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生活保護受給者でも債務整理をする事はできる?法テラスへの相談も含め解説

 

生活保護受給者でも債務整理をする事はできるのか?について考える前に、まずは生活保護を受けるための条件について確認してみる必要があります。

生活保護受給の4つの条件

生活保護を受けるには最低限、以下の要件が満たされていることが条件となりますが、現実的な細かい判断は地域の社会福祉事務所の担当ケースワーカーや民生委員が決めることになります。

従って、地域により生活保護費が若干異なるように、細かい運用は地域で異なっているのが現実です。只、国家予算に占める生活保護費の割合が年々増加していることから、近年、生活保護費を抑制気味に運用する傾向が強まっており、受給者側から見ると生活保護費を受給する条件は厳しくなりつつあります。

その様な中で基本的な生活保護受給の4つの条件は以下の通り。

親戚に援助者がいない

まず、1つ目の条件は3親等以内に援助してくれる身内や親類がいないことです。3親等以内とは親(1親等)・兄弟(2親等)・祖父母(2親等)・叔父叔母(3親等)・甥姪(3親等)までを意味します。通常、甥姪(3親等)に経済的な援助を受けることはありませんから、実質的には親・兄弟・祖父母・叔父叔母までの身内に援助できる人がいるのかということになります。そのため、生活保護の申請をするとこれらの親類に対して扶養照会が行われ、申請者を援助できるか否かが確認されます。

資産がない

2つ目の条件は資産を持っていないことです。
当然のことながら、土地や家や株式や自動車がある場合はそれらを現金化して生活費に充当するのが筋ですから、それらを所持している人は生活保護を受給できません。只、地域により仕事のための車の保有が認められる場合もありますし、判断が分かれるパソコンですが担当ケースワーカーや民生委員によっては認められる場合も散見されます。

働くことができない

3つ目の条件は病気や怪我・高齢などの理由で働きたくとも働けないことです。
只、母子家庭などで母親が働いている場合でも、生活費が国の定める最低生活費を下回っている場合は生活保護受給が認められています。

月収が最低生活費を下回る

4つ目の条件は上記①~③を満たしている上に月収が国の定める最低生活費を下回っている場合です。

借金があっても生活保護を受けられるのか?

生活保護法には資産がある場合は生活保護を受けられないと明記されていますが、借金については何も触れていません。

しかし、生活保護費は最低限の生活を保障するための生活費に充当するためのお金と規定されていますから、借金返済には使えないという解釈も成り立ちます。

従って、この問題も地域や担当ケースワーカー・民生委員により判断が分かれるところですが、現実的には多少の借金には目を瞑るしかないようです。

そもそも、経済的に困窮している人達が申請するのが生活保護ですから、借金が全くゼロの人だけを対象にするのもおかしな話です。生活費に本当に困っている人に少なからず借金があることは、無理の無いことかもしれないからです。

但し、地域や担当ケースワーカー・民生委員によっては借金を整理してから受給するよう指導したり、借入がある状態だと申請を拒否する場合があります。

従って、現実的には多少の借金には目を瞑ってくれますが、生活保護費の大半が借金返済に充てられる場合や生活保護を受給してからの借入は厳禁と考えられます。

生活保護受給者が債務整理できるのか?

現実の生活保護受給者の中に借金の返済を続けている人がいない訳ではありませんから、その様な人の中で債務整理をしたいと考える人も必ずいる筈です。

債務整理は可能だが・・・

従って、生活保護受給者が決して債務整理できないとうことはありません。しかしながら、債務整理することにより生活保護の受給資格を問われるようなことになると、本末転倒で何のための債務整理か解りません。そこで、現実的な生活保護受給者の債務整理方法としては次の2つが考えられます。

任意整理

1つ目は任意整理です。
もともと、任意整理は債務者と金融業者側との民民の和解交渉ですから、債務整理したことは他人には解りません。従って、担当ケースワーカーや民生委員に報告する必要も無い訳ですが、任意整理することで毎月の返済額が増える場合は問題になる場合が考えられます。何故なら、本来、借金の返済を続けながら生活保護を受給すること自体に問題が無い訳では無い中で、任意整理により生活保護費からの返済額が増えるのは得策ではありません。場合によっては生活保護を打ち切られることも考えられます。

自己破産

そこで、次善の策と考えられるのが自己破産です。
自己破産は債務整理手続の中で唯一、債務額全額の免責が認められる手続で、自己破産宣告と免責が認められると全ての借金がゼロになります。従って、それまで支払っていた毎月返済額がゼロになる訳ですから、生活保護受給者の債務整理には適していると言えます。

また、弁護士費用などは日本司法支援センター(法テラス)に相談すると、弁護士費用だけでなく裁判所に支払う予納金も立て替えてくれます。

しかも、条件が整えば生活保護受給者の場合は立替金の返還が免除される場合もありますので、
生活保護受給者にとり最も都合の良い債務整理方法と言えます。

 

最後にポイントをまとめるとすれば・・・

生活保護受給者が債務整理する場合、任意整理も可能と記しましたが、弁護士事務所の中には生活保護受給者の任意整理を受け付けない事務所も少なくありません。

また、仮に弁護士事務所が受け付けてくれた場合でも、任意整理は弁護士費用を負担しなければなりません。その上、任意整理により毎月の返済額が増えた場合は生活保護を打ち切られる恐れも出てきます。従って、生活保護受給者が債務整理する場合は自己破産が条件的にも費用面でも最も適していると言えます。

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坂本一夫

大手証券会社⇒大手出版社勤務、その後独立し10年ほど会社経営。その後、フリーライターとなる。
自身も自己破産の経験があり、債務整理の森においては主に法律事務所の記事を担当。
現在は韓国釜山と福岡に居を構え、それぞれを行ったり来たりしながら、専業ライターとして活動中。

■略歴
1994年 都内某有名私立大学法学部卒業
 同年 日経BPマーケティング社に就職
    法人営業部営業マンとして日経BP社年間購読雑誌の法人販売を担当
2010年 任意整理手続するも失敗
2014年 自己破産手続
2015年 同社退職 
 同年 フリーランスのライターとなる

■得意分野
債務整理・金融・株式投資・不動産投資

■ご覧のみなさまへのメッセージ
債務整理の森のライターとしての目線で常に意識しているのは、債務整理を行なう人の目線です。
略歴にもありますが、私は過去に任意整理手続と自己破産手続を経験しています。
しかもそれは、任意整理手続に失敗した上で自己破産手続するという、珍しいケースです。
ですので、「あの時こうしておけば良かった」とか「ああするべきではなかった」など後悔は尽きませんが、今となっては少しでも同じような境遇の人の参考になればという思いで書いています。
特に債務整理を手掛ける弁護士や司法書士は、債務整理をビジネスにしている訳ですから、ある意味では債務整理者と利益が相反する場合もあり得ます。
そういったことも踏まえ、忖度することなく記事としてありのままに書き上げることは、私にしかできない仕事と自負しております。
私の記事が、借金問題でお悩みの方のお役に立てば幸いです。

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