パチンコ依存症(ギャンブル依存症)での借金まみれ地獄の脱出・返済方法。セルフ診断あり
- パチンコにはまってしまい、借金してでもやり続けてしまう
- パチスロのせいで、気づけば500万円以上借金ができていた
- 家族がパチンコ通いを辞めないので心配。借金もしていると思う
- パチンコ依存の借金から抜け出すにはどうしたら良いのか?
パチンコ依存症とは
パチンコ依存とは、病的にパチンコにのめり込んでいる状態です。普通ならお金がなくなったらパチンコをあきらめますし、「借金してでもパチンコをやりたい」とは思いません。仕事を休んででもパチンコに通いたいとか、離婚の危機を発生させてまでパチンコをやろうとは考えないものです。
しかしいったんパチンコ依存症になってしまったら冷静に考えることができなくなり、パチンコに「人生のすべて」をつぎ込んでしまいます。四六時中パチンコのことを考えるようになり、仕事も家族もないがしろにして大切なものを失ってしまわれる方も多数おられます。
パチンコ依存症の原因
パチンコ依存症の原因には、以下のようなことがあります。
ストレス、現実逃避
パチンコにはまる人は、生活や家族関係などにストレスを抱えているケースが多数です。家にいてもおもしろくない、会社でも成績が思わしくない、パワハラ的な上司がいるなど、何かしらの問題を抱えているのでパチンコに現実逃避するのです。
パチンコをしている間は辛い現実を忘れられるので、ついつい時間ができたらパチンコに通うようになってはまってしまいます。
損失回避の心理
人間には「損失回避の心理」という心理的な傾向があります。これは「自分が損をしたことを認めたくない」考えです。
パチンコの場合、勝つまでにたくさんのお金をつぎ込みますし、労力や時間もかけることになります。ところが損失回避の心理が働くので、負けが込んできても「今までつぎ込んだお金や時間を考えると、ここでやめられない、勝つまでやる。今やめるのが一番損」などと思ってしまいます。
本当はそう思ったときにやめたら良いのにやめられず、借金してでも続けてしまいます。
また、負けているときに少しでも取り戻せると、高い達成感があります。たとえば15万円負けて非常にストレスのかかっている状態で、いきなり8万円勝てば、まるで全額取り戻せた上さらに儲かったくらいの満足感を得られるのです。
このようにして、実際には手持ちの現金はどんどん減るのに、損をしていることを意識できずにパチンコを続けてしまうのです。
勝ったときの喜びを忘れられない
パチンコも、常に負けるわけではありません。ずっと続けていれば勝つこともあります。
パチンコで勝ったとき、人の脳内ではドーパミンやノルアドレナリンなどの喜びを感じさせる物質が多数分泌され、興奮状態となります。このとき、人間は高い陶酔感に襲われます。
その後は「もう一度あの感覚を味わいたい」と無意識に勝ちを追い求めるようになり、パチンコにはまってしまうのです。特に日常生活で他に楽しみのない方やストレスを抱えている方は、パチンコの陶酔感にはまってしまいやすいです。
「パチンコ依存症」などと聞くと、自分とは関係ないと思われる方も多数おられますが、実は非常に身近な問題です。あなたやご家族がいつ依存症になってしまってもおかしくありません。
あなたもパチンコ依存症?セルフチェックシート
パチンコ依存症かどうかの参考になるチェックシートがあるから、セルフチェックして確かめてみよう。4つ以上当てはまったら要注意だよ。
以下では、パチンコ依存症のセルフチェックシートを示します。1つでもあてはまるものがあったら要注意ですし、4つ以上あてはまれば依存症になっている可能性があります。
- 何をしていてもパチンコが頭から離れられない
- 大きくもうからないと満足できない
- パチンコのない生活は考えられない
- パチンコができないと、イライラする
- 嫌なことがあったとき、むしゃくしゃするときにはパチンコで解消する
- パチンコで損をしたらパチンコで取り返したい
- パチンコをしているのに、家族や周囲には「していない」と言って誤魔化している
- パチンコのために人との約束を破ったり、既に決まっている予定を変更したりするのが平気
- パチンコのために借金をしている
- パチンコ代を工面するためなら違法な行為にでも手を出してしまう
- パチンコでお金をなくしたので、家の生活費を使い込んでしまった
パチンコ依存症の恐怖
パチンコ依存症になったら、いろいろと困難な問題が発生します。以下でパチンコ依存症の恐怖の結末をご紹介します。
仕事がなくなる
パチンコにはまると、パチンコのことしか考えられなくなります。仕事中もパチンコが頭から離れず、「パチンコをやりたい」という一心で仕事が手につかなくなります。当然仕事に支障が発生しますし、ついには仕事を辞めてしまう方もおられます。自分から退職しなくても、大きな失敗をして辞めざるを得なくなる人もいますし、中にはパチンコ代のために会社のお金を横領して解雇されるケースもあります。
財産を失う
パチンコにはまると大金がかかります。当然、使えるお金はすべてつぎ込んでしまいます。預貯金がなくなったら生命保険や子どもの学資保険を解約し、生活費や住宅ローンに充てるお金すらもつぎ込んで住宅ローンを払えなくなり、家を競売にかけられてしまうケースもあります。
気づいたときには完全な無一文です。
家族を失う
パチンコにはまると、家族も失ってしまうパターンが多数です。当初は妻に秘密でパチンコをしていても、会社で問題を起こしたり生活費をつぎこんだりしたらいずれバレます。パチンコのために預貯金や生命保険を解約したことや多額の借金ができていることを知られたら、愛想を尽かされる可能性も高いでしょう。ましてやそれでもパチンコをやめられないとなると、子どもを連れて家から出て行かれてしまいます。
パチンコにはまったせいで天涯孤独になってしまう方も多いのです。
借金
パチンコのために借金をしてしまう方は非常にたくさんいます。消費者金融やカードローンなどで限度額いっぱいまで借りて、気づけば300万円や500万円という多額の借金ができてしまっている方もおられます。
一般の借金だけでは済まずに闇金にまで手を出してしまう方も多いのです。闇金から借りると暴利をとられますし、返済できなかったら昼夜を問わず嫌がらせや脅迫電話がかかってきて、まともな生活が困難となります。
刑事事件
パチンコにはまったせいで、刑事事件を起こしてしまう方もおられます。たとえば会社でお金を横領したり、生活費が足りないので万引きしたり、オレオレ詐欺の片棒を担ぐなどの「闇のバイト」をしたりして、お金を工面しようとします。バレたら警察に逮捕されて裁判となり、前科者となってしまいます。
実は全国各地にギャンブル依存症の人を救うための自助グループがあるんだよ。治療法と合わせて紹介するね。
パチンコ依存症を克服するための治療法
自分や家族がパチンコ依存症になってしまったら、どうやって克服すれば良いのでしょうか?
自助グループに入る
パチンコ依存症に関しては、全国各地で「自助グループ」があります。依存症の方達が集まってミーティングを開いたりセミナーを行ったりして、自分達で克服を目指しています。
自分一人ではやめられなくても同じ悩みを持つ方とつらさを共有することで、前に進んでいきやすいです。
医療機関にかかる
次に病院に行って治療の相談をしましょう。精神科や心療内科では、パチンコなどのギャンブル依存の治療に取り組んでいるところがあります。
病院での治療方法は、主に精神療法や心理療法です。薬物投与によって劇的にギャンブル依存が治ることはありません。
自助グループと併用しながら通院を継続するケースも多数です。
施設に入所する
在宅の通院ではどうしてもパチンコをやめられない場合には、施設への入所も検討します。施設に入れば物理的にパチンコに通うことが不可能になるので、強制的にパチンコから離れた生活になります。そうした生活にしばらく慣れて、パチンコへの依存状態が軽くなったところで対所して日常生活に戻ってきます。
パチンコ依存症患者の受け入れ施設には、病院と民間施設があります。病院に入院するときには医師による診断が必要なので、通院先の医師とよく相談しましょう。医師が「治療のために必要」と判断した場合の入院には健康保険が適用されます。
一方、自主的に民間施設に入所する場合には健康保険が適用されないので費用が高額になるケースがあります。どちらにしても、入所前にどのくらいの費用がかかるのか、どのようなプログラムが組まれているのかなど、しっかり確認しておくことが大切です。
家族の協力が必要
パチンコ依存症の方にご家族がいる場合、本人の更生のためにご家族による協力が何より重要です。
本人も、家族を失いたくないから依存症克服のためにがんばれるケースが多いですし、本人だけでは適切な治療方法がわからない場合は家族が手助けしてあげることもできます。たとえば本人が病院に行くのを渋るときには、家族が連れて行ってあげるとスムーズです。
大切なご家族がパチンコ依存症になっている様子があれば、家族が病院や自助グループなどを見つけて声をかけてあげましょう。
パチンコ依存の借金問題は債務整理で解決する
パチンコ依存症自身の克服も大切ですが、同じように重要なのが借金問題の解決方法です。
パチンコにはまると、多額の借金ができてしまうケースも多いからです。
借金は「債務整理」によって解決できるので、放置せずに早めに取りかかりましょう。
まずは自分の借金額を把握して、返済が難しそうだと思ったら、手遅れになる前にすぐに弁護士事務所へ相談してみた方がいいよ。
任意整理
債務整理の1つに「任意整理」があります。これは、借金の利息を全額カットしてもらい、5年程度の間に返済していく方法です。高額な消費者金融の利息の支払いが不要になるので支払いはとても楽になります。
200~300万円程度までの借金なら任意整理で解決できる方が多数です。
個人再生
個人再生は、借金を元本ごと大きく減額できる方法です。裁判所に申立をして「認可」してもらう必要があり、任意整理よりは手間がかかります。
ただ、500万円の借金も100万円程度にまで減らしてもらえるなど、減額幅が大きいメリットがあります。
住宅ローンのある方の場合、家は残したままその他の消費者金融などだけを減額対象にできるので、さらに利用価値が高くなります。サラリーマンなどの安定収入のある方に特にお勧めですが、自営業の方などでも利用可能です。
自己破産
自己破産をすると、借金をすべて0にしてもらえます。ただし自己破産には「免責不許可事由」があります。これは、該当すると借金を免除してもらえない事情です。パチンコなどのギャンブルは免責不許可事由に該当するので、自己破産の際に厳しく審理されます。
ただパチンコの借金でも、最終的には裁判官の「裁量」によって免責が認められるケースが多数です。
パチンコ依存だからといって、自己破産できないわけではありません。
あきらめずに弁護士や司法書士に相談してみてください。
まとめ
パチンコ依存症かも?と疑われるなら、早期対処が重要です。借金地獄にはまって家族も仕事も失って人生を台無しにする前に、早めの脱却を目指しましょう。
自力で克服できないなら病院などの専門機関を頼り、すでに借金ができている状況であれば早めに債務整理を行いましょう。
福谷陽子
元弁護士・ライター。
弁護士としての活動した約10年間のうち、7年間は独立開業して事務所の運営を行う。
実務においては債務整理案件を多数担当し、任意整理・個人再生・自己破産のみならず、過払金請求も手がける。
その経験をもとに、現在はライターとして法律関係の記事を執筆している。
■略歴
・京都大学法学部在学中、司法試験合格
・京都大学法学部卒業後、司法研修所入所
・弁護士登録・某法律事務所にて勤務
・独立し、陽花法律事務所を設立
・弁護士活動を停止し、ライターに転身
■ご覧のみなさまへのメッセージ
借金問題を抱えていると、追い詰められた気持ちになるものです。
「どうしようもない」「借りた自分が悪い」「借りたからには返さなければ」と律儀な思いを持ち、必死で返済を続けている方もおられるでしょう。
しかしどんなに頑張っても返済できない借金があるものです。
法律は借金返済できない方や苦しくなった方に救済手段をもうけています。
債務整理をすると嘘のように借金問題を簡単に解決できるケースが本当に多いです。
借金問題に悩んでいる時間はもったいないです。
債務整理は恥ずかしいことではないので、勇気を出して専門家へ相談していただきたいと思います。
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