SNSでお金を借りたら闇金だった!コロナ禍の「個人間融資(隠れヤミ金)」にご注意
知らない相手だけれど、何度かやり取りをして良い人そうだから借りても大丈夫かな??
どんなに良い人だと思っても、SNSを通じてお金を借りてはいけないよ!
今回の記事では、SNSでの個人間融資とはいったいどんな物なのか、SNS通じて知り合った人からお金を借りてしまった場合の対処法について、詳しく見ていこう。
生活費が足りなくて困ってしまったら、ついついお金を貸してくれる人を探してしまうもの。
実は最近、ツイッターやフェイスブック、LINEなどのSNSを通じてお金を貸し付ける「隠れヤミ金(個人間融資)」が横行しているので注意が必要です。
ときには15万円借りただけで400万円を請求される事例も。
今回はSNSで流行っている「個人間融資(隠れヤミ金)」の実態や危険性について解説します。
新型コロナウイルス感染症などの影響で生活費が不足し困っている方、SNSで知らない人からお金を借りてしまった方はぜひ、参考にしてみてください。
SNSによる個人間融資とは
日頃何気なく使っているツイッターやLINEなどのSNSに「ヤミ金」が潜んでいる危険があります。
ヤミ金は、貸金業の登録をせずに違法な暴利で貸付をする悪徳業者。
一般には「ヤクザ、チンピラ風の男性が脅してくる」イメージがありますが、SNSの隠れヤミ金はこうした旧来のヤミ金とは随分異なります。
SNSのヤミ金は「個人」を装っている
SNSで横行しているヤミ金は、どこにでもいる平凡な「個人」を装っています。
親切そうに「お金貸します」などと情報発信しているもの、「お困りではありませんか?」などDMを送ってくるもの、「個人間融資をしている夫の手伝いをしている」などと主婦のフリをしているものなど。
利用者は、まさかヤミ金とは思わずに信頼してお金を借りてしまうのです。
しかし実際には相手は悪徳な闇金業者。
払えなくなったらしつこく返済を迫ってきて、SNSの友達に情報をばらまかれるなどの嫌がらせをするケースも少なくありません。
コロナ禍で増えるSNSヤミ金
近年、SNS上での法律トラブルが急増しているので注意しましょう。
2010年にはSNSトラブルは3,143件でしたが、2019年には19,251件にまで増加しています。
巻き込まれる人の年齢も広がりを見せており、特に近年では「50歳以上」の中高年が被害に遭うケースが増えています。
たとえば2019年において、「20歳以下」の未成年者が被害に遭った件数は1,715件でしたが50代以上の中高齢者の被害件数は4,745件。
むしろ未成年より中高年の方が被害に巻き込まれやすい状況となっているのです。
引用:国民生活センター
SNSヤミ金、国民生活センターへの相談が急増
さらにコロナ禍のせいで、SNSヤミ金の被害が増えているので要注意。
国民生活センターによると、SNSを通じた個人間融資の相談件数は例年20~30件程度でしたが、2019年には70件へ急増。
お金を貸し付ける見返りに女性へ性関係を求める悪質な事例もあります。
ほとんど例外なく違法な暴利で貸付を行っており、借りた人は返済できなくなったり嫌がらせ、脅迫を受けたりして苦しんでいる状況に。
引用:ITmedia NEWS
SNSで親切そうに見える個人であっても、お金を貸し付けてくる人は「ヤミ金」の可能性が濃厚です。
絶対に借りてはいけません。
SNS上における個人間融資の手口
中には、ダイレクトメールを直接送ってくる場合もあるよ。
お金を借りてしまうと、個人情報を特定されて、自分だけではなく、周囲にも嫌がらせが行われてしまうんだ。
SNSにおける個人間融資の具体的な手口はどのようなものとなっているのか、みてみましょう。
投稿で貸付をアピール
違法なヤミ金は、SNSで「お金を貸します」とアピールしているケースが多々あります。
- #個人間融資
- #お金貸します
- #即日融資
- #ブラックOK
- #個人融資
こういったハッシュタグをつけてTwitterやInstagram、掲示板サイトなどに投稿してします。
お金に困っているとついついこういった投稿が目に止まって連絡してしまうもの。
しかしお金を借りた途端に異常な高利息をつけて返済を要求され、困惑してしまう被害者が多数発生しているので注意してください。
DMを送ってくる
ツイッターなどでお金に困っているような投稿をしていると、個人間融資の業者からいきなりDMが届くケースも少なくありません。
「お困りではありませんか?」「お助けできるので、よかったらお声掛けくださいね!」など親切を装って借り入れを誘ってくるパターンです。
しかしいったん利用すると暴利を取り立てられますし、払えなかったら嫌がらせや脅迫をされるので、絶対に利用してはなりません。
SNSで個人情報を把握する
近年のヤミ金がSNSを積極的に利用しているのには、理由があります。
それは、SNSを使うと「対象者の個人情報」を簡単に取得できるからです。
ヤミ金が被害者から取り立てをするには、被害者の個人情報が必須。
たとえば住所がわかっていたら押しかけたり近所に嫌がらせをしたり、嫌がらせの郵便物を送ったりできます。
家族関係がわかっていたら「子どもに危害を加える」などと脅迫したり、親に連絡したりできるでしょう。
友人関係がわかっていたら、友人に「○○さんから迷惑をかけられている」などと告げて、返済を求める嫌がらせができます。
勤務先がわかっていたら、「会社に言うぞ」と脅したり押しかけたり電話をかけたりも。
このように、ヤミ金にとって相手の個人情報を把握することは「取り立てのための基本」です。
そうはいっても個人の情報を獲得するのは簡単ではありません。
知らない人に個人情報を聞かれても答えない方が多いでしょうし、調べるのも簡単ではないからです。
フェイスブックなどのSNSなら、実名で利用している方も多く、リアルな友人や家族とつながっている方が多いでしょう。
簡単にユーザーの情報を把握できて、脅迫材料に使えます。
近年のSNS個人間融資のヤミ金は、本人も気づかないうちにどんどん被害者の個人情報を集めています。
知らずに手を出してしまわないよう、十分に注意してください。
嫌がらせ
SNSで親切な個人を装っているヤミ金も、結局は違法な悪徳業者。
一皮むけば、従前の「ヤクザ、チンピラ風の男性」と何ら変わりはありません。
むしろそれよりも悪質な嫌がらせをしてきます。
たとえば以下のような例があります。
- フェイスブックの友人に連絡
フェイスブックに登録されている友人へメッセージを送り「○○さんがお金を返してくれないんですよ…」などと告げ、友人が親切心から代わりに支払ってしまうケースがあります。 - 家族や勤務先への嫌がらせ
SNSから判明した勤務先へ連絡をして「御社の○○さんからお金のことで迷惑をかけられている」などといわれます。
被害者の家族へ「おたくの旦那が金を返さない」などと告げる悪質業者もあります。
脅迫
SNSの隠れヤミ金は、返済が滞ったらさまざまな手口で脅迫してきます。
- 預かっている「全裸の写真」をばらまくと脅す
SNSの隠れヤミ金は、お金を貸し付けるときに担保として全裸の写真を要求するケースがあります。
返済が滞ると、預かっている写真をばらまくと言って脅し、支払いを迫ります。 - 利息を免除するために全裸の写真を要求
隠れヤミ金を利用すると、異常な高利息を要求されます。
被害者が「支払えない」と訴えると「利息を免除してあげる条件として、全裸の写真を送るように」などと言われ、泣く泣く送ってしまう方がおられます。 - 個人情報をばらまくと脅す
支払いが滞ると「ではあなたの氏名や住所、電話番号などの個人情報をSNSで公開して迷惑をかけられたことを明らかにします」などと脅されるケースもあります。 - 女性に性行為を迫り動画を撮影して脅す
女性が返済できなくなると、代償として性交渉を迫ってくる業者がいます。
その様子を動画などで撮影し、次に返済が滞ったときに「あのときの動画をばらまくぞ」と告げてさらに脅してくる悪質な事例もみられます。
SNSの隠れ闇金からお金を借りてしまったら
もしもSNSの隠れヤミ金、個人融資業者から借り入れをしてしまったら、どうすればよいのでしょうか?
返済しない
まず知識として知っておいてほしいのは「闇金から借りたお金は返済する必要はない」ことです。
ヤミ金は貸金業登録もせず暴利で貸付をしたり脅迫、名誉毀損行為などを日常的に行ったりしている悪質業者。
そんな相手には法律上、返済の義務がないと考えられています。
ヤミ金から被害者への貸付は「不法原因給付」に該当するためです。
相手から脅されても、これ以上の支払いはしないでください。
ただ、ヤミ金からの連絡を無視していると個人情報や裸の写真をネットでさらされたり友人や家族などに迷惑をかけてしまったりするリスクが心配です。
放置すると不利益を受けるので、以下のように対策をしてください。
国民生活センターに相談する
SNSで闇金被害に遭ったら、まずは国民生活センターへ相談してみましょう。
解決のための助言を受けられますし、場合によっては相手との話し合いのあっせんをしてくれることもあります。
局番なしで「188」に電話をすると、お近くの消費生活相談窓口につないでもらえます。
つながりにくい場合には03-3446-1623へかけてみてください。
警察に連絡する
ヤミ金営業は貸金業法違反の違法行為ですし、高利息の取り立ては出資法違反。
脅迫や名誉毀損は犯罪行為になります。
SNSの隠れヤミ金から違法な取り立てや嫌がらせ、脅迫を受けたときには、警察に動いてもらえる可能性があります。
ただし警察に捜査してもらうには、証拠を用意しなければなりません。
SNSでやり取りをした画面や相手から脅迫されたことがわかるDMや手紙、相手の情報がわかるアカウントの画面などを用意して、警察に持参しましょう。
また警察は積極的に動いてくれるとは限りません。
重大事件などが起きていると後回しにされる可能性もあります。
警察に効果的に対応してもらうには、弁護士の助けを借りるのがおすすめです。
弁護士に相談する
闇金被害に遭ったときには、弁護士の助けを借りましょう。
弁護士がヤミ金業者に連絡をすると、たいていのヤミ金業者はあきらめて退いていくもの。
元本のみ返せば和解できるケースも少なくありません。
悪質な相手の場合、刑事告訴などの対応も任せられますし、名誉毀損やプライバシー権侵害の嫌がらせをされたら相手アカウントの本人特定も可能です。
ただしすべての弁護士がヤミ金対策に対応しているわけではありません。
通常の債務整理は取り扱っていても、闇金には対応していない弁護士もいます。
「ヤミ金被害」「SNSの個人間融資被害」などに取り組んでいる弁護士を探して相談してみましょう。
まとめ
知らずに借りてしまうところだったよ!
コロナ禍で生活費に困ることがあっても、SNSの個人間融資に頼ってはいけません。
もしもヤミ金被害に遭ったら、早めに国民生活センターや警察、弁護士に相談しましょう。
放っておくとトラブルがどんどん大きくなってしまいます。
一人で抱え込まずに専門家の助けを借りて解決しましょう。
福谷陽子
元弁護士・ライター。
弁護士としての活動した約10年間のうち、7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては債務整理案件を多数担当し、任意整理・個人再生・自己破産のみならず、過払金請求も手がける。
その経験をもとに、現在はライターとして法律関係の記事を執筆している。
■略歴
・京都大学法学部在学中、司法試験合格
・京都大学法学部卒業後、司法研修所入所
・弁護士登録・某法律事務所にて勤務
・独立し、陽花法律事務所を設立
・弁護士活動を停止し、ライターに転身
■ご覧のみなさまへのメッセージ
借金問題を抱えていると、追い詰められた気持ちになるものです。
「どうしようもない」「借りた自分が悪い」「借りたからには返さなければ」と律儀な思いを持ち、必死で返済を続けている方もおられるでしょう。
しかしどんなに頑張っても返済できない借金があるものです。
法律は借金返済できない方や苦しくなった方に救済手段をもうけています。
債務整理をすると嘘のように借金問題を簡単に解決できるケースが本当に多いです。
借金問題に悩んでいる時間はもったいないです。
債務整理は恥ずかしいことではないので、勇気を出して専門家へ相談していただきたいと思います。
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