債務整理の森

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債務整理が配偶者(妻・夫)に与えるデメリット

 

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まずは債務整理で本人が受けるデメリットを確認

債務整理はあくまでも個人の債務と財産に対して行なわれるもので、基本的に配偶者や家族が直接的に受けるペナルティーはありません。

しかしながら、同じ家に住み家計を共にしている以上、配偶者や家族が受けるデメリットが皆無とは言い切れません。

特に、夫が債務整理した場合の専業主婦に与えるデメリットとその他の場合は区別して考える必要があります。そこで、まず最初に債務整理で本人が受けるデメリット(ペナルティー)を知っておく必要があります。

本人が受けるデメリットは?

本人が受けるデメリット(ペナルティー)の1つ目は官報公告です。

官報は国の広報誌で一般の人には殆ど読まれていませんが、官報公告には申立人の住所と氏名が掲載されますからこの情報がヤミ金業者などに流れることがあります。また、申立人の住所と氏名が掲載される以上、配偶者や家族に影響が及ぶ可能性もゼロとは言い切れません。

只、任意整理は債務者と金融業者との和解交渉ですから官報に載る筈もありませんが、自己破産手続と個人再生手続は官報に公告されます。自己破産手続では開始決定の約半月後と免責決定の約半月後の合計2回公告されます。また、個人再生手続では開始決定の約2半月後と書面決議決定の約半月後と認可決定の約半月後の合計3回公告されます。

2つ目のデメリットは個人信用情報機関に債務整理情報が記録されることです。

一般的にブラックリスト入りと言われる情報で、返済金や支払金の遅延・延滞から任意整理・個人再生・自己破産などの違いから異動情報・事故情報などと区別されています。通常、これらの異動情報・事故情報などは手続きごとに登録される期間が異なります。

顧客が金融業者を自由に選べるように実は金融業者側も顧客を選ぶことができますから、過去に債務整理した人に対して何年でカードローンやクレジットカードを再開するかは金融業者側の自由裁量です。一般的には以下のような期間と言われています。

  • 遅延・延滞などで借入などができない期間は5年以内
  • 任意整理で借入などができない期間は5年
  • 個人再生手続で借入などができない期間は7年~10年
  • 自己破産で借入などができない期間は7年~10年

只、上記はあくまでも目安であって民間金融機関や金融業者の判断で早まることや遅れることは少なくありません。

3つ目以降のデメリットは自己破産手続のみのデメリットになりますが、まずは一時的ですが職業選択の自由が制限されます。

自己破産手続の破産開始決定から免責決定を受けるまでの半年~1年程度の期間だけですが、弁護士や司法書士などの士業や会社の取締役・保険外交員などの職業に就くことはできません。従って、これらの職業に就いていた人が自己破産手続する場合は、一時的に仕事を休業しなければなりません。

また、自己破産手続の破産開始決定から免責決定を受けるまでの半年~1年程度の期間は、転居の際に裁判所の許可が必要になりますし長期の旅行についても同様です。

債務整理が専業主婦に与えるデメリット

上記のデメリット(ペナルティー)は債務者本人に対するデメリット(ペナルティー)ですが、同じ住所で暮らす配偶者や家族も少なからず影響を受けることになります。特に、専業主婦の場合は夫の債務整理により以下の様な直接的なデメリットが考えられます。

夫の信用力でカードが作れた?

もともと、2007年に貸金業法が改正され改正法を厳密に施行すると、専業主婦はカードローンやクレジットカードを利用できなくなる恐れがありました。そこで、各金融業者は知恵を絞り専業主婦の夫の信用力を使うことで、専業主婦にカードローンやクレジットカードの利用を実質的に認めてきました。

つまり、審査において夫の過去の信用履歴を個人信用情報機関に照会し、特に問題が無ければ専業主婦の審査にOKを出していた訳です。

更新時に取引停止される可能性が

従って、夫の債務整理により夫の信用力が落ちると、専業主婦は審査にパスできなくなる可能性が高まります。

例えば、専業主婦が夫の信用力でカードローンやクレジットカードを持っている場合、夫の債務整理により直ちにカードローンやクレジットカードが使えなくなることはありませんが、更新時などに新規の取引が停止される可能性が出てきます。

また、返済や支払いに延滞などが全く無くとも、カードローンやクレジットカードの限度額が引き下げられることも考えられます。同様に債務整理した夫の信用力で新たなカードローンやクレジットカードを作ることは難しくなります。

専業主婦の審査は夫の信用力も調査されますから、個人信用情報機関への照会で直ぐに夫の債務整理が判明するからです。従って、夫の債務整理により専業主婦の場合は夫と同様のデメリットを受けることになりますが、夫の債務整理を機に専業主婦が仕事を持ち安定した収入を得ることになれば、夫の債務整理の影響を受けることはなくなり妻の信用履歴で評価されるようになる筈です。

POINT 専業主婦のデメリットはカード更新ができなくなる可能性があること

住宅ローンやクレジットカードが使えなくなる

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それでは、専業主婦に限らず夫が債務整理した場合、妻や他の家族にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

まず、最も大きな問題となるのが住宅ローンです。多くの場合、住宅ローンの名義は夫の名義になっていますから、夫が自己破産した場合には住宅は売却し住宅ローンの返済に充てられます。

マイホームに住めなくなる

従って、専業主婦であれ仕事を持つ主婦であれマイホームに住み続けることはできなくなります。但し、個人再生手続や任意整理の場合は住宅ローンを残しマイホームに住み続ける選択も可能です。マイカーローンやその他のローンについても同様ですから、妻や家族は大きなデメリットを受けることになります。

家族カードが使えなくなる

次に考えられるのがクレジットカードの家族カードが使えなくなることです。多くの場合、夫の信用力でクレジットカードに入会し妻や子供が家族カードを持っています。従って、夫が債務整理してクレジットカードが使えなくなると、妻や子供が持つ家族カードも使えなくなります。

まとめ

実際に債務整理した経験から言えることは、夫の債務整理で配偶者や家族に与える最大のデメリットは、やはり、住宅の問題です。

特に、自己破産の場合は全ての資産を現金化し債務に充当しても、尚、足りない状態ですから、当然、マイホームも売却しなければなりません。その結果、とりあえず、家族は近くの賃貸アパートなどに転居することになります。

任意売却というマイホームを売却しない方法もあります。

任意売却とは住宅ローン返済ができない場合の解決方法

転居が与える影響

自己破産を機に心機一転で遠方に転居する選択肢も考えられますが、子供が中学・高校の場合は直ぐに転校先が見つからない場合があります。従って、近所の賃貸アパートなどに転居することになり、子供の友人など地域の住民におおよその事態を知られてしまうことになります。

この住宅問題が配偶者や家族に与える最も大きなダメージでありデメリットと言えます。

他のデメリットは配偶者が夫の連帯保証人になっていない限り、それ程、大きな問題ではありません。

例えば、マイホームを持たない若い夫婦の場合、夫の債務整理を妻に内緒で行うことも不可能ではありません。但し、関係の郵便物などを弁護士宛てに送って貰うなどの確実な対策が必要です。勿論、夫が債務整理する場合は下手に妻に内緒にするよりは、妻に相談した方が良いことは言うまでもありません。

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クレジットカードは大きなデメリットにならない

また、債務整理した後にカードローンやクレジットカードが使えないというデメリットは、経験上、余り気にする必要は無いと思います。多くの債務整理経験者は、もうカードローンやクレジットカードは懲り懲りという心境で、暫くは地道な現金生活を考えるのが普通です。

従って、5年~10年間はカードローンやクレジットカードが使えないというのは、債務整理者へのペナルティーと思われがちですが5年~10年はあっという間に過ぎてしまいますから、そのくらいの冷却期間・充電期間を経て必要であれば住宅ローンやクレジットカードにトライしてみると良いのではないでしょうか。

デメリットの部分が気になって動けないという方は、まずは無料相談をして気軽に質問してみることをお勧めします。

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坂本一夫

坂本一夫

大手証券会社⇒大手出版社勤務、その後独立し10年ほど会社経営。その後、フリーライターとなる。自身も自己破産の経験あり。主に法律事務所の記事を担当。

 - 債務整理後の借入れや住宅ローン