債務整理の森

債務整理を依頼する際の弁護士の選び方と、それぞれの弁護士の口コミや評判を検証し解説します。

債務整理で元金も減らすことはできるの?

 

クマ
債務整理を取り入れると、元金を減らすことができる場合があるって本当?どのような条件で元金を減らすことができるのか教えて!

ミミズク
元金を減らすための条件を早速調べてみよう!

債務整理をする大きなメリットとして「元金を減らす」ということがあります。

ただ、この元金を減らすという言葉の意味は1つではありません。

では債務整理をすることにより

  • 元金がどのように変化するのか、
  • 手続きの種類により返済方法はどのように異なるのか、
  • 弁護士(司法書士)の技量によって結果に違いが出るのか

ということを考えてみましょう。

「債務整理によって元金が減る」とはどのような意味?

債務整理をすると債務者自身が最初に認識していたよりも元金が減ることがあります。これは、

必然的に減額する場合」と

手続きによって減額させる場合

があるのです。

必然的に元金が減額する場合

すべての債務整理では、最初に「利息引き直し計算」という作業を行います。

債務整理が多くの弁護士(司法書士)にとってポピュラーな業務ではなかった時代には、債務者の申告してきた債務額や返済額をそのまま聞き取って自己破産手続きをしていた、などのケースも珍しくありませんでした。

しかし現在では、業務に関する正確な知識を持つ弁護士(司法書士)であれば必ず最初に利息引き直し計算をするはずなのです。

※利息引き直し計算によって元金が減る仕組みは「任意整理で借金を減額する方法と具体例」で解説していますのでこちらをご覧ください。

なお、利息引き直し計算による元金の減額については、それを行った弁護士(司法書士)の技量によるものではありません

 

結局のところ、どのくらい元金が減るかというのは

  • 「取引期間の長さ」
  • 「途中での借り増しの回数や金額」

これによって変わることになります。

弁護士(司法書士)は、債務者から依頼を受ける際に「最初に各業者と取引を始めたのはいつですか?」という聞き取りを必ず行います。

その時点で、取引期間の長さに基づき経験則から「これはおそらく半分以上は元金が減っているだろう」とか「もしかしたら過払い金が発生しているかもしれない」とか予測をつけています。

しかし受託後、債権者に「取引履歴」を請求し、受け取った取引履歴を計算したら途中での借り増しがとても多いため、相当な元本減額を期待していたものの、全く「あて」が外れていたということもあります。

よって、「年利29.2%など、高金利業者との取引を5年以上続けていれば過払いになる」などと言われているものの、上記のように途中の借り方、返し方というのが元金の減額幅を分けるとても重要な部分であり、必ずしも返済期間だけでは判断できないということです。

この「必然的に元金が減る」ケースについてですが、弁護士(司法書士)の報酬の中には「減額報酬」という項目を設けている事務所もあります。ここで言っている「減額」の意味は、多くの場合、利息引き直し計算による減額に対する報酬金です。

ただ、利息引き直し計算による元金の減額は弁護士(司法書士)の能力や手間によるものではなく、法的に当然の結果として生じるものです。
よって、それを「成果」と称して報酬を取ること自体が法律家の倫理として問題があるのではないかという指摘ももちろんあります。
決してその報酬は違法というわけではないのですが、依頼者の側も依頼先事務所を選ぶ基準とするためにも、減額報酬がそのような性質のものであることを知っておく必要があります。

クマ
元金を減らす性質について理解できたよ!個人再生を取り入れた場合の元金はどうなるの?

ミミズク
個人再生を取り入れる場合には、引き直し計算の後に元金の調整が行われるよ。チェックしてみよう!

手続きの中で強制的に元金を減額させる場合

個人再生による元金の減額

「自己破産はしたくない(または事情によりできない)」が、任意整理のように元金をすべて返済するのは不可能であるという状況の人が検討したい手続きが「個人再生」です。

上図のように、最初に債務者自身が認識していた金額(貸金業者側が高金利を設定していた場合にはその利息で計算した残元金)を、「利息引き直し計算」によって②の金額まで減額します。

これは、上で説明したように「法律上、当然の減額」となります。

「②のままでは、分割でも返済金額を全て負担できない」「でも月々の収入は安定している」といった条件の人は次のステップとして個人再生手続きが選択肢に入ってきます。

個人再生は裁判所によってなかば「強制的に」元金を減らす手続きですので、任意整理のようにそれぞれの債権者と個々に交渉する煩わしさがありません

ただし、個人再生は裁判所が絡む分だけ手続き自体が非常に厳格であり、かつ、減額できる元金には法的な規制があります。

個人再生では元金減額できる範囲が決まっている

個人再生は「元金を減らせる」ということが最大の魅力となる手続きですが、そこには一定の規制があります。

小規模個人再生(サラリーマン・自営業者など幅広い者が選択可能)」では、

  • 最低弁済額
  • 清算価値保障原則

という2つの基準により元金の減額幅が決まってきます。

「給与所得者等再生(主にサラリーマンなど、収入の安定性が高い者が選択可能)」では、上記2つの基準に加えて

  • 可処分所得基準

という要件が加わります。

※「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」について詳しくは「小規模個人再生と給与所得者等再生の違い」で詳しく説明していますので、こちらをご覧ください。

最低弁済額

個人再生においては、利息引き直し計算後の金額がいくらなのかということにより、どこまで減額が認められるかの「下限」となる金額が決められています。

これを見るとわかるのですが、個人再生をする意味がある人とは「利息引き直し計算後の残債務が最低限100万円を超える人」ということになります。

そして120万円や130万円など、100万円を少し超える程度の人は結局100万円までしか減額されないため個人再生の効果は薄いといえます。

そのような人は、手続きの手間が煩雑な個人再生をするよりむしろ任意整理を選ぶ方がよいのではないでしょうか。

清算価値保障の原則

清算価値」というのは、債務者がもし自己破産したと仮定した際に債権者に分配される総額のことです。

個人再生をする場合に元金を減額するにあたっては、この「清算価値」を上回る金額を弁済しなければなりません

清算価値とは結局のところ債務者の持っている財産価値の総体を指すことになります。自己破産では自分の手持ち財産を一部の例外を除いてすべて配当に回すことになるため、個人再生でもそれとのバランスをはかっているのです。

可処分所得基準

「給与所得者等再生」と呼ばれる、収入にとりわけ安定性のある人が取ることのできる手続きにおいては、上記の2つの要件プラス、「可処分所得基準」という要件があります。

これは、一定の計算式で算出した「可処分所得の2年分以上」が上記の最低弁済額よりも大きいのであればそれ以上を支払わなくてはならないという基準です。

ただ、これを計算した結果大きな金額となってしまうことがあるため、給与所得者等再生を選ぼうとする人にはネックとなることが多いのです。

クマ
個人再生の場合には、いろんなルールがあるんだね。過払い金がある場合には、元金を返済しなくても良いの?

ミミズク
借り入れをしていた利率により、元金を返済しなくても済む場合もあるんだよ!

過払い金があることにより元金を減らせる場合

これも利息引き直し計算の効果の一つですが、高金利の貸金業者と行っていた過去の取引を適切な利息制限法にて引き直すと、「債務が減る」という段階を通り越して「債務がゼロになっていたのにそれでもなお支払いを続けていた」ということがあります。

これがいわゆる「過払い金」です。

もし、過払い金の金額がこのように高額である場合、債権者Cから取り戻した過払い金を利用してAとBに一気に借金返済する、という可能性もあります。

ただ、このような場合に難しいのは「過払い金を何割くらい取り戻せるのか?」という点です。

額面で150万円あるからといっても、そのうちの何割取り戻せるかは「債権者の規模」「経営状態」などに左右され、全額を取り戻そうとすれば訴訟することもやむなし、というケースもよくあります。

そうなると訴訟費用(裁判所への費用や弁護士などへの報酬)も、任意の和解と比べてかなりかかってくるためそれだけの効果があるかどうかを事前に法律相談などを利用したり、弁護士事務所の無料相談など取り入れ、弁護士(司法書士)とよく相談して見極めなくてはならないこととなります。

クマ
任意整理の場合には、元金はどうなるの?

ミミズク
任意整理の場合には、引き直し計算が基本になるから、元金を減額させるのは難しいと言われているよ。詳しく見てみよう!

任意整理で減らせる元金とは?

任意整理は利息引き直し計算が減額の限度

任意整理の手続きにおいては、利息引き直し計算をして算出された金額以上に元金を減らすことはまず無理ということがほとんどです。

一部の金融業者では「任意整理で一括返済する場合のみ、若干の減額に応じる」ケースもあるようですがむしろその方が例外的だと考えておかなくてはなりません。

弁護士(司法書士)の能力で元金を減らせるか?

腕の良い弁護士(司法書士)や法律事務所に依頼すれば任意整理の元金を減らせるのか?という問題ですが、交渉次第で元金の一部をカットしてもらえるというものではありません

任意整理で弁護士(司法書士)のスキルが生きてくるのは、下記の「利息カット」「分割払い」の交渉をする場面でしょう。

将来利息のカット、有利な分割払い

任意整理をする際には弁護士(司法書士)の共通認識として、将来の利息を必ずカットする形で債権者と交渉するというポイントがあります。

利息引き直し計算によって債務が減る人もそうでない人もいるわけですが、たとえ引き直し計算による減額が望めない人であっても、将来利息をカットすることで月々負担額がかなり減ることがあります。

また、弁護士(司法書士)の腕により結果が変わる部分として「分割払いの回数をどのくらい認めてもらえるか」ということもあります。

同じ元金であっても分割回数の交渉がうまくいくかどうかで任意整理の可否が決まってくることもあり、依頼者としても任意整理の経験が豊かな弁護士(司法書士)を選ぶことがカギになってきます。

クマ
元金を減らす方法には様々な方法があるんだね。でも中には、借り入れ全てを返済しなくても良い場合があるって聞いたんだけれど本当?

ミミズク
ヤミ金からの借り入れの場合には、元金と利息、両方の返済はしなくても良いんだよ。でも放っておくのではなく、専門家に相談する事が大切だよ!

「元金」すら返さなくてもよい債務とは?

元金を減らせるケースにどのようなものがあるのか?ということを解説してきましたが、「元金も含めて丸々、返済総額全て、返済の必要がない」ケースもあります。それが「ヤミ金」からの借入れです。

「ヤミ金」という言葉だけは誰しも一度くらい聞いたことがあるのではないでしょうか?

ヤミ金の定義としては「貸金業登録をしていない業者」という基準が一つあります。

ちなみに、貸金業登録しているか否かはここから調べることができます。

http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php

ただ、注意したいのが「一般的な消費者金融のように、登録貸金業者であるにもかかわらず違法金利で営業している」というパターンもあることです。これも一種のヤミ金といえ、貸付自体が違法なのです。

ヤミ金については貸付が違法なわけですから、元金や、遅延損害金も含めて返済する必要はありません

ヤミ金業者の中には「借りたものは返すのは当たり前」など、良心の呵責を感じさせて返済を迫るようなものや、従来のような恫喝ではなく、一見それとは見えない「ソフトヤミ金」と呼ばれる業者もいます。

ヤミ金業者に対しては以前より警察なども積極的に対応してくれるようになってはいますが、やはり弁護士(司法書士)と異なり前提知識がありませんから、いまだに「借りた元金だけは返したらどうですか?」などと言われることもあります。

そのようなことを考えると、ヤミ金についてもやはり前提となる法的知識を武器にして戦わなくては相手のペースに巻き込まれることになってしまいますので、一番適切な相談先は弁護士(司法書士)であるといえるでしょう。

クマ
元金を減らすことが出来る場合についてしっかり学ぶことができたよ!

ミミズク
今回のまとめだよ!元金を減らしたい場合には、しっかりとチェックしておこう!

債務整理で元金も減らすことはできるの?まとめ

  • 債務整理で元金が減るということの意味には「利息引き直し計算により必然的に減る」「手続きの中で強制的に減額させる」「過払い金を用いて他の債権者の元金を返済する」などがある。
  • 個人再生では元金を強制的に減額できるが、減額できる割合には限度がある。
  • 任意整理では利息引き直し計算により算出された金額以上に元金を減額することはできない。この点はほぼどの弁護士(司法書士)であっても同じである。
  • 任意整理で弁護士(司法書士)の腕が生きてくるのは「将来利息カット」「分割払いの回数」などの交渉面である。
  • ヤミ金は、元金すらも返済しなくてよいので、弁護士(司法書士)にすみやかに相談して解決をはかるべき。

 

 

 

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西岡容子

西岡容子

熊本にて夫婦で司法書士事務所を営む。10年以上の実務経験で、債務整理の経験も豊富。現場での経験を活かしてユーザーのためになる確かな記事を執筆中。
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