債務整理の森

債務整理を依頼する際の弁護士の選び方と、それぞれの弁護士の口コミや評判を検証し解説します。

個人再生の必要書類

 

クマ
個人再生の手続きはとても大変って聞いたんだけれど、どんな部分が負担となるの?

ミミズク
個人再生の手続きが大変と言われる理由としては、集める書類が非常に多いという点なんだ。

クマ
でも、弁護士や司法書士に依頼する場合には、自分自身での書類集めはそんなに大変ではないんじゃない?

ミミズク
弁護士や司法書士に依頼できる書類もあるけれど、自分自身で集めなければいけない書類も多いから、個人再生の手続きは大変って言われているんだよ。今回の記事では、個人再生に必要な書類について、詳しく説明するね!

個人再生は、数ある債務整理メニューの中でも最も手続きが煩雑で時間がかかるものといえます。

その最大の理由は「手続きのルールが厳密に決まっていること」であり、中でも裁判所への提出書類の多さに途中で挫折してしまう人も少なくありません。

 

では、具体的にどのような書類を準備するのかを、実物を見ながら解説していきます。

個人再生を行うために必要な書類とは

個人再生だけではなく自己破産も同じですが、手続きの申立をする際の書式や必要書類は、各地方裁判所により若干異なります

ただ、全体としてはほぼ共通しているため標準的なモデルをご紹介します。

 

構成としては、「申立書」と申立人の状況を説明するための各種書類に分かれており、それぞれの記載を裏付ける資料として役所や職場、(保険などの)契約先会社などから取り寄せた書類を添付することになります。

書類名項目具体的添付資料
申立書債権者一覧表
戸籍謄本
住民票の写し
委任状
送達先一覧表
宛先記載済封筒
陳述書
(報告書)
収入申立人の確定申告書(小規模個人再生の場合)
申立人の給与明細書
申立人の源泉徴収票(2年分)
申立人の課税証明書(2年分)
年金の受給証明書
過去の収入・職業等以前の就業先での給与証明書
現在の住居の状況賃貸借契約書・住宅使用許可書
生活の状況同居人の給与明細書(3カ月分)
同居人の源泉徴収票(2年分)
預貯金通帳
残高証明書
財産目録貸付金契約書
退職金制度退職金見込額証明書
勤務先の就業規則
保険保険証券
解約返戻金見込証明書
有価証券等証券
証券の時価がわかる資料
自動車・二輪車等車検証
登録事項証明書
車両の時価がわかる資料
高価品高価品の時価がわかる資料
事業用動産事業用動産の時価がわかる資料
不動産登記事項証明書
固定資産税評価証明書
査定書
固定資産なきことの証明書
被担保債権の残高証明
処分した財産処分に関する資料
その他の財産その時価がわかる資料
再生計画案
清算価値チェックシート
可処分所得額算出シート(※)
債権者一覧表債権調査票
判決、支払督促、調停調書、公正証書等
家計収支表・同一家計の親族分を含む
・電気、ガス、水道代、電話料金を口座引落以外の方法で支払っている場合は領収書

再生手続開始申立書

実務的には個人再生の申立て件数の中で大半が「小規模個人再生」となるため、ここでは小規模個人再生のフォーマットを例に挙げます。

 

※個人再生には債務者の状況によって「小規模個人再生」か「給与所得者等再生」のどちらかを選びます。
両者の違いについては「
小規模個人再生と給与所得者等再生の違い」に詳しく解説していますのでこちらを参照してください。

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なお、1ページ目の下部にこのような項目があります。

 

 小規模個人再生を行うことが認められない場合には,

  □ 通常の再生手続の開始を求める。

 

もしここにチェックを入れると、小規模個人再生の要件を満たさない場合は通常の再生手続きが開始することになります。

そもそも「小規模個人再生」とは、通常の再生手続きを個人向けにアレンジし、手続きを簡素化したものです。

通常の再生手続は基本的に事業者や法人で関係者や債権額も多い場合を想定しており、予納金も200万円以上(債権額による)になるため、一般個人ではとても遂行できるような内容ではありません

 

個人で売り上げや経費の大きい事業をやっているなど、通常の再生手続きと個人再生手続きいずれも考えられるケースもあるでしょうが、それ以外の個人ではこの欄にはチェックを入れないことが普通です。

 

そして2ページ目の「住宅資金特別条項」とは、住宅ローン特則を利用し、住宅ローンを残して個人再生したい場合に使う方法であり、こちらの利用を希望する場合にはチェックを入れておきます。

※住宅資金特別条項(住宅ローン条項)について詳しくは「個人再生と住宅ローン」で解説していますのでこちらを参照してください。

陳述書(報告書)

申立書に続くのが、裁判所に対して現在の債務者の生活、就業、負債状況を陳述するための「報告書」です。

 

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報告書に記載するべき内容の大半は法律的知識が要るようなものではなく、どちらかと言えば債務者本人しか知り得ないような「事実関係」の部分になります。

もし弁護士(司法書士)に依頼した場合は「自宅で下書きをしてきて下さい」とこのフォーマットを渡されることが多いでしょう。

 

報告書についての主な注意点は次のとおりです。

第2「生活の状況」

個人再生や自己破産の場合、任意整理とは異なり、家族全体の家計を正確に把握することが求められます。

そして、家計収支表に記載した内容と矛盾がないように自分や家族の収入状況も資料つきで申告しなくてはならないのです。

 

そのような点からも「家族に内緒で個人再生」というのはまず不可能ということになります。

第4の7「再生手続開始の申立てをするに至った事情」

上記のような事実関係の部分はまだ書きやすいのですが、大半の人が手間取ったり、ほとんど手付かずになってしまうのがこの「申立てをするに至った事情」です。

ここは、いわゆる「作文」をしなければならないところであり、特に普段事務職以外の仕事をしている債務者は自分で下書きすることすらできない人も多いのが実情です。

 

この項目で裁判所から求められているレベル、内容としては、自分が借金を背負うまで、そして増えていく過程の生活状況や負債額を

  • 時系列で
  • 金額や借入理由を具体的に示して

書くことです。

債務者が下書きした場合の多くは単に感情などを書き連ねるだけになってしまうのですが、そのような内容を提出しても裁判所から補正を命じられることになります。

そこで、なるべく一発で書類を通すために最初から弁護士(司法書士)が添削するか、本人から聞き取りした内容を弁護士(司法書士)が文章に起こすことがほとんどです。

 

この欄で悩んでしまい、依頼者がいつまでも弁護士事務所に持って行けないために手続き全体が遅れるというのは個人再生に時間がかかる典型的なパターンです。

 

「どうしても思い出せないことがある」

「そもそも文章を書くこと自体が苦手」

という人は早めに依頼先事務所に相談しておく方がよいでしょう。

財産目録

債務者のあらゆる資産をくまなく報告するために作成するのが「財産目録」です。

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財産目録についての注意点は次のとおりです。

 

「3 貸付金・過払金」

消費者金融などとの取引が長い人は「過払い金」が発生していることもあり、これは債務者にとって「財産」の一部になることに注意が必要です。

 

なお、個人再生を考える人でどこかの業者に過払い金が発生している場合、手続を申し立てる前に勝手に債権者との間で返還額の和解をしてしまうことには問題があるとも考えられます。

もし訴訟に持ち込めば満額近くの返還を受けることができるのに、それを知らずに任意で半額返還の和解などをしてしまった場合、債務者の財産額が減る=過払い金があった業者以外の債権者を害することもあるためです。

弁護士(司法書士)が間に入っているのであれば適切に処理されることが多いでしょうが、過払い金がある場合はそのまま手を付けずに個人再生手続内でその旨を申告し、裁判所や個人再生委員のアドバイスを受けることが無難でしょう。

 

「6 保険」

終身保険や生命保険のように、解約返戻金があることが前提の商品は、契約者が自覚しないままに返戻金が結構な金額になっていることもあり、それももちろん「資産」となります。

ただ、掛け捨ての商品でも全額戻ってこないものばかりではなく「少額の解約返戻金がある」タイプもあるため注意が必要です。

 

解約返礼金がある場合はもちろん、ないものであっても「解約返戻金はありません」という旨の証明書を保険会社に依頼して送ってもらう必要があります

そして、これは提出時点で「発行3カ月以内」であることが要求されるため、あまり早く取り寄せすぎないということがポイントです。

「10 不動産」

土地や建物といった不動産を所有する場合は登記簿謄本や、査定額や評価額を見極めるための、固定資産税評価証明書を提出しますが、不動産を「持っていない」ことを証明する書類として「無資産証明書」というものがあります。

無資産証明書は市区町村役場で取得することができます。

「12 相続」

相続財産は特に盲点となりやすいため要注意です。

 

親が既に亡くなっているが、親が持っていた財産の遺産分割協議が済んでいないケースは結構あるものです。

このような場合は法定相続人(民法で定められた範囲の相続人)全員が法律に従った相続分に応じて潜在的に財産を共有している状態になっています。

つまり、自分は相続した自覚がない人でも未分割遺産の共有者になっている可能性があるということです。

 

また、自分の兄弟に子供がいない人がおり、その兄弟が亡くなっている(親はそれより前に亡くなっている)といったケースでも同じことが言えます。

相続関係がどうなっているのかを理解できておらず、弁護士(司法書士)に指摘されて初めて気づく人も多いのです。

再生計画案

再生計画案は

  • 「どのくらいの割合で債務をカットするのか」
  • 「具体的な分割弁済の方法」

などを記載する書類です。

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清算価値チェックシート

個人再生手続きのルールに「清算価値保障の原則」というものがあります。

 

これは、個人再生では大幅な元本カットが認められるものの、債務者は最低限自分の手持ち財産(清算価値)、以上の金額は弁済しなければならないという決まり事です。

 

清算価値を計算するためのフォーマットとしてこのチェックシートが使われています。

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債権者一覧表

債権者と各社の債権額を整理するために提出するのが「債権者一覧表」です。

これは裁判所から各債権者に送付されるため、債権者が自ら異議を述べる機会も与えられていますが、異議を述べなければこの内容を認めたものとみなされます

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家計収支表

家計収支表は、おおよそ3カ月程度の提出が求められます。

なお、支出に関する領収書を提出しなければならない裁判所も多いと思われます。

家計収支表と他の書類(給与明細・領収書など)との目立った矛盾が生じると裁判所から指摘を受けることもあるため、慎重に記載していかなくてはなりません。

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クマ
本当に集める書類が多いね・・・申立書はどこから入手するの?

ミミズク
裁判所や弁護士事務所、インターネットを活用してダウンロードする事も可能だよ。

裁判所から取り寄せなければいけない書類

個人再生申立てにあたって準備しなければならないのは「申立書一式」「添付書類」ですが、申立書一式は「裁判所でもらう」「インターネット経由でダウンロードする」という2つの方法があります。

 

実際には大変難しいことですが、自分で個人再生手続きをする人もおり、そのような場合は裁判所に直接、申立書類をもらいに行ってもよいでしょう。

しかし、現在は裁判所や弁護士会のサイトから各書式がダウンロードできるため、インターネット環境がある人であればそちらの方が手軽です。

 

弁護士(司法書士)に依頼する人は事務所に書式を準備してあるため、自分で揃える必要はありません。

クマ
弁護士や司法書士に書類集めをお願いできる物もあるんでしょ?

ミミズク
そうだね。書類の中には、弁護士事務所が用意してくれる物もあるし、自分自身で用意しなければいけない物もあるから、事前に確認しておこう。

自分自身で用意しなければいけない書類

添付書類一式は役場や会社から自分で、もしくは弁護士(司法書士)に代行してもらって準備する必要があります。

弁護士(司法書士)が取得できる書類

弁護士(司法書士)のような法律専門家に手続きを依頼すると戸籍、住民票、固定資産税評価証明書、登記事項証明書、無資産証明書といった公的な書類の大部分は代理で取得してもらうことができます

書類の種類も多いため、なるべく代行できるものはしてもらった方が効率良く準備を進められます。

債務者本人でなければ取得できない書類

一方、どうしても本人でなければもらえない書類もあります。

たとえば職場からもらうことを予定している源泉徴収票、給与明細書、退職金見込証明書などの書類です。

また、保険の解約返戻金見込証明書など契約先の会社に依頼する書類も本人でなければ送ってもらえないことがほとんどと思われるため、それらは自分で依頼する必要があります。

「3カ月以内のものを提出する」などのルールが決まっている書類もあるため、依頼先によく確認してから取得するようにしなくてはなりません。

 

預金通帳についてはなるべく申立てぎりぎりの日付までしっかり記帳し、最新の状態を反映したものを提出するようにします。

 

書類取得の際に引っかかる人が多いのが「源泉徴収票」「退職金証明書」を会社に頼みづらいということです。

原則的に理由を告げる必要はないのですが、もし聞かれたら「住宅ローンの仮審査に出す」「銀行カードローンを申し込む」などの理由を伝えておけば出してもらいやすいでしょう。

退職金見込証明書は就業規則で代用できることもありますので、依頼先事務所に自分の雇用状況などを伝えた上で指示を仰ぐようにしましょう。

クマ
書類はいつまでに用意すれば良いの?

ミミズク
申立てを行う時に、全ての書類が準備できているようにしよう。中には、早めに用意しておくと使用期限が切れてしまうような書類もあるから、注意が必要だよ。

いつまでに書類を準備すれば良いのか

「個人再生の申立て」を行う際にすべての添付書類を揃えて出すことが原則になります。

 

しかし、申立ての際にどうしても揃えられないものがあった場合、多少であれば「後から追完する」ことを裁判所に上申書で申し入れておけば受理されることもあります。

クマ
申立てが完了となれば、後は書類集め終了だよね?

ミミズク
不備がある場合には、補正通知が来ることになるよ。その他にも、家計収支表は、後から再提出を依頼される事もあるから、申立てが終っても、家計収支をつけておくようにしよう。

個人再生の申立てが終ってから用意する書類

申立書類が受理されてから、いったん裁判所側が書類すべてをチェックします。

1週間~1カ月くらいの間に連絡が来ることが多いでしょうが、ほとんどの場合は「補正通知」といって、「〇〇の書類も追加で提出願います」「〇〇と〇〇が不明瞭なので、この点を説明してください」など、指摘が入ります。

 

補正をすみやかに行うことも全体の手続きを早くするためには大切です。

 

また、家計収支表は申立て後の分も後から提出を求められることが多いので、引き続きつけておかなくてはなりません

クマ
あまりにも集める書類が膨大すぎて、途中でわからなくなってきたよ・・

ミミズク
そんな時には、チェックリストを利用して、書類の提出漏れがないようにしよう。

チェックリストを有効に活用する

申立て書類をダウンロードすると、最後に「個人再生申立てチェックリスト」がついてきます。

これには添付書類のリストと債務者が間違えたり見落としたりしやすい点がリストアップされていますので、これを見ながら不備がないかどうか最終確認すると良いでしょう。

クマ
個人再生の書類集めは本当に大変なんだね・・・

ミミズク
それでも、個人再生には、元本の減額という大きなメリットがあるから、めげずに書類集めをやり遂げよう!

個人再生の必要書類、まとめ

  • 個人再生の申立てをする際には「申立書一式(記入する)」「添付書類」を準備する必要がある。
  • 申立書一式裁判所でもらう他、裁判所や弁護士会のサイトからダウンロードする方法があるが、弁護士(司法書士)に依頼すれば依頼先事務所が準備してくれる。
  • 添付書類には「弁護士(司法書士)が代理で取得できるもの」「債務者本人でなければ取得できないもの」があるが、手続の期間短縮のためにもなるべく頼めるものは頼んだ方がよい
  • 申立て後にも裁判所から補正が入ることが多いが、補正をすみやかに終えることも全体の流れをスピーディにするために大切である。
  • 申立て前の確認としては、個人再生申立てチェックリストを活用するとよい。
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