サービサー(債権回収会社)とは

 

クマ

借金をしている場合、自分が借金をした金融機関ではない所から督促状が来るような事もあるの?

ミミズク

借入先ではないところから督促が来る場合には、借金が譲渡されている可能性があるね。

クマ

えっ?!借金って譲渡されてしまう事もあるの?

ミミズク

そうなんだ。

サービサーと呼ばれる、債権回収管理業者へ債権が譲渡されてしまうと、今後はサービサーに返済しなければいけないんだよ

クマ

サービ―サーってどんな会社なの

怖い団体に返済しなければいけなくなってしまうこともあるの?

ミミズク

サービサーは国から許可を得ている団体だから、怖い思いをしてしまうようなことはないんだよ。

今回の記事ではサービサーについて、詳しく見ていこう。

最初にお金を借りた会社ではないところから返済の請求が来ると一瞬「何かの詐欺ではないか?」と思ってしまうことがあります。

もちろん、架空請求の類も手を変え品を変え次々に出てきているのでその可能性も否定できません。

しかし知らない会社から請求通知が来たら考えなければならないのは「サービサーに債権譲渡がされたのではないか?」ということです。

この場合、正当な請求ですから決して無視してはならないことになります。

ではサービサーとは何か、その債権回収の方法、サービサーから連絡が来たらどのように対処すればよいのかを考えてみましょう。

サービサーとは

「サービサー」とは正式名を「債権管理回収業者」といい、次のいずれかのことを指します。

  • 他人の債権を譲り受けてこれを管理、回収する業者
  • 委託を受けて他人の債権を管理、回収する業者

つまり、

  • 「元々自分が貸したものではないお金の請求権(=債権)自体を譲り受ける」
  • 「債権自体は元の債権者に属した状態で管理と回収の事務だけを代わりに行う」

のどちらかをしているのがサービサーであるということです。

サービサーの役割

クマ

そもそもなんで債権が譲渡される事になるの

ミミズク

債権者側は、返済できない債務者がいると、経費や手間がかかってしまうなどの事情から、サービ―サーに債権を買い取ってもらっているんだ。

サービサーの役割について、チェックしてみよう。

日本における不良債権処理の方法

金融機関による不良債権処理の方法には次のようなものがあります。

  • 保証人や保証会社などから「代位弁済」を受ける
  • 不動産などの担保物を売却してそこから回収する
  • 破産や民事再生などの法的な手続きに参加する

これらは伝統的な債権回収の手段としてよく使われているものですが、それ以外にも下記のような第三者を用いた処理、会計・税務上の処理が使われることもあります。

  • 債権譲渡
  • 債権償却や放棄
  • 弁護士やサービサーへの回収委託

サービサーは不良債権回収のための一手段

もちろん、元の債権者自身が不良債権の回収業務を行うという選択肢もあります。

しかし、不良債権にいつまでも手を煩わされていると手間暇がかかる、経費がかさむといった問題が出てきます。

そこで、上記の選択肢の中で「債権譲渡などサービサーの利用が有効である」という認識が金融機関でも広がっています。

複数の債権を全てまとめてサービサーに売却する場合には、バルクセールなどと呼ばれます。

サービサーとして国から許可される基準

クマ

サービサーとして認定されているのはどんな会社なの

ミミズク

サービサーとして認められるためには国の基準をクリアしなければいけないんだよ。

サービサーとして運営できる基準を詳しくみてみよう。

債権回収業務は法律事務ですので、本来であれば「弁護士、認定司法書士(所定の認定考査を受けて合格した司法書士が140万円を超えない債権について)」など、弁護士法で認められている人しか行うことができないはずですが、債権回収会社(サービサー)はその特例として認められているものです。

平成11年に施行された「債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)」によって債権回収業務が民間にも認められました。

これにより、一定の条件のもとに法務大臣が許可すればそれらの業務を民間会社が行えるようになりました。

中小企業金融円滑化法により、サービサーの数は減少していますが、現在、社団法人全国サービサー協会に登録している80社となるサービサーの種類には、銀行系や賃金業者系、信販系や独立系などに分かれています。

独立系の場合、更に区分けされ、リース系や外資系、不動産系、公的機関系に該当条項別として分類されることになります。

種類別割合は、金融機関系や、不動産系、独立系の割合が多いのですが、全体の違いとしては、出資母体などの関連会社が異なるだけで、扱っている債権についてはそれほど大きな違いはありません。

サービサーとして許可される基準としてはさまざまなものがありますが、例を挙げると次のような条件があります。

  • 資本金5億円以上の株式会社であること
  • 最低1人以上の弁護士が常務に従事する取締役に就任していること
  • 暴力団員等が事業活動を支配したり、業務に従事しないこと
  • 業務遂行に必要な人員構成を取れる会社であること
  • 債権の管理回収にあたっては、債務者等に対して違法、不当な取立てを行わないことはもちろんのこと、債務者等の平穏な生活を侵害しないよう、厳格な行為規制に服すること

※なお、現在営業許可がされている債権回収会社かどうかについては法務省ウェブサイトから調べることができます。

サービサーが取立てることのできる債権

クマ

サービサーは、どんな債権の取り立てが可能となるの

ミミズク

サービサーが取り立てできるのは、特別金銭債権と呼ばれる物だけなんだ。

特別金銭債権とはどんな物なのか、説明するね。

サービサーは、債権譲渡や委託を受ければどんな債権でも取り立てることができるわけではありません。

サービサーに取立てが許されているのは「特定金銭債権」と呼ばれるものに限定されますが、代表的なのは以下のような債権です。

  • 銀行や貸金業者が有していた貸付債権等
  • リース、クレジット会社が保有する求償権や債権等
  • 法的な倒産手続中の者が有する金銭債権等
  • 保証会社等が有する求償債権等

サービサーにかかる行為規制

クマ

サービサーにはどんな規制があるの

ミミズク

サービサー以外の人が取り立てをしてはいけないという事や、脅迫行為となるような事は禁止されているんだよ。

その他にも様々な規制がされているんだ。

債務者を威圧的、暴力的な取立てから守るためにサービサーにはさまざまな行為上の規制があります。

債務者としてはどのような規制項目があるのかを大まかに知っておき、不利な取り扱いがされないように注意しなければなりません

名義貸しの禁止

名義貸しというのは「他人に対して自分の名前を貸して業務などをさせること」です。

サービサーの社名を使わせて他人に債権回収受託等の業務をさせてはならないということです。

受取証書の交付義務

「受取証書の交付」はサービサーの義務とされています。

受取証書は弁済を受けた時に債務者に交付するものです。

取引の世界では

  • 「金銭を受け取った場合=領収書」
  • 「物を受け取った場合=受取証書」

という具合に使い分けることもありますが、「領収書と受取証書」は法律的意味としてほぼ同義と考えてよいでしょう。

ちなみに、民法486条では「弁済と受取証書交付」は同時履行とされています。

同時履行の抗弁権とは債権法全体を貫く原則ですが、

「(履行を請求できる時期にある)相手方の債務が履行されていない以上は、自分が履行を遅滞していてもその責任を負わなくてよい(損害金などが発生しない)」

ということです。

同時履行の抗弁権が認められるかどうかは債権債務の性質にもよるのですべてのケースにあてはまるわけではありませんが、代表的な「不動産売買」の例では次のようなイメージになります。


債権証書の返還義務

また、サービサーには「債権証書の返還」という義務もあります。

債権証書はいわゆる契約書のことであり、上記の受取証書とは異なり「同時履行」という関係ではありませんが、

サービサー法第16条の中では「遅滞なく、弁済をした者に返還しなければならない」と規定されています。

実務上は最後の返済完了をサービサーが確認すると、契約書が郵送されてくるという流れになることが多くなります。

債務者等を威迫する取立ての禁止

サービサーの業務に従事する者は、人を威迫したり、私生活や業務の平穏を害するような言動による取立てをしてはなりません。

たとえば

  • 「怒鳴りつける」
  • 「口汚くののしる」
  • 「職場におしかけて業務を妨害する」
  • 「サービサーの店内で大人数で取り囲むといった威圧感を与える状態で取立てを行う」

などがこれにあたるでしょう。

商号や氏名を明示する義務


サービサー業務を行うにあたって相手方(債務者など)の請求があった場合はサービサーの「商号」や「氏名」など法務省令で定める事項を明らかにしなければなりません。

暴力団員などを関与させることの禁止

元々、サービサーとしての許可基準にも定められているように「暴力団員のサービサー業務への従事」が禁じられています

近年、さまざまな金融や取引の場で「反社会的勢力の排除」が積極的に進められていますが、債権回収のような場面は暴力的側面が表に出やすいため、特にこの点が重視されていると考えられます。

白紙委任状を交付させることの禁止

サービサーは、債務者等から「強制執行認諾約款付きの公正証書を作成する委任状であって、債権額や法務省令で定める事項が記載されていないもの」を取り付けてはなりません

少しかみ砕いて説明するとこのようなことになります。

サービサーは債務者から「強制執行認諾約款付き公正証書を作成することを任せる、という内容の委任状」を預かることがあります。

強制執行認諾約款とは、いざとなったら差押えなどを直ちに受けても構わないとするものであり、これが盛り込まれた公正証書は債務者に対して大きなプレッシャーを与えます。

この公正証書を作成する委任状には、サービサー側が勝手に債権の内容などを変えてしまうことがないように、債権額などが示されていなければならないということになっているのです。

債権の管理や回収に不正な手段を用いることの禁止

サービサーは不正な手段での債権回収などを行ってはなりません。

たとえば、

  • 「消滅時効や同時履行の抗弁権など、債務者にとって有利となる抗弁が使えるのに、これが使えないように偽りの説明をする
  • 「残債務の金額などにつき、虚偽の情報を伝える

といったものです。

制限超過利息や損害金などを要求することの禁止

貸金業者などから借り入れを行う場合、業者側が取ってよい利息や損害金の割合は法的に規制されています。

もし元の債権がこの制限を超える利率で約定されている場合、サービサーがそのままの状態(制限内の利率に引き直さない状態)で請求することは禁止されます。

※制限利息や損害金については「債務整理と利息制限法」に詳しく解説していますのでこちらを参照してください。

サービサーの回収方法

クマ

サービサーからは、どんな取り立てが行われる事になるの

ミミズク

通常の債権者からの取り立てと、ほとんど変わらないんだよ。

サービサーは上記のように暴力的、威圧的な取立てをすることが禁じられていますので基本的に手続きの流れとしては弁護士が手続きを行う時と同様になります。

電話や書面での督促

1回の督促を無視していたからいきなり訴訟になる、といったことは考えにくいといえます。

大体2、3回もしくはそれ以上の督促を経て、徐々にその後の訴訟や強制執行などをほのめかすものになっていきます。

支払督促や訴訟など

複数回の督促を無視していると現実に支払督促や訴訟といった法的手続きに移行していきます。

判決や和解、強制執行

訴訟を起こされて判決、和解などで支払い義務のある金額が確定したにもかかわらず任意に支払わずにいると、次の段階としては強制執行に入ります。

比較的強制執行されやすい財産としては、「預貯金」や「給与」となります。

住宅ローンがサービサーに譲渡された場合、比較的早い段階で住宅が差し押さえとなってしまいます。

サービサーへ住宅ローンの債権が移行した場合には、できるだけ早く、任意売却を検討したり、個人再生を取り入れなければ競売にかけられてしまいますから注意しましょう。

※支払督促や差押えについては「支払督促がきたらどうする?対応策」に詳しく解説していますのでこちらを参照してください。

サービサーの実態

クマ

サービサーって本当に安全なの

信頼しても大丈夫なのかな?

ミミズク

国が認めている団体だから、怖い思いをするような事は一切ないんだよ。

どうしてもガラの悪い取立てというイメージがつきまとう債権回収業務ですが、その業務状況は上記のような厳しい規制がかかっていることもあり、極めて紳士的かつ事務的な対応がされているのが通常です。

特に大手の消費者金融や銀行などと提携しているサービサーの場合は法令を遵守することを徹底しているため、怖い目に合うのではないかという心配はほぼないといえます。

サービサーの回収実績としては、債務者弁済が8割を超えています。

その他にも、サービサーを利用した事業再生計画も非常に注目を集めています。

サービサーから連絡が来たら

クマ

じゃあ、サービサーから連絡が来たらどうしたら良いのかな?

ミミズク

返済について、サービサーとしっかりと相談しよう。

返済できない場合には、弁護士事務所に相談に行くこともお勧めだよ。

これまで説明してきた通り、サービサーの取立て方法は法的に厳しい規制がかかっており、必要以上に恐れることはありません。

暴力的な取立てを恐れるあまり督促状を無視してしまうことの方が、後のことを考えたらよほど困った事態を招いてしまいます

サービサーは一般的に元の債権よりもかなり低額で債権を買い取っていますので、ある程度交渉の余地があることも多く、まずは督促状の連絡先に連絡を入れて自分の現状を説明することが肝心です。

多くの場合、債務者の現状を考えて現実的な支払額、回数などを設定してもらうことができると考えられるからです。

サービサー(債権回収会社)とは、まとめ

クマ

債権が譲渡されてしまう事もあるなんて知らなかったよ。

ミミズク

債権が譲渡されてしまうという事は返済が滞っているという事だよね。

そんな時には、少しでも早く弁護士などの専門家に相談に行き、協力者を得ることが、早期解決への近道となるんだよ。

返済できる場合には、サービサーとよく相談しながら、返済計画を立てていこう。

  • サービサーは金融機関や貸金業者から債権譲渡や委託を受けて債権の管理、回収を行う会社である。
  • サービサーとして認められる基準の内容は「会社規模」「弁護士の関与」「暴力団員の排除」といった点が重視されている。
  • サービサーには業務におけるさまざまな行為規制があり、暴力団員を使った取立ての禁止や利息制限法超えの取立ての禁止など、債務者を保護する内容となっている。
  • サービサーの督促の流れは督促状→裁判や支払督促→履行がなければ強制執行といったように、弁護士が行う場合とおおよそ同様になる。
  • サービサーの取立ては決して乱暴なものではないが、それを恐れて督促を無視するようなことがあると後からかえって訴訟などの困った状況になる。
    よって、サービサーの担当者にすみやかに連絡し現状を相談することが大切である。
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西岡容子

西岡容子

熊本にて夫婦で司法書士事務所を営む。10年以上の実務経験で、債務整理の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。
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