきました
今回は、「はたの法務事務所」さんに、実際にお伺いして債務整理に関する疑問を聞いてきました。色々と具体的なお話しが聞けましたので、債務整理をするかどうか、事務所選びなどの参考にしてみてください。実際に私自身が相談者になったつもりで色々と質問をしています。
お話しを聞かせてもらった様子
債務整理にまつわる疑問を聞いてみた
まずは、債務整理に関して私自身が気になった点をいくつか聞いてみました。
Q1.どんな相談が多いか?
借金問題の相談で、一番多いのはどんな内容ですか? 相談として多いのは、「借金が返せません、どうしたら良いでしょうか?破産するしかありませんか?」という様な内容ですね。 実際には、みんながみんな自己破産しなければいけない状況ではなく、70%くらいは任意整理を勧めることが多いですね。
そうなんですね、債務整理と言うと自己破産のイメージが強いので、意外です。具体的にどんな方が多いですか? ほとんどは普通の方ですよ。多重債務と言えばギャンブル依存症や買い物依存症のイメージがあるかもしれませんが、実際に相談に来られる方は生活費が足りないというケースが多いです。 はじめは少しだけ生活費を補填するつもりでカードローンなどに手を出しますが、気が付いた時には100万200万と借り入れているパターンですね。しかも、旦那さんや奥さんに内緒で借りているケースがほとんどです。
私の印象では、「ギャンブルを繰り返して」とか、「買い物がやめられなくて」という散財のケースが多いのかと思っていましたが、相談者の多くは普通の方が多いそうです。特に、地方の方は給料内では生活費が賄えないのだとか。
しかし、これらの方の多くは利息カットができて、返済スケジュールを長期に見直してもらうことができれば自己破産までする必要はないはずです。借金がどんどん増えて、再生や破産に追い込まれてしまう前に相談をする事が大切です。では、次の質問に進みます。
Q2.内緒で相談はできるのか
なるほど、という事は家族に内緒で債務整理してしまおうということですよね? そうですね、内緒のまま手続きを進めたがる方も多いです。実際に家族に秘密のまま任意整理や自己破産を終えることは可能なんですが、任意整理の場合は利息カットしたあとにも返済が続きます。 なので、その返済のためにアルバイトを始める方やどこかからお金を調達される方がいて、その時にバレてしまうことが多いみたいです。
つまり、内緒で債務整理をするのに、司法書士や弁護士が協力することはできるけれど、自分自身でバレてしまうことが多いということですね。また、家族のためにはきちんと借金のことを相談する方が良いとも言ってました。さて、では実際に依頼した時の流れはどうなるのでしょうか?任意整理の場合で聞いてみました。
Q3.具体的な任意整理手続きの流れ
具体的に、任意整理を依頼した場合はどうなるのでしょう?お金を支払うタイミングとか まずは、借金状況と、相談者様の意向を聞きます。その上で、どの方法が一番良いかを相談し、受任頂けるのであればすぐに債権者からの取り立てをストップします。 それからは、毎月支払っていた返済はストップしますが、事務所に任意整理の報酬をお支払いして頂きます。だいたい各社の和解が成立するまでに3か月くらいはかかってしまいますが、和解後の返済と、任意整理の報酬支払が被らないように調整させて頂きます。 和解後の返済と当事務所へのお支払いが二重になってしまっては余計に苦しいですからね。相談者さんの都合などを最大限に考慮して支払える範囲で、ですね
なるほど、たしかにそうですね。その後は債権者に支払いを続け、完済で終わりですか? そうですね、万が一支払いができなくなってしまうと今度は自己破産になってしまうかもしれませんので、その点だけ注意が必要です
この辺りは、相談者にとって非常に重要な部分かと感じます。お金がないから相談に来ているのであって、支払いが二重になってしまったり、余計な負担になってしまうのであれば意味がありません。次は、司法書士が処理できる範囲について聞いてみました。
Q4.司法書士に自己破産などをお願いできるか
司法書士では個人再生や自己破産、140万円以上の債務に対する手続きはできないと聞いたのですが、どうなんでしょうか? そうですね、司法書士の場合には訴訟人や公証人となる権利はありません。ただしくは、代理人として行うことになるのですが、やはり本人への負担が少し大きくなってしまいます。 具体的には裁判所にいってもらったり、ですね。ですので、途中に140万円以上の債務とわかった場合や、自己破産のケースでは弁護士にバトンタッチすることもあります。もちろん報酬は二重にならないように。
ただ、実際には逆の流れが多いんです。特に地方の方からは、「地元の弁護士では自己破産できないと言われたけど」と相談を受けて、実際には自己破産する必要もなく任意整理になったりします。
まだまだ地方の弁護士さんだと自己破産以外の債務整理方法を知らなかったり、経験が少ないので断っている先生もいらっしゃるみたいです。
なるほど、司法書士では自己破産や個人再生は一切できないのかと思ってましたが、そんなことはないんですね。しかし、家の近くの弁護士に相談にいって適当なことを言われても困りますね。無駄な労力はどのように回避できるのか聞いてみました。
Q5.相談先はどのように選べばよいか
え、それは怖いですね。任意整理できるのに自己破産を勧められるのも怖いですし、自己破産しようにも断られるというのも・・・・。そういったことにならないためにはどうしたら良いのでしょう? まず、費用の記載がないところは弁護士・司法書士ともに避けたほうが良いかもしれません。「相手を見て費用を決める」というところも噂で聞きますが、とんでもないです。 また、「債務整理」を専門的に扱っているところが良いですね。任意整理一つとっても、例えばモビットさんはこう、アイフルさんはこう、というノウハウがありますし、裁判所とのやり取りも変わってきますから。ホームページを見れば力を入れている業務が書かれていたりしますので、必ずいくつか目をとしいて見ると良いと思います。
なるほど、当サイトでも何度も書いていますが、やはり債務整理は専門としている事務所に相談した方が良いですね。さて、ここからは取材協力して頂いたはたの法務事務所さんのことについて伺ってみました。
はたの法務事務所ってどんな事務所?
ここからは、取材協力を快く受け入れてくださったはたの事務所さんのことを聞いていきます。
毎月の相談件数は?
毎月の相談件数はどれくらいですか? 相談件数は正確にはわかりませんが、だいたい1000件以上は来ていると思います。それを全15名(うち、先生4名)のスタッフで対応しているので、なかなか大変です
1,000件は驚きました。しかし、この人数ですべてきちんと対応できるのでしょうか?話を聞いてみると、その部分がはたの法務事務所の一番の特徴のようです。
他社と違うポイントは?
そうなんですね、その人数で月間1,000件もの相談を対応していてきちんと回るんですか?やはりコールセンターなど使っているのでしょうか? コールセンターは使っていません。これは当事務所の一番のアピールポイントですが、「電話を受け取るだけの担当を設けて折り返し電話をする」という対応はしていません。 ホームページに記載されている朝7時~夜24時まででしたら、必ず債務整理の相談ができる相談員、あるいは私など司法書士の人間が直接電話対応をしています。 相談員の中には、私用で買い物をしている間や電車に乗っている間に電話を取る者もいますが、必ずそのように対応できるよう心がけています。大きな事務所さんだと、コールセンターの女性がアポイントだけを取って折り返しというところもあるみたいですが、それではすぐに解決したい相談者さんの要望には応えられないと思いますので
実際に、取材させて頂いた隣の部屋でも電話が鳴り続けていましたが、1件1件借金の詳細などを聞きながら対応をされていました。この人数でその件数を捌けるのはスゴイと感心しました。
「全国対応」とあるけど
全国対応ということですが、実際に遠方の方から相談があった場合は会いに行くんですか? 当然会いに行きます。札幌も沖縄も行きます。ただし、どうしても急ぎであることが多いのではじめのやり取りなどには書類をお送りすることが多いですね。
こちらも驚いた部分です。債務整理と言えば書類のみのやり取りで終わらせるのかと思っていましたが、実際に受任する場合はすべて会いに行っているとのことです。
はたの事務所のデメリット
ここまで、良い部分ばかり伺ってきましたが、逆にデメリットはありますか? 先ほどもお伝えしたと思いますが、「司法書士であること」ですね。やはり取り扱える業務は弁護士より制限されています。その分費用が安くなっていますので、ご納得頂いて自己破産などを取り扱うことも多いですが、相談者様にとっては少し手間をかけてしまいます。
しかし、借金問題に悩んでいる方にとって、報酬が安いことは大きなメリットとなります。業務範囲が狭く相談者自身の手間がかかってしまうというデメリットを許容できるかどうかは相談者さん自身で判断頂くとのことでした。
借金問題に悩んでいる方へ向けて
最後になりますが、多重債務で困っている方に向けて何かお願いなどありますか? そうですね、解決できない借金はないので、是非うまく法律を利用して借金問題を解決してほしいです。そのために、ご協力できることがあれば私達が力になります。 最後ですが、一番注意してもらいたいのは任意整理後の生活です。たまに、任意整理後でもどこからか借り入れをしてしまう方がいますが、そんな方に限ってこちらへのお支払いもストップしています。 そうなってしまうと、力になりたくてもなれません・・・。任意整理後に貸してくれるところは危険なところばかりですので、その点だけはご自身にて注意して頂くしかありません。
実際にそうなってしまう方も多く、その場合は債権回収会社からの取り立てに追われる生活となってしまうそうです。お気をつけて。。。
全体的な感想
今回、訪問させてもらって感じたことは、印象の違いでした。弁護士や司法書士事務所と聞くと、どうしても堅苦しいイメージがあり、頑固な先生が上から話してくると思っていました。しかし、はたの法務事務所さんはまったくそんなこともなく、「とても親切に対応してくれる相談所」の様な雰囲気です。
特に、先生の方が自ら電話をとり、直接地方にも面談にいくというのは驚きました。結局、件数の多い事務所は「書類だけのやり取り」だと思っていましたが、きちんと対面で説明してくれるのは安心です。「司法書士であること」を許容できるのであれば、はたの法務事務所に相談してみても良いかもしれません。
今回取材協力して頂いたはたの事務所
- 住所:〒167-0051 東京都杉並区荻窪5−16−12 荻窪NKビル5階
JR、東京メトロの荻窪駅南口を出て、右手に線路沿いを歩き3分くらいのところです。
司法書士会より、実績が表彰された時の賞状
オフィスの正面入り口
相談ルームは各部屋間仕切りで仕切られていました
実際に相談に使われる部屋で取材させて頂きました
坂本一夫
大手証券会社⇒大手出版社勤務、その後独立し10年ほど会社経営。その後、フリーライターとなる。
自身も自己破産の経験があり、債務整理の森においては主に法律事務所の記事を担当。
現在は韓国釜山と福岡に居を構え、それぞれを行ったり来たりしながら、専業ライターとして活動中。
■略歴
1994年 都内某有名私立大学法学部卒業
同年 日経BPマーケティング社に就職
法人営業部営業マンとして日経BP社年間購読雑誌の法人販売を担当
2010年 任意整理手続するも失敗
2014年 自己破産手続
2015年 同社退職
同年 フリーランスのライターとなる
■得意分野
債務整理・金融・株式投資・不動産投資
■ご覧のみなさまへのメッセージ
債務整理の森のライターとしての目線で常に意識しているのは、債務整理を行なう人の目線です。
略歴にもありますが、私は過去に任意整理手続と自己破産手続を経験しています。
しかもそれは、任意整理手続に失敗した上で自己破産手続するという、珍しいケースです。
ですので、「あの時こうしておけば良かった」とか「ああするべきではなかった」など後悔は尽きませんが、今となっては少しでも同じような境遇の人の参考になればという思いで書いています。
特に債務整理を手掛ける弁護士や司法書士は、債務整理をビジネスにしている訳ですから、ある意味では債務整理者と利益が相反する場合もあり得ます。
そういったことも踏まえ、忖度することなく記事としてありのままに書き上げることは、私にしかできない仕事と自負しております。
私の記事が、借金問題でお悩みの方のお役に立てば幸いです。
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