自己破産の予納金や着手金が払えない場合

 

クマ

自己破産をするのってどの位のお金がかかるの?

費用の支払いが心配なんだ。

ミミズク

自己破産をする場合には、裁判所に支払う予納金と、弁護士に支払う費用が必要になるんだよ。

クマ

お金がなくても自己破産ってできるの?

ミミズク

費用を支払う事ができないと、自己破産をする事ができない場合がほとんどだね。

今回の記事では、自己破産にかかる費用と、費用がない場合の対策について、詳しくみていこう。

まずは自己破産をする時にはどんな費用がかかる事になるのか、詳しく説明するね。

「お金がないから自己破産したいのに、手続の費用が支払えない!」というジレンマは、多くの債務者や法律家を悩ませてきました。

実務の世界では、この問題を解決するために色々な方法が取られています。

では、実際費用が払えないという状況に陥った時にどんな手段があるのでしょうか?

自己破産にかかるお金の実態と、その準備について考えてみましょう。

自己破産手続きにはいくらかかる?


自己破産とは

債務整理の費用にはどんなものがある?

まず、債務整理全般にかかる費用の項目を確認してみましょう。

相談料法律家に相談し、法的アドバイスを受ける際の報酬。
その後の依頼をする、しないにかかわらずかかってくる。
債務整理に関しては弁護士、司法書士ともに無料であることも多い。
着手金事件を依頼する際、最初に支払う費用。
その後の展開がどうなるかを問わず、戻ってこない性質のものと考えるべき。
減額報酬法律家に相談したことによって、債務者本人が考えていた金額よりも債務が減った場合に支払う報酬。
ただ、ここで言う「減額」は、高金利の業者を適切な金利に計算し直した(引き直し計算)ことで自然に減額しただけであり、法律家自身の手腕・交渉により減ったものとはいえない。
よって、減額報酬を請求すること自体に問題があるとする見方にも根拠がある。
成功報酬金融業者との和解交渉などが成立したことによって支払う報酬。
弁護士についてはこの呼び方が一般的だが、司法書士の場合は単に「報酬」という呼び方をすることも多い。
過払金返還報酬高金利の貸金業者に対し、適正な利息(利息制限法)で過去の取引を計算すると利息の払い過ぎになっていることがあるため、これを取り戻したことに対する報酬。
業者に交渉しても希望金額を返還してもらえず裁判を起こした場合、報酬が上乗せされることがある
予納金裁判所に対し、各種の手続をするにあたって支払う費用。
手続の種類によってまったく金額は異なる。

各種の費用項目の中で、裁判所に支払う費用が「予納金」です。

その他の項目は「弁護士(司法書士)への手続報酬」ということになります。

これらの決定的な違いは、

  • 「予納金の金額は裁判所によって決められており、その支払方法もそれほど簡単に変えられるものではない
  • 「弁護士(司法書士)費用は、相談次第で分割払いに応じる事務所が大半であり、費用そのものも複数の事務所を検討することである程度まで抑えることができる

ということです。

自己破産の費用はどのくらい?

では、さらに詳しいところで「自己破産にはどのくらいの費用がかかるのか?」ということを考えてみましょう。

【自己破産の費用例】

弁護士司法書士
相談料無料~1時間1万円無料~1時間6,000円
着手金(報酬)30~40万円20~30万円
予納金(破産管財人選任)20万円~(少額管財事件になった場合)
裁判所関連の諸費用計30,000円くらい(収入印紙、官報公告費用、郵便代)
総額の例※同時廃止の場合
440,000円+消費税
※少額管財の場合
640,000円+消費税
※同時廃止の場合
336,000円+消費税
※少額管財の場合
536,000円+消費税

あくまで参考例ですが、初めて債務整理する人は「数万なのか数十万なのか、それすら皆目見当がつかない」ということもあるかも知れませんので、上記を目安にしてください。

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予納金はどのくらい?

予納金と言っても、自己破産がどのようなタイプになるかで手続き費用はまったく違ってきます。

自己破産には「同時廃止」と「管財事件」がありますが、これらの最大の違いは「破産管財人に支払う、いわゆる『引継予納金』が発生するか否か」ということです。

免責不許可事由があるような管財事件の場合はどうしても破産管財人費用がかかるため大幅に予納金としての管財費用が上がってしまうのです。

自己破産のタイプ

もう一つの注意点としては、裁判所費用は各地方によって異なるということです。

申立てをする債務者の住所地や居所を基準に管轄が判断されるため、自由に選べるというわけではありません。

同時廃止事件の予納金

東京地裁の例でいえば予納金は約15,000円となっています。

ただ、東京地裁の独自ルールである「即日面接」を使った場合は約10,000円になります(即日面接については下記に説明します)。

また、債権者の数によっても若干変動します(郵便切手の枚数に影響するため)。

管財事件の予納金


同じく東京地裁の例で、約22万円となっています。

個人の債務者の場合、そこまで債務額や配当財産全体の規模が大きくないため、「少額管財」という運用方法が取られているのでこの金額ですが、法人破産や個人でも債権者数や債務額が膨大なケースでは「通常管財」として最低50万円の予納金になることもあります。

管財事件の場合も債権者の数によって金額が若干変動します。

費用の目安

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予納金はいつ支払うの?


原則的な予納金の支払時期はこのようになります。

破産の申立書を裁判所に提出すると、裁判所側でひととおりの書類チェックを行います(場合によっては書類の補正などがある)。

その上で「破産手続きを開始するべき状態であること」、「手続きの種類は同時廃止か管財事件か?」を判断し、予納金納付を促す連絡が来ます。

大体申立てから予納金納付の連絡まで2週間~1カ月程度になることが多いでしょう。(書類の内容に補正が入った場合はもう少しかかることもある)

ただし、手続きのスピードアップのために東京など大都市では「即日面接」という制度が取られていることがあり、その場合は申立時に支払うためタイミングが早くなります

即日面接は、もっぱら大都市にある裁判所の運用方法として例外的に定められているものです。

より多くの案件を効率的に処理するため、「弁護士が申立代理人になっている」など一定に要件を満たした場合に限り、早ければ申立ての当日に破産手続開始決定が出されるというものです。

自己破産の費用が払えない場合には


クマ

予納金が20万円もかかる場合があるんでしょ?

とてもじゃないけれど、支払いができないよ・・・

それにプラスして弁護士報酬の支払いでしょ?

自己破産なんて到底無理だよ・・

ミミズク

最低限予納金だけは用意しなければいけないから注意が必要だよ。

弁護士事務所に支払う費用は節約することが可能なんだ。

弁護士費用の節約方法を詳しくみてみよう。

それではこれらの費用が支払えない場合にどうなるのか、そして具体的な対処方法として考えられることは何なのかを確認してみましょう。

予納金を支払わないとどうなるの?

予納金の支払いについては、具体的に「〇月〇日までに」と期限を区切られるわけではありません。

しかし、これを支払わなければ手続きを進行してもらえませんから、免責許可がおりません

裁判所から支払いについての案内を受けても、支払いができずに放置してしまえば一定期間後に裁判所から「手続きを取り下げて下さい」という連絡が来てしまうことになるでしょう。

もし、予想外に管財事件になってしまったなど、予納金の支払いがすぐできない事情がある場合、各地方裁判所によっても対応が違いますのでいったん裁判所の担当者に相談してみるべきです。

弁護士(司法書士)がついている場合は、最初から納付困難な場合のアドバイスがあるでしょうからそちらの指示に従えばよいことになります。

予納金支払い

予納金を用意することが出来ない場合の対処法

では、裁判所から予納金納付の指示が出たが支払うことができない場合、どのような対処方法があるのでしょうか?

分割払いできるか?

予納金を分割払いすることはできません。

裁判所によっては「予納金が準備できるまで半年程度は保留状態で待ちます」という運用をしているところもありますが、これはあくまで手続きを凍結した状態で債務者の手元でお金をためることです。

よって、裁判所に対して分割で支払っていくわけではなく、全額たまった時点で納付することになります。

債務者自身がお金を持っていると使ってしまうこともあるので受任した弁護士(司法書士)が納付まで毎月預かるという形にすることも多いでしょう。

また、以前はこの運用をしていた地方裁判所でも、現在はもう行っていないこともあります。

そのような場合、自己破産の申立て自体をいったん取り下げざるを得ないことになります(つまり、弁護士が受任したがまだ申立てをしていなかった状態まで巻き戻される)。

現在、自分の申立先裁判所がどのような扱いをしているのかは担当の弁護士(司法書士)に確認してみる必要があります。

弁護士費用が支払えない場合には

弁護士(司法書士)費用が支払えない場合の方が、裁判所への予納金が支払えない場合より融通が効くことが多くなります。

債務整理事件を多く手掛けている事務所は債務者が一度に多額の費用を準備できないことは十分理解しています。

よって、費用については支払い可能な範囲での分割払いに応じてくれところが多くなっています。

ただし、分割であっても支払いが終了しなければ申立て自体をしてくれない事務所も多いので、弁護士(司法書士)と話し合って決めた月額の支払いは滞らずにしていくことが大切です。

あまりにも支払いが遅れる=申立て時期が遅くなると債権者から訴訟などを提起される、あるいは弁護士(司法書士)に事件自体を辞任される事態にもなりかねないので注意しましょう。

弁護士費用支払い

着手金について

着手金は、債務整理の場合「無料」としている事務所が多くなっています。

着手金とは主に弁護士が費用項目に挙げることが多いものですが、事件処理を始めるにあたって初期費用や報酬としてもらっておくものです。

途中で事件が中断されたとしても返却されることはありません。

しかし、もう債権者への支払いができない状態で相談に来ている債務者には着手金を支払える余裕がない場合の方がはるかに多いのです。

よって、債務整理を手掛ける事務所では最初の相談料や着手金は無料にして、後の手続き報酬にそれを反映していくという形にしているのが一般的です。

また、「過払い金がある場合のみ着手金無料」など、変則的パターンの報酬体系を取る事務所もあるようです。

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自分自身で破産手続きを行う


自己破産の手続きを債務者自身が行うことも禁じられているわけではありません。

もし、時間に十分な余裕があり、事務手続きに慣れている債務者であれば自分で行う人も中にはいます。

自分で行う場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。

【メリット】

  • 費用の節約になる。

【デメリット】

  • 膨大な添付書類の取得先、取得方法などをすべて自分で調べなければならない
  • 裁判所の窓口は弁護士(司法書士)ほど親切には教えてくれず、あまりにも何度も色々なことを聞きに行くと結局「弁護士に頼んでください」と言われる可能性がある。
  • 自分ではわからないことが多いので手続きが遅れがちになり、債権者から訴訟などを起こされる危険がある。
  • 即日面接など、弁護士がいるケース特有の優遇を受けられない。

これらを比較、検討した上で依頼するか否かを事前によく考えることが大切です。

自分で出来る?

途中で挫折して結局弁護士(司法書士)に依頼する人も結構いるのですが、そうなると時間や費用の無駄が出てしまいますから、最初の段階で安易に自分でできると決めつけてはならないのです。

法テラスを利用する

費用の支払いが難しい人が利用する方法のひとつとして「法テラス」があります。

法テラスは正式名称を「日本司法支援センター」といいますが、国が設立した国民の法的問題を解決するための団体です。

債務の問題以外にも離婚や犯罪被害者支援など、法にまつわる様々な活動を行っています。

この法テラスが行っているのが「法律にまつわる手続費用の貸与」であり、これは「法律扶助」と呼ばれる制度です。

法律扶助を受けるには一定の収入要件などをクリアしなければなりません。

費用立替制度を利用した場合、手続終了後は毎月決まった金額の返済をしていかなくてはならないのですが、生活保護を受けているなど困窮状態にあると認められる人は返済を免除してもらえることもあります。

法律扶助についての詳細はこちら

以前は弁護士(司法書士)報酬しか貸与を受けられませんでしたが、現在では管財事件の予納金にも貸与が拡大されています。

なお、法律扶助を使った自己破産手続きについては、受託している弁護士(司法書士)事務所としていない事務所があります(法テラスに所定の登録をしていないなど)。

最初から法律扶助を希望する場合は各事務所への問い合わせの際に伝えておいた方がよいでしょう。

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自己破産の予納金や着手金が払えない場合、まとめ

まとめ

クマ

自己破産を進めるにはお金が必要になるんだね。

どうしてもお金を用意できない場合には、法テラスや自分自身での自己破産を検討する必要があるんだね。

ミミズク

自分自身で自己破産を進める場合には、デメリットが大きいから、費用が心配な場合には、まずは法律事務所などの無料法律相談に行ってみよう。

自己破産は、お金がない人を対象に行うわけだから、無料相談では様々な対策を考えてくれるんだよ。

お金がないから自己破産できないと、自己判断してしまうのではなく、専門家の意見を聞くことで、自己破産をする事ができる場合もあるということを忘れないようにしよう。

  • 自己破産にかかる費用には大きく分けると裁判所に支払う「予納金」と、弁護士(司法書士)に支払う「手続報酬」がある。
  • 自己破産の予納金は同時廃止では1万円~2万円くらい、管財事件では20万円を少し超えるくらいになることが多い。
  • 自己破産の手続報酬は各事務所によって異なる。
  • 裁判所への予納金は支払わなければ手続きが進行しないが、裁判所によっては手続きを凍結した状態で半年程度待ってもらえることもある。
  • 弁護士費用が支払えない場合は分割払いに応じてもらえることが多い。
    また、着手金を無料としている事務所もある。
  • 自分で自己破産の手続きを行うと費用の節約にはなるが書類準備の困難さなどのデメリットも多い
  • どうしても手続費用が工面できない場合、法テラスの法律扶助制度を利用して貸与を受けるという方法もある。
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西岡容子

西岡容子

熊本にて夫婦で司法書士事務所を営む。10年以上の実務経験で、債務整理の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。

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