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債務整理と国の教育ローン(奨学金)

 

債務整理をした場合に、教育ローンが使えるかどうか?という問題について考えてみます。この問題を考えるには、まず教育ローンの特徴を知る必要があります。

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日本政策金融公庫の国の教育ローンの特徴

教育ローンは子供の学資を賄うためのローンで100%政府出資の金融機関である日本政策金融公庫の国の教育ローンと、民間の銀行や信用金庫が取り扱う教育ローンがあります。

ここでは利用者にとって金利などの条件が最も良い日本政策金融公庫の国の教育ローンについてその特徴を詳しく説明します。

世帯年収

国の教育ローンの特徴の1つ目は子供の人数に応じて幅広い世帯年収の家庭に対応できることです。原則として子供が1人の場合、世帯年収790万円以下の家庭が融資の対象となります。また、子供が2人~5人の場合、世帯年収が890万円~1,190万円の家庭が融資の対象となります。

用途

特徴の2つ目は幅広い学校や多様な使い道に対応できることです。

学資

例えば、大学や短大は勿論、専門学校や高校の学資にも利用することができ、外国の高等学校・高等専門学校・短期大学・大学・大学院などへの原則6ヵ月以上の留学資金も対象になります。

購入費

また、入学金や授業料だけではなく定期代やパソコン購入費にも利用することができ、受験にかかった費用(受験料・受験時の交通費・宿泊費など)にも利用できます。

住居費

更に、在学のため必要となる住居費用(アパート・マンションの敷金・家賃など)や、教科書代・教材費・修学旅行費用・学生の国民年金保険料などにも使えます。

申込人

特徴の3つ目は申込人になることができるのは子供の両親に限らず、6親等内の血族・配偶者および3親等内の姻族が含まれることです。例えば、子供から見て祖父母やご兄弟(ご姉妹)は2親等の血族、叔父・叔母は3親等の血族にあたりますのでいずれの方も申込人になることができます。

融資限度額

融資限度額は子供1人につき350万円で外国の短大・大学・大学院に1年以上在籍する資金として利用する場合は450万円以内となります。

適用金利は2015年10月現在で年率2.15%の固定金利、母子家庭・父子家庭または世帯年収200万円以内の家庭は年律1.75%の固定金利となります。返済期間は15年以内で元利均等返済となります。

従って、一般家庭で子供の学資が足りない場合は、日本政策金融公庫の国の教育ローンは非常に使い勝手の良い教育ローンと言えます。

 

債務整理後に国の教育ローンは借りられるのか?

債務整理はあくまでも個人の債務と財産に対して行なわれるもので、債務整理を行うことによるペナルティーも債務整理を行った個人に対して課されるものです。

例えば、任意整理を行いますと、任意整理を行った事実は直ぐに個人信用情報機関に記録され、通常、5年程度はカードローンやクレジットカードを持つことはできなくなり、住宅ローンやその他のローンについても同様でローンの審査を通過することはできません。

国の教育ローンを取り扱っている日本政策金融公庫も100%政府出資の金融機関で、個人信用情報機関の全国銀行個人信用情報センターや株式会社CICに加盟し個人の信用情報を得ています。

従って、債務整理を行った本人の名義で債務整理後5年以内に、国の教育ローンを借りるのは非常に難しいと考えられます。只、あくまでも5年程度は一つの目安で、特に、国の教育ローンは他のローンに比べて審査のハードルが高い訳ではありませんから、債務整理後3年から5年程度で審査をパスする可能性はあると考えられます。

 

債務整理後に国の教育ローンを借りる方法

申込人を変える

そこで、債務整理後に国の教育ローンを借りる方法として考えられるのが、家族の名義で申込みをすることです。

日本政策金融公庫の国の教育ローンで申込人になることができるのは子供の両親に限らず、6親等内の血族・配偶者および3親等内の姻族が含まれるます。

例えば、子供から見て祖父母やご兄弟(ご姉妹)は2親等の血族、叔父・叔母は3親等の血族にあたりますのでいずれの方も申込人になることができます。

従って、子供の父親が債務整理を行った場合、配偶者や子供の祖父母・叔父・叔母などの名義を使うことが選択肢として考えられます。

只、配偶者が専業主婦で所得が無い場合は審査を通過できない場合も考えられますので、安定した所得の有る人の名義を使うことがポイントとなります。

連帯保証人を立てる

そして、債務整理後に国の教育ローンを借りるもう1つの方法は連帯保証人を立てることです。

日本政策金融公庫の国の教育ローンでは、連帯保証人は進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除きます)で、予定連帯保証人の人の源泉徴収票または確定申告書が必要となると明記されています。つまり、予定連帯保証人に安定した収入があることが求められます。

 

最後にポイントをまとめるとすれば・・・

債務整理を行った本人が後でペナルティーを受けることは因果応報で仕方ありませんが、家族に影響が及ぶ事態はできれば避けたいものです。

特に、高校や大学への進学を控える子供達が、親の債務整理の影響を受けて学資が不足し進学できない事態は親としても耐え難いことです。

そこで、進学者・在学者の家族の名義で国の教育ローンを借りることや、進学者・在学者に連帯保証人を立てる方法があることを記しましたが、それに加えて、奨学金制度を活用することができます。

現在の奨学金制度は学費など学生生活に必要なお金をもらえたり借りたりする制度で、奨学金には給付型と貸与型があり給付型は名前のとおりもらえるタイプの奨学金で返済の必要はありません。奨学金を取り扱っているのは国の機関である日本学生支援機構の他にも、都道府県・民間育英団体・各大学などさまざまな機関が実施しています。

また、奨学金の利用条件は家計支持者の所得が一定額以下であることや学業成績が平均水準以上であることが求められますが、日本政策金融公庫の国の教育ローンのように債務整理者が審査で落ちるようなことはありません。
(この記事は坂本一夫が書いています)

 - 債務整理後の借入れや住宅ローン