個人再生をすると教育ローンは組めないの?審査が通らないときは…
個人再生を利用すると弊害も存在します。ブラックリスト入りするのもその一つ。
債務者本人が影響を受けるのは理解できますが・・・家族についてはどうか?とりわけ受験を控えている子どもをもつ債務者からは、奨学金や教育ローンについて審査が通るのかと心配する声があります。そこでこれらについて一つ一つ検証していきたいと思います。
信用調査機関の登録が響く!
個人再生で、債務者が何がしらかの影響を受けるのはそれなりに納得できます。
最大の影響といえばクレジットやローンの融資が制限されることです。
信用調査機関に債務者情報が登録されるため、ローンやクレジットカードの申請が拒否されます。
お金の失敗でお金が借りられなくなる。
・・・という結末はある意味、仕方がないことです。
債務者自身のことであれば、デメリットも受けなくてはなりません。
ではその影響はどの程度まで広がるのでしょうか?
家族にまでその影響が広がればかなりの打撃となります。
生活のローンもできなくなる
債務者にもいろいろな年代の方がいます。
若い方もいれば高齢者もいることでしょう。
それぞれの年代により生活状況は異なります。
若い債務者なら独身の方が多いですし、高齢者なら子どもが独立をし、
その影響は高齢夫婦のみという感じがあります。
問題は中高年の債務者です。この世代は子どもにお金が掛かります。
例えば大学生の子どもがいると学費や仕送りで多くのお金を必要としています。
それでなくても今の時代、経済が右肩上がりでなくなっているため、給与の伸び率は低くなっています。
子供の教育費を借りたいが・・・できないことも債務者にはあるわけです。
また、勤めている会社がいつ倒産するかもしれない。
リストラだって起きても不思議ではありません。
子どもにお金が掛かる世代では、子どもの教育費を奨学金や教育ローンを借りて乗り切る動きが活発になっています。
奨学金や教育ローンが借りられればとても家計には助かります。
これには親の年収などの条件が必要になりますが、通常ある程度は見通しが立つものです。
しかし、これが個人再生を利用する家庭となると雲行きが怪しくなります。
個人再生の手続きに入ると融資などの借り入れに支障が出てきます。
新規のローンを組みたくても・・・最低でも10年近くはそれができなくなります。
教育や奨学金ローンについても・・・
住宅ローンやクレジットカードの申請に支障がでるのは分かりました。
では、子どものための奨学金や教育ローンについては果たしてどうなるのでしょうか?
銀行などの教育ローンについては無理といえます。
信用情報機関に債務者の情報が登録されていますので、融資は不可能といえる状況です。
公的色が強い日本政策金融公庫の教育ローンもありますが、こちらも厳しいとの見方が広がっています。
日本学生支援機構なら審査が通る可能性も!?
では奨学金についてはどうでしょう?
奨学金はそれを受ける本人が申請しても保証人が必要です。
その保証人は普通、親がなるものです。
親が個人再生を利用していたなら申請は拒否されることでしょう。
奨学金が受けられなくなるということです。
ただ、日本学生支援機構のような奨学金の場合、有料の保証会社が保証人の役割を果たせば問題はクリアされることもあります。
このようにケースバイケースで申請の可否が異なります。
教育ローンについては厳しいですが、奨学金については条件を変えることで融資が可能なこともありますので弁護士や司法書士に相談してみましょう。
坂本一夫
大手証券会社⇒大手出版社勤務、その後独立し10年ほど会社経営。その後、フリーライターとなる。
自身も自己破産の経験があり、債務整理の森においては主に法律事務所の記事を担当。
現在は韓国釜山と福岡に居を構え、それぞれを行ったり来たりしながら、専業ライターとして活動中。
■略歴
1994年 都内某有名私立大学法学部卒業
同年 日経BPマーケティング社に就職
法人営業部営業マンとして日経BP社年間購読雑誌の法人販売を担当
2010年 任意整理手続するも失敗
2014年 自己破産手続
2015年 同社退職
同年 フリーランスのライターとなる
■得意分野
債務整理・金融・株式投資・不動産投資
■ご覧のみなさまへのメッセージ
債務整理の森のライターとしての目線で常に意識しているのは、債務整理を行なう人の目線です。
略歴にもありますが、私は過去に任意整理手続と自己破産手続を経験しています。
しかもそれは、任意整理手続に失敗した上で自己破産手続するという、珍しいケースです。
ですので、「あの時こうしておけば良かった」とか「ああするべきではなかった」など後悔は尽きませんが、今となっては少しでも同じような境遇の人の参考になればという思いで書いています。
特に債務整理を手掛ける弁護士や司法書士は、債務整理をビジネスにしている訳ですから、ある意味では債務整理者と利益が相反する場合もあり得ます。
そういったことも踏まえ、忖度することなく記事としてありのままに書き上げることは、私にしかできない仕事と自負しております。
私の記事が、借金問題でお悩みの方のお役に立てば幸いです。
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