債務整理の森

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親のスマホで子供が勝手に高額課金してしまった!どうにかできる方法はある?

 

ウサギ
子供が勝手にスマホから課金をしていて、高額請求が来てしまったんだ…
あまりにも高額過ぎて支払いできないんだけれど、どうしたら良いのかな?
ミミズク
子どもが勝手に課金してしまった場合、一定の条件を満たせば、返金、もしくは請求を取り消すことが出来るんだ。
今回の記事では、子どもが勝手にスマホに課金してしまった場合の対処法について、詳しく見ていこう。

昨今の子供たちはスマホを持つことがごく当たり前になりました。

ただし、多くのニュースに取り上げられている通り、スマホでゲームやSNSなどを気軽に利用することができるようになったことから、人間関係やお金の面で様々なトラブルが生じています。

その中でも、多くの親たちが心配することとして「使いすぎ」があるのではないでしょうか。

ゲームやアプリなどの課金で数十万の請求が来たという事例も時折見受けられます。

そこで、課金制度とは何かを確認するとともに、子供が勝手に課金した場合の適切な対処方法、そして使い過ぎを予防する方法などを考えてみましょう。

スマホの課金制度とは

「課金」という言葉自体はスマホを利用している人なら耳にしたことがあるでしょうが、どのような仕組みになっているのかを確認しておきましょう。

例えばスマホでゲームを楽しみたい場合、基本的なアイテムだけで遊ぶのであれば無料でできるものも多いのですが、次のような場面で有料とされることがあります。

(課金という言い方自体は本来お金をもらう側からの表現なのですが、ユーザー側からも一般に「課金する」という言葉を使うことが一般的になっています。)

  • ゲームを一定の回数以上プレイし、また一定以上のステージに進みたい
  • 無料だと毎回表示される広告を消したい
  • よりゲームを有利に進められるアイテム(「スタミナ」とよばれる)が欲しい
  • キャラクターを装飾し、より格好良く見せるアバターをつけたい

段々ゲームに熱中してくるとユーザーは途中でやめることが惜しくなったり、お金を出してでも新しいアイテムが欲しくなったりするため、ついつい課金をしすぎてしまうことにつながります。

ゲーム以外にも生活の色々な局面で役に立つアプリやコンテンツの閲覧自体が有料になっているものがあり、スマホユーザーにとっては課金するかどうか迷う場面が至るところにあるのです。

そして、課金といっても、どのタイミングでどのようにお金がかかるのかにも種類があります。

消耗型

買ったものを使い切ると何度も課金できるタイプ、例えばゲームのアイテムなど

非消耗型

一度お金を払えば無制限に使えるタイプ、例えば広告の削除や機能拡張など

自動更新サブスクリプション

解約まで自動で更新、毎月課金されるタイプ、例えばクラウドストレージ(一般に馴染みのあるものとしてはDropboxやGoogle Driveなど)

非自動更新サブスクリプション

購入することで期間限定で使用できるがユーザーが更新する必要があるタイプ、例えばスポーツのストリーミングのシーズンパス

スマホ課金の支払い方法

ではさらに具体的に、課金した場合の決済方法を確認してみましょう。

大きく分けて次のような方法があります。

キャリア決済

DoCoMo、au、ソフトバンクへの携帯料金の支払と一緒に払う

iTunesカード(iPhone)

Google Playカード(アンドロイド)

コンビニなどでカードを購入し、App Store(iPhone)やPlay Store(アンドロイド)でコードを読み込む

クレジットカード

App Store(iPhone)やPlay Store(アンドロイド)でクレジットカードを登録する

使い過ぎを防ぐためには、あらかじめ金額を決めて購入できるiTunesカードやGoogle Playカードが最適といえるでしょう。

子供が無断で課金をしてしまうケースとは

このようなシステムで課金が行われますが、子供が親の知らないところで課金してしまう状況がなぜ起こるのでしょうか。

スマホ自体のパスワードや、iPhoneの「スクリーンタイム」のように使用に制限をかける機能のパスワードを子供が知ってしまうことで勝手にロックを解除されてキャリア決済の設定をされることもあります。

また、いったんスマホでクレジットカードの設定をすると自動的にそこから決済されるため、これを無断で利用されてしまうケースも見受けられます。

無断で課金した場合の支払い義務

ウサギ
課金を取り消すにはどのような要件が必要になるの?
ミミズク
子どもが未成年である事、親が課金に同意していない事、子どもの小遣いから課金をしていない事など、様々な要件があるんだ。
その他の要件についても、詳しくチェックしてみよう。

では法的な処理について考えてみましょう。

もし子供が親に無断で課金してしまったら、それを取り消すことができるのでしょうか。

一定の条件はつきますが、それらを満たしていれば取り消せることがあります。

なお、ここで「取消し」が可能になるのは「未成年者」の行為であることが前提となりますが、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられますので注意しましょう。

この改正により「親の同意なしの契約」についても18歳からできることになりますので、それ以上の年齢に達した子がした契約行為については取消しができなくなります。

※詳しくは「政府広報オンライン」の中で解説されています。

課金を取り消す要件

未成年者が課金した契約を取り消すには次の条件が必要です。

  • 子供が未成年者であること
  • 民法753条の成年擬制(未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす)を受けていないこと
    ※ただし、この成年擬制は成年年齢の引き下げにより2022年4月1日より廃止されます。
  • 法定代理人(親権者や後見人)が当該契約に同意していないこと
  • 法定代理人が処分を許した財産(小遣い)ではないこと
  • 法定代理人から許された営業行為ではないこと
  • 未成年者が「親の承諾を得ている」などの嘘をついて契約をした事実がないこと
  • 法定代理人や成年に達した後の本人が契約を追認していないこと
    (契約当時未成年だった本人が、成年に達した後で商品やサービスを受け取ることも追認にあたる)
  • 追認できる時から5年、契約の時から20年を経過していないこと(時効)

課金を取り消すには

ウサギ
未成年の課金は、支払い義務がないなら放っておけばよいのかな?
ミミズク
放っておいても支払い義務はなくならないよ!
必ず内容証明郵便で契約の取り消しを伝えるようにしよう。

上記の条件が満たされていて実際に取消しをしようとする場合、自分からアクションを起こさなければなりません。

未成年者のした行為だからといって請求を放置しても、契約を取り消したことにはならないため、相手方へ取り消しの意思表示をしなくてはならないのです。

取り消しを行う前にはその契約に関する請求書や購入履歴、支払済の場合は領収書や明細書など、できるだけ事実関係を詳しく証明できる材料を準備しておきます。

ただ、状況によって「本当に未成年者が勝手に行ったのか」の判断が難しいこともあり、すべての事例で取消しが可能とは限らないことに注意が必要です。

クレジットカード会社や携帯のキャリア、ゲーム会社などとの話し合いが必要なこともあり、なるべく詳細な説明ができるようにあらかじめ話の要点をまとめておくと良いでしょう。

口頭もしくは書面で通知する

法的に「口頭」での取消しの意思表示も有効ではありますが、このような法律関係の行動を起こす際は「書面、しかも内容証明で」行うことが基本と考えておきましょう。

すでに支払ってしまった場合には

ウサギ
すでに支払いが完了している場合でも、返金してもらうことはできるのかな?
ミミズク
要件を満たしているのであれば、返金は可能だよ。
返金請求をする場合には、書面に必要事項を記入して内容証明郵便で郵送しよう。

もし、未成年者の子供がすでに課金した分の支払いを済ませ、購入したアイテムを利用していた場合でも料金を返還してもらうことができることがあります。

民法にこのような規定があるからです。


民法第121条 取り消された行為は、最初から無効であったものとみなす。

民法第121条の2

1項 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。


返還請求方法

取消や代金の返還請求の書面の体裁は必ずこれでなければならない、と決まっているわけではありませんが、次の項目を入れるようにしましょう(本人または法定代理人どちらからでも取り消しできます)。

  • 宛名(債権者の会社名)と所在地
  • 契約日や契約番号、契約の内容
  • 支払い済の場合はその金額、取り消しにつき返金してほしい旨や振込先口座
  • 未払いの場合は取り消しにつき支払わない旨
  • 手元に商品がある場合は返品についての送付先を知らせてほしい旨
  • 契約者(法定代理人から取り消すなら法定代理人も)の住所氏名

相手が取消に応じない場合には

ウサギ
相手が、取消に応じてくれない場合にはどうしたら良いのかな?
ミミズク
国民生活センターに相談して、アドバイスを受けてみよう。
請求金額が高額な場合には弁護士に相談するのもお勧めだよ。

取消しの意思表示をした際に応じてくる業者ばかりとは限りません。

もし内容証明を送っても無視してそのまま放置されたような場合はどうすればよいのでしょうか。

国民生活センターに相談する

消費者トラブルについて相談し、解決の方法をアドバイスしてもらえる機関として「消費生活センター」があります。

各地の消費生活センターを統括する機関として国が作った「独立行政法人 国民生活センター」がありますが、このサイトに「消費者ホットライン(局番なしの188)」が紹介されています。

消費者ホットラインでは、日本全国の最寄りの消費者相談窓口が案内されます。

詳しくはこちらのサイトを参照してください。

弁護士に相談する

また、直接的で強力な解決方法を望みたい場合には弁護士に相談するのも有効な方法です。

相手の業者によっては弁護士が介入し内容証明を送っただけでもすぐに取消しに対応してくることもありますし、業者と直接やりとりしなくて済むメリットもあります。

消費者問題に強い弁護士であれば、事例の内容を聞くと取消しや代金の返還が可能かどうかある程度予測が立てられることもあります。

勝手に課金するのを防ぐには

ウサギ
勝手に課金されてしまうのを防ぐにはどうしたら良いのかな?
ミミズク
子どもにパスワードを知られないように、スマホにロックをかけておく必要があるね。

では、子供が勝手に課金するのを防ぐにはどうしたらよいのか考えてみましょう。

スマホから課金機能をオフにする

課金してしまってから取り消すことができる場合もあるとはいえ、やはり煩わしい手続きはできれば避けたいものです。

中でも使える機能を制限することは必須で、子供にスマホを与える段階で制限を設定しておく、パスワード(パスコード)は決して子供に推測されないものにしておくことに注意しなければなりません。

iPhoneとアンドロイドでは設定方法が異なります。


iPhoneの場合、大きな流れは次の通りです。

  • ホーム画面から「設定」をタップ
  • 「スクリーンタイム」をタップ
  • 「スクリーンタイムをオンにする」をタップ
  • 「続ける」をタップ
  • 「これは子供用のiPhoneです」をタップ
  • そのまま「後で行う」などを選択して進んでいくとスクリーンタイム・パスコードを設定する画面が出てくるため設定する
  • 再び設定画面から「スクリーンタイム」に進むと「コンテンツとプライバシーの制限」から各種の制限を設定できる

こちらからも詳細な方法を確認することができます。


アンドロイドの場合、設定時(購入時)にパスワードを登録します。

  • GooglePlayストアアプリを起動させて 「設定」を選択する
  • 「保護者による使用制限」をオンにする
  • 子供の年齢を入れ、年齢に合わせた設定を行う

ひとまず設定してみて、定期的に「無断で解除されていないか」などを確認することが大切です。

現代の子供たちはパソコンやスマホなどの機器に小さい頃から慣れ親しんでいるため、機能自体は子供の方がむしろ親世代より早く吸収してしまうことも珍しくありません。

よって、親の側も操作につき不明な点は携帯ショップで確認するなどして、常に情報を新しいものにしておくように心がけなくてはなりません。

まとめ

ウサギ
子供が勝手課金してしまった場合でも、請求を取り消すことができるってわかって、安心したよ。
勝手に課金されてしまわないように、しっかりと対策を取る事が大切なんだね。
ミミズク
親のスマホを子どもが使う場合だけでなく、子ども用にスマホを持たせる場合でも、課金を勝手に出来ないように設定をしておくことを忘れないようにしよう。
もし課金されてしまっていた場合には、弁護士に相談して、取消交渉を進めてもらうのがお勧めだよ。
  • スマホのゲームやアプリでの課金には一度買って使い切るもの、一度買えばずっと使えるもの、月額料金がかかり続けるものがある。
  • 未成年者が親権者などの法定代理人に無断で行った契約は、定の要件を満たすと取り消すことができ、その場合には返金を求めることができる場合もあるが、取消しについては内容証明等の郵便で行うことが望ましい。
  • 子供にスマホを与える際にはペアレントコントロールを適切に利用し、親の側も常に使用方法に精通しておく必要がある。
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西岡容子

青山学院大学卒。認定司法書士。
大学卒業後、受験予備校に就職するが、一生通用する国家資格を取得したいと考えるようになり退職。その後一般企業の派遣社員をしながら猛勉強し、司法書士試験に合格。

平成15年より神奈川県の大手司法書士法人に勤務し、広い分野で実務経験を積んだ後、熊本県へ移住し夫婦で司法書士法人西岡合同事務所を設立。

「悩める女性たちのお力になる」をモットーに、温かくもスピーディーな業務対応で、地域住民を中心に依頼者からの信頼を獲得している。
以後15年以上、司法書士として債務整理、相続、不動産を中心に多くの案件を手掛ける。

債務整理の森への寄稿に際しては、その豊富な経験と現場で得た最新の情報を元に、借金問題に悩むユーザーに向け、確かな記事を執筆中。

■略歴
昭和45年 神奈川県横浜市に生まれる
平成5年   青山学院大学卒業
平成14年 司法書士試験合格 
平成15年 神奈川県の大手司法書士法人に勤務
平成18年 司法書士西岡合同事務所開設

■登録番号
司法書士登録番号 第470615号
簡易裁判所代理権認定番号 第529087

■所属司法書士会
熊本県司法書士会所属

■注力分野
債務整理
不動産登記
相続

■ご覧のみなさまへのメッセージ
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