債務整理の森

債務整理を依頼する際の弁護士の選び方と、それぞれの弁護士の口コミや評判を検証し解説します。

自己破産をしないですむ方法

 

多重債務に追われていると、時に判断力を失います。借金返済が続くと、解放されるには「自己破産するしかない」というイメージがつきまといますが、実際にはそんなことはありません。自己破産以外の方法でも借金の負担を減らすことは可能です。

自己破産に追い込まれる男性

借金の解決方法は決して自己破産だけではない

借金に追われて首が回らなくなったら「もう自己破産するしかないのではないか」と思い詰める人もいるのですが、債務整理の方法は自己破産に限らないのです。

債務を返済するのが苦しいと思った時、基本的に最初にやるべきことは銀行や消費者金融の担当者に電話して相談することでしょう。「リスケジュール」といって、月々の返済額、返済期間を見直したり、一時的な失業などで支払いができなくなった場合にしばらく猶予してくれるなどの対応を取ってくれることもあります。これをやらずに督促を放置するのは一番やってはいけないことです。信頼関係を損ない、その後、結果的に債務整理などになった時にも対応が悪くなることがあるからです。

返済が滞るとサラ金業者の社員が家にやってきて家財道具を差し押さえていくのではないか、というような誤解がいまだにされていることもありますが、いきなりそのようなことをすることはありません。借金の取り立て方法は現在では法律によって規制されていますから、少なくとも正規の消費者金融であれば昔のように深夜、早朝を問わずに電話がかかってきたり、家に怖い人が来て居座ったりということはないのです。
弁護士や司法書士から債務整理の件で電話をしても大手の消費者金融は非常に紳士的で丁寧です。ですから、必要以上に債権者を恐れず、まずは自分で生活状況と実現可能な返済方法を相談してみるとよいでしょう。

まずはリスケジュールを検討してみる!

「返済型」手続である任意整理と個人再生

リスケジュールをしてみてもなお、借金を返済することが難しいと感じたらいよいよ専門家の出番です。場合によっては、債権者に相談している過程で「弁護士か司法書士の先生に債務整理のご相談をされた方が良いのでは?」と提案されることもあります。

自己破産以外の債務整理メニューとしては、「任意整理」と「個人再生」がありますが、それぞれの手続きの特徴を見てみましょう。

任意整理の解説

まずは任意整理ですが、これは読んで字の如く任意で借金を整理するやり方ですので、裁判所が関与することはありません。法律専門家と債権者の間で債務者の生活を考えた上で可能な返済回数を話し合って和解するという手続です。メリットとしては一部の債権者を外して手続することもできるので、連帯保証人のついている債権者や、車のローンなどを除くこともできます。デメリットとしては、利息を適正な金額に直して計算した(引き直し計算)後は、それ以上に元金を減額してもらうことは専門家でもほぼ不可能なこと、収入の証明などを出さなくても和解ができてしまうため返済計画が甘くなることがあることなどです。

個人再生の解説

個人再生については、裁判所の関与のもと、大幅に元本を減らしてもらうことのできる手続です。手続自体の流れが若干、複雑になってくるので弁護士や司法書士の関与がないと難しいかもしれません。メリットとしては上記のように元本の大幅カットが可能なので、返済が非常に楽になることや、住宅ローンを残したままでできる手続方法があることなどです。一方、デメリットとしては手続にかかる時間と費用が破産手続より多くなりがちなこと、種類によっては債権者の反対があると成立しないことなどです。

手続タイプを決定するのは債務者の意向よりも客観的な状況

このタイプの手続きをしたい!という希望がある人もいるのですが、すべての人がその希望通りにいくわけではありません。どの債務整理を選択するかというのは、客観的にその人の借金がどのくらい残っていて、収入がどれくらいあって、という状況によって決まるのです。

具体的には、最初に利息の引き直し計算をします。これは、利息制限法という法律より多い利息で取引していた債権者については制限内に直すというものです。引き直し計算の結果、債務が残る人もいますし、逆に過払い金(利息を払い過ぎていたため、元本が終わってもなお払っていた状態)が発生する人もいます。こうして出てきた「本当の借金の額」と、本人の収入を比べれば、おのずと可能な手続きは決まってきます。中には、明らかに自己破産が適しているのにどうしても財産を手放したくないから任意整理したいなどという人もいます。しかし、無理な手続選択をすると必ず後でそのしわ寄せが来るということを知っておきたいものです。

自己破産を正しく知り、経済的再生のため前向きに利用するという考え方も

自己破産については都市伝説とすら言えるようなデマも時々見うけられます。

  • 「選挙権がなくなる」
  • 「戸籍に載る」
  • 「近所に知られてしまう」
  • 「家財道具も全部持って行かれる」

いずれもすべてウソです。

自己破産について、あえてデメリットを挙げるのであれば「信用情報機関へのマイナス情報の掲載(いわゆるブラックリスト)」「官報への掲載」というあたりでしょう。しかし、ブラックリストの影響というのは融資が受けられない、カードが作れないということですので、現金生活を習慣づけるべき債務者にとってはむしろプラスと解釈することもできるのです。そして、官報については民間の新聞のように一般大衆の目に触れるものではありませんから、近所や職場の人がたまたま自分の載った官報を見ている、という状況はほとんど考えられないことといえます。

自己破産は債務者の再生に必要と思われる現金などを残してそれ以外の資産を失うものの、今まで自分を苦しめてきた負債をすべて免責してもらえる、非常に効果の高い手続です。必要以上に恐れすぎず、国が用意したやり直しのチャンスとして前向きに利用する考え方もあるのではないでしょうか。

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西岡容子

西岡容子

熊本にて夫婦で司法書士事務所を営む。10年以上の実務経験で、債務整理の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。
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