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過払い金請求とブラックリストの関係

      2017/02/19

過払い金請求とブラックリストの関係についてです。結論を先に書くと、「過払い金請求=ブラックリスト入り」ということではありません。

まずは、ブラックリストとはなにか?から知る必要があります。

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そもそも、ブラックリストって何?

借金問題については「ブラックリスト」という言葉が独り歩きしている傾向がありますが、これを正しく理解していますか?

ブラックリストとはあくまで俗語であり、そのような名前のリストが存在するわけではありません。

日本にはCIC、JICC(日本信用情報機構)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)という3つの
「個人信用情報機関」と呼ばれる、個人の貸金情報を管理する会社があります。これらの保有情報の中で、滞納や債務整理など、「事故扱い」と言われる部分を指してブラックと呼んでいるだけなのです。

信用情報機関というのは、銀行、消費者金融、信販会社などがそれぞれ加盟することによって成り立っています。加盟している業者は自分の会社と取引のある債務者に関する貸付金額、返済や滞納の情報を信用情報機関に登録し、加盟業者の間でこれを共有できるようになっています。
加盟している会社に融資の申込があると、与信審査をする時に他の会社の情報も含めて見られるようになっていますので、事故情報がある債務者が5年~10年カードを作れなかったり、ローンを組めなくなる可能性があるというのはこれを見られていることが理由なのです。

過払い金請求=ブラックリストではない

いったいどのような状態になると「事故情報」といえるのでしょうか?

誰から見ても確実に事故扱いとわかりやすいのは弁護士、司法書士に相談、依頼して任意整理、自己破産、個人再生などの債務整理をすることでしょう。そして、債務整理まで至らない滞納についても致命的なラインがあり、3カ月以上返済が滞ると「異動」という区分に登録され、金融事故扱いになるとされています。

では、過払い金返還請求についてはどのように扱われているかを見てみましょう。

以前であれば信用情報機関への登録区分に「契約見直し」という項目があり、過払い金請求をした場合はこの区分に振り分けられていました。しかし、2010年に「契約見直し」の区分が廃止されたことによって、過払い金請求することでブラックリストに載る、ということは原則的になくなり、さらには既に載っている分も削除されることになりました。これは、金融庁が「過払金返還請求をしたかどうかは信用情報とはいえず、信用情報機関に掲載されるべきではない」という見解を示したからです。

しかし、注意しなければならないのは、完済した後に過払い金を請求する事例ではなく、最初に残債務がある状態でいわゆる「引き直し計算(高金利で貸し付けている貸金業者につき、過去の取引を利息制限法の範囲内の利息だったと仮定して計算すること)」をした時の扱いです。計算した後の金額もなおかつ残債務が残ればその後は任意整理などをすることになりますからどうしてもブラックにならざるを得ないということになります。

債務者にとっては正当な請求、でも貸金業者にとっては不都合な客

では、たとえば完済後の人が過払い金請求をしたとして、ブラックではないはずだからその後も借り入れに制限はかからないのか?といったら必ずしもそうではありません。
債務者にとっては「合法的な請求をしているだけ」という感覚ですが、貸金業者にとっては「自分の会社に不利益になることをした都合の悪い客」であることは間違いないわけです。ですから、少なくとも過払い金請求をした直接の相手方である会社からはクレジットカード作成やローンを拒否されることは覚悟しておかなくてはならないでしょう。そして、その会社と相互に関連のある会社(債権者とその裏についている保証会社の関係にあるなど)についても「出入り禁止」の客として融資を拒否される可能性があるということを理解しましょう。つまりブラックではなくても他の与信項目で落ちるのと同じように、借りられないケースがあるということなのです。

滞納が長期化した時点で既にブラックになっているため、早めに手続に踏み切る方が良い

ブラックになることを恐れて債務整理や過払い金請求に踏み切れないという人もいるのですが、もし支払いが既に滞っている、または近々滞りそうな状態にある人は手続きを躊躇していたとしても問題の先延ばしにしかなりません。上記のように、3カ月程度以上滞納していれば「異動」という登録をされてブラックになってしまいますから、結局借りられなくなることは同じなのです。

借りることを前提にして生活を設計していること自体が不健全な状態であるといえますし、もし借りなければ生活が成り立たないようであれば次のことを検討する必要があります。

  • 転職する、妻に働きに出てもらうなどで収入を増やすことができないか(特に無理な事業をしてそのために借り入れが必須と考えている人は事業をやめることも視野に入れる必要がある)
  • 無駄な支出を減らすことができないか
  • 公的扶助で受けられるものはないか

足りなければ借りる、という生活から脱却して、家計を正常化するためにも手続に着手するのは早いに越したことはありません。
債務が膨らむ前に早めのタイミングで手続したため、自己破産までは至らずに任意整理で済むというケースもたくさんあるのです。ですからくれぐれも、ブラックを気にしすぎて手続に踏み出せない、ということだけは避けたいものです。

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西岡容子

西岡容子

熊本にて夫婦で司法書士事務所を営む。10年以上の実務経験で、債務整理の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。
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