ローンを組めないのはなぜ?理由と対処方法を解説!
ローンの申し込みをしたんだけれど、どこに申し込んでも断られてしまうんだ。
何でローンの契約ができないの?
ローンの契約を進めるには、審査に通る必要があるんだ。
審査が通らない理由には様々な物があるんだけれど、基本となるのは、個人信用情報の記載だね。
今回の記事では、ローンが組めない理由と、その対策について詳しく見ていこう!
人生において、ローンを利用したい機会はたくさんあるものです。
たとえば家を購入するときには住宅ローンを利用しますし、車のローンや教育ローン、携帯の分割審査などを利用する機会もあるでしょう。
ときには生活費や遊興費などのためにクレジットカードでキャッシングするかもしれません。
しかし、ローンを利用するには「審査」があり、通らないと借入ができません。
ローン審査に通らない原因としてはどのようなことが考えられるのでしょうか?
今回は、ローンを組めない理由やパターン、利用するための対処方法をご紹介します。
ローンを利用するには「審査」に通る必要がある
住宅ローンや車のローン、不動産担保ローンやおまとめローンなど、いろいろなローンがありますが、これらのローンをことごとく組めない人が存在します。
ローンを組めないのは、審査に落ちてしまうからです。
住宅ローンも車のローンも教育ローンも公庫のローンでも、借入の申込みをすると「審査」が行われ、その審査落ちすると貸付をしてくれません。
審査によって判断されるのは、申込人の支払い能力です。
支払い能力が低い人に貸付をすると、貸倒れのリスクが高くなってしまうので、金融機関や貸金業者は、審査でふるいにかけることによってリスク管理しています。
つまり、ローンを組めないということは、審査に落ちることを意味します。
そして、ローン審査に落ちる人というのはパターンが決まっており、通る人はどこで審査を受けてもだいたい通ることができますが、落ちる人はどこに申し込んでもたいてい落ちてしまいます。
ローンが組めない理由とは
審査が通らないって事は、他の金融業者から借り入れをしているって事?
他社からの借入だけが審査に通らない理由ではないんだ。
一度に何社もローンの申し込みをすると、申込情報も信用情報に記載され、審査ブラックとなってしまう事もあるし、債務整理を行ったことがある場合や、年収が低い場合などが理由となることもあるんだよ。
いったいどうしてローン審査に落ちてしまうのでしょうか?
ローンを組めない理由にはいくつかありますが、代表的なものは以下の通りです。
- 長期延滞している
- 過去に債務整理をしている
- 借入額が大きすぎる
- スーパーホワイトが原因
- 社内ブラックが原因
- 融資基準を満たしていない
順番に説明します。
長期延滞している
1つは既に他のローンを組んでおり、支払いを延滞しているパターンです。
個人の借金返済状況は、信用情報機関が管理している「個人信用情報」に登録されています。
個人信用情報とは、日本の国民1人1人のローンやクレジットの利用状況に関する情報で、政府が指定する3つの「信用情報期間」で管理されています。
サラ金やクレジットカード会社などの貸金業者や銀行は、それぞれどこかの信用情報機関に加盟しており、ローンクレジットの申込みを受けると、信用情報機関が管理している指定信用情報機関を参照して、問題がないかどうかを調べます。
そこで支払い能力に不審があることが判明すると、審査に落とします。
貸金業者や銀行で借金(キャッシングやローンなど)をして、返済をしないまま2か月程度放置すると、個人信用情報に「延滞情報」が登録されます。
延滞情報があると、長期にわたって借金を支払っていない悪質な債務者ということですから、どこの銀行でも貸金業者でも審査に落とされるようになり、借金ができなくなります。
個人信用情報に記載されている内容は、それぞれの個人信用情報機関に申し込めば、申込者が本人であれば、個人情報開示を求める事ができます。
過去に債務整理をしている
過去に「任意整理」や「個人再生」「自己破産」などの債務整理をした場合にも、個人信用情報によってローンを利用できなくなります。
債務整理をすると、「事故情報」「異動情報」「官報公告情報」と呼ばれるネガティブな金融事故情報が登録されるからです。
貸金業者や銀行が、ローン申込みがあったときに個人信用情報を参照して、これらの情報を見つけると「過去に債務整理をして、貸倒損失を発生させた人」であることが明らかになるので、審査に落とします。
このように、個人信用情報に延滞情報や債務整理情報が登録されて、借金できなくなった状態のことを「金融ブラック」や「ブラックリスト(状態)」と表現することもよくあります。
借り入れ額が大きすぎる
すでに多額の借金をしている場合にも、ローン審査に落とされてしまう可能性が高いです。
今は「借金の総量規制」が導入されているからです。
借金の総量規制とは、過去にサラ金やクレジットカードなどを利用しすぎて多数の多重債務者が発生したことを反省し、個人が利用できる借金額に利用限度額を課したものです。
具体的には、借入件数全ての金額をトータルして、年収の3分の1までしか借入ができなくなっています。
個人の借入情報は個人信用情報で管理されているので、借入額が既に3分の1やそれ以上になっている場合や、借入希望額が年収3分の1を超える場合には、ローン審査に申し込んでも落とされてしまいます。
スーパーホワイトが原因
借金を全くしていない人でも、審査に落とされてしまうことがあります。
「スーパーホワイト」と呼ばれる状態の人です。
スーパーホワイトとは、個人信用情報に何の情報も登録されていない状態です。
年齢が若くて一度もクレジットカードなどを作ったことのない人は、もちろんスーパーホワイトですが、その場合には履歴がないのが当然なので、審査に落とされるおそれは低いです。
スーパーホワイトで審査に落ちるのは、過去に債務整理や延滞をしたパターンです。
延滞や債務整理をすると、個人信用情報に延滞情報や事故情報が登録されるので、借入ができなくなります。
しかし、延滞状態の解消後あるいは債務整理後、一定期間が経過すると、個人信用情報から延滞情報や事故情報が抹消されます。
その場合、個人信用情報に何の情報も登録されていない、まっさらなスーパーホワイト状態になります。
若くもない人がスーパーホワイトというのは、貸金業者や金融機関にしてみると、不自然な状態です。
きっと過去に延滞を起こしたり債務整理をしたりしたのだろうと思われます。
そこで、スーパーホワイトの場合には、個人信用情報に特に問題のある情報が登録されていないにもかかわらず、ローンを利用できない可能性があります。
社内ブラックが原因
借金できない理由として、「社内ブラック」の問題もあります。
社内ブラックとは、特定の貸金業者の内部的な「ブラックリスト」に登録されている状態です。
個人信用情報にネガティブ情報が登録されていなくても(いわゆる金融ブラックではなくても)、申込先の貸金業者で「危険人物」として登録されていたら、その業者から借り入れをすることはできません。
このように、ある会社内だけで通用するブラックリストのことを「社内ブラック」と言います。
社内ブラックになる原因は、以下のようなものです。
- 過去にその業者から借金して、返済をしなかった
過去にあるローン会社から借金をして長期延滞をした場合、後に個人信用情報から延滞情報が削除されたとしても、社内ブラックに記録が残り、その業者では借りられなくなる可能性があります。
- 過去にその業者から借金して債務整理をした
過去にあるローン会社から借金をして、返済できなくなって債務整理した場合、その後債務整理の事故情報が削除されても社内ブラックとなり、その貸金業者を利用できなくなることがあります。
- 過去にその業者に対し、詐欺的行為をした
たとえば他人名義でカードを申しこんだり年収を誤魔化したりして、詐欺的な行為を働いて迷惑をかけた場合などには、社内ブラックに登録されてその後に貸付を受けられなくなる可能性があります。
社内ブラックと一般の金融ブラックとの違い
社内ブラックの場合、特定の貸金業者や金融機関のみで登録されているので、他の業者であれば審査に通り、借入ができます。
ただし、一定期間が経過したからといって消してもらえるわけではないので、極端な話、一生その業者からは借入できない可能性もあります。
これに対し、金融ブラックの場合には、個人信用情報自体にネガティブ情報が登録されるので、登録期間中はどの貸金業者や金融機関でも借入ができなくなります。
ただし、個人信用情報は一定期間経つと消去されるので、延滞情報やネガティブ情報が抹消されると、また借入ができるようになります。
融資基準を満たしていない
個人信用情報にも特に問題が無く、借金の総量規制にも引っかからず、社内ブラックにもなっていないのにローンを利用できないパターンがあります。
事前審査では審査通過したのに、本審査では通らないような時、「融資基準を満たしていない」可能性が高いです。
どこの銀行でもカード会社でも、ローン申込みを受けたときの融資基準を設けています。
基準を満たしていない人は、返済能力に不安があるので、貸付対象になりません。
たとえ金融ブラックや社内ブラック状態でなくても、審査に落とされてしまいます。
融資基準は借入先の業者やローンの種類によっても異なりますが、たいていは以下のようなことが重視されます。
- 年収
- 勤続年数
- 職種(公務員か会社員か自営業者か会社役員か、など)
- 労働形態(正社員かアルバイトか契約社員か、など)
- 借入時の年齢
- 完済時の年齢(住宅ローンでは重要視されます)
- 家族構成
- 持ち家か賃貸か
融資基準は業者によって異なるので、ある貸金業者の融資基準を満たしていない場合でも他のローンであれば審査に通る可能性がありますし、融資基準を満たしてから再度申請すれば、同じ業者でもローンを利用できる可能性があります。
ローンを組めるようにするには
審査に通るためにはどうしたら良いのかな?
債務整理を行った場合には、年数が経過しなければ審査は通らないんだ。
現在延滞がある場合や、借り入れ額が多くなっている場合には、その借り入れを返済する必要があるよ。
以上のように、ローンを組めない理由はさまざまですが、住宅ローンや車のローン、クレジットカードなどが使えないと不便です。
使えるようにするには、どのような審査対策を取るのが良いでしょうか?
ローンを組めるようにするための対処方法は、ローン利用できない理由によって異なるので、以下でパターンごとに、みていきましょう。
延滞している場合
まず、借金を延滞しているので延滞情報が登録されてしまったケースです。
この場合、まずは延滞状態を解消することが必要です。
滞納している借金を全額返済しないと、延滞情報を消してもらえません。
また、返済してもすぐに延滞情報を消してもらえるわけではありません。
信用情報機関の種類にもよりますが、延滞状態解消後、だいたい5年は情報が残ると考えましょう。
ただし次項のように債務整理をすると、延滞状態を解消しなくても、一定年数の経過によって情報を抹消してもらうことができます。
債務整理した場合
債務整理をした場合、個人信用情報にネガティブ情報が登録されて借入ができなくなるので、それを抹消してもらうことが必要です。
債務整理情報を抹消するには、一定年数の経過を待つしかありません。
どのくらいの年数が必要かは、債務整理の種類や登録された信用情報機関によって異なります。
任意整理の場合には比較的短く、5~7年程度で情報が抹消されてまたローンを利用できるようになることが多いです。
これに対し、個人再生や自己破産の場合には、10年が経過するまで銀行ローンを利用できません。
借金返済ができなくなり、延滞したまま放置していると何年経ってもローンを組めない状態が続きますので、早めに債務整理をして、借金を整理することが重要です。
借入額が多すぎるとき
借入額が多すぎて、借金の総量規制に引っかかっている場合には、3種類の対処方法があります。
借入額を減らす(返済する)
1つ目の方法は、借入額を減らすことです。
つまり、今ある借金を返済して、借金額が年収の3分の1以下になれば、借入可能額を増やしたり、枠が空いてローンを組める可能性があります。
たとえば、どうしても車のローンを組みたい場合で、クレジットカードのキャッシングなどを利用している場合には、まずはキャッシングを返済してから車のローンを申し込むと良いでしょう。
収入を増やす
もう1つは、収入を増やす方法です。
借金の総量規制は年収の3分の1なので、収入が増えると自然に借入枠が大きくなり、以前と同じだけ借金をしていてもローンを借りられる可能性が高くなります。
銀行ローンなら借りられるケースがある
借金の総量規制に引っかかっている状態でも、銀行ローンであれば金利は消費者金融よりも高めの設定ですが、利用できる可能性があります。
銀行や信用金庫などの金融機関のローンは、借金の総量規制の対象外だからです。
たとえば、クレジットカードで借入額が膨らんでいる場合でも、銀行カードローンを利用できることはあり得ます。
ただし、あまり借入額が大きくなっていると、銀行の融資基準を満たさないことになり、審査に落とされる可能性が高くなります。
よって、やはり借金が増えすぎているときには借り増しをするのではなく、まずは返済して借入残高を減らした方が得策でしょう。
融資基準を満たしていないとき
貸金業者の融資基準を満たしていないときには、状況に応じて次のように対処しましょう。
収入をアップさせる
収入が低い方の場合、収入を増やすことによって審査通過率が高くなります。
たとえば副業をしたり、より給料の高い職場に転職したりする方法があります。
正社員になる
今、アルバイトやパート、派遣社員などの方は、正社員になることによって審査の評価を上げることが可能です。
勤務先と交渉をして正社員にしてもらっても良いですし、他の会社で正社員として雇ってもらう方法もあります。
一般的に、自営業者よりも正社員の方が審査に通りやすいです。
なお、公務員はもっとも評価が高いですが、中途で公務員になることは難しいでしょう。
年齢条件を満たしていて、ちょうど良い中途採用などがあれば、応募してみるのも良いかも知れません。
勤続年数を増やす
ローン審査では、勤続年数を増やすのも効果的です。
クレジットカードなどの審査を申し込むときには、最低でも半年、できれば1年程度は勤続年数がほしいところです。
もしも今、就職(転職)したてでローン審査に落ちてしまうようであれば、しばらく時間が経ってからまた申込みをすると良いでしょう。
スーパーホワイトが原因の場合
スーパーホワイトが原因でローンを利用できない場合には、まずは利用しやすいクレジットカードを作ってみるのがお勧めです。
クレジットカードの中でも、消費者金融系や流通系、楽天カードなどは比較的作りやすいです。
このようなカードを作って個人信用情報におけるカード利用の実績を作ると、スーパーホワイト状態が解消されて、他のローンも利用しやすくなります。
ただ、クレジットカードを作った後、キャッシングやショッピングで分割払いやリボ払いを利用して借金を作ってしまうと、かえって逆効果です。
ローン利用前にクレジットカードを使用するときには、一回払いのみにしておくべきです。
社内ブラックが原因の場合
社内ブラックが原因でローン審査に通らない場合、残念ながら、その業者では借り入れをするのが難しいです。
そもそも社内ブラックは公表されているものではなく確認する方法もありませんし、いつ消えるというルールもないからです。
その会社の運営方針が変わるか、合併などで社内ブラック情報がいったんリセットされるかしないと、再び借り入れることは困難でしょう。
ただし社内ブラックの場合、借入できないのはその会社だけなので、他社であれば審査基準を満たしている限り、ローンを組めます。
世の中にはたくさんのローン会社や銀行があるので、社内ブラック登録されている業者にこだわる必要はありません。
利用できる金融会社から借り入れをすると良いでしょう。
まとめ
借り入れをしていなくても、審査に通らない事ってあるんだね。
借入さえなければ、誰でも新たなローンを組めるんだと思っていたよ。
金融業者が返済能力があると判断してくれなければ新たな審査に通ることはないから、他社からの借り入れがある場合には、返済実績を積んだり、年収アップを検討しよう。
今回は、ローンを組めない場合の対処方法をご紹介しました。
まずはあなたの状況に照らし合わせて、なぜ借入審査にとおらないのか検討しましょう。
その上で、適切な対処をとれば借入できるので、あきらめずにチャレンジしてみてください。
福谷陽子
元弁護士・ライター。
弁護士としての活動した約10年間のうち、7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては債務整理案件を多数担当し、任意整理・個人再生・自己破産のみならず、過払金請求も手がける。
その経験をもとに、現在はライターとして法律関係の記事を執筆している。
■略歴
・京都大学法学部在学中、司法試験合格
・京都大学法学部卒業後、司法研修所入所
・弁護士登録・某法律事務所にて勤務
・独立し、陽花法律事務所を設立
・弁護士活動を停止し、ライターに転身
■ご覧のみなさまへのメッセージ
借金問題を抱えていると、追い詰められた気持ちになるものです。
「どうしようもない」「借りた自分が悪い」「借りたからには返さなければ」と律儀な思いを持ち、必死で返済を続けている方もおられるでしょう。
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債務整理は恥ずかしいことではないので、勇気を出して専門家へ相談していただきたいと思います。
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